我が家の家庭菜園の杏(あんず)がアブラムシ被害に!!
よく効く家庭用農薬の紹介や、素人でも解る100均スポイトを使った「農薬簡単希釈方法」「消毒/駆除方法」などを紹介しています。なお、この消毒法は梅の木にも有効です。
気持ちの悪いアブラムシ写真を掲載していますので、苦手な方はご注意ください。
あんず/梅の木が「アブラムシ」被害に★おすすめ家庭用農薬と消毒/簡単希釈方法
家を新築した当時、記念に玄関横に植えた杏(あんず)。
枝も順調に伸び沢山の実が収獲できるようになりました。
毎年、母の作る「あんず酒」「あんずジャム」などが楽しみなのに、今年はアブラムシが大発生。果樹農園の親戚のアドバイスをたよりに、あわてて消毒をすることにしました。
あんずにアブラムシがぎっしり (閲覧注意)
杏の木の異変に気付いたのは、6月下旬。ちょうど杏の収穫が終わって一息ついたころです。
杏の木の一部が枯れているのに気づき、あわてて様子を見に行くと、まだ緑の枝にアブラムシがびっしりついていました。
閲覧注意
アブラムシぎっしりの写真です。
虫嫌いの方は、
飛ばしてください。
アブラムシの生態
消毒の話をする前に、ちょっと面白いのでアブラムシの生態について調べてみました。
アブラムシが発生するのは主に春から秋にかけてです。4月~6月ごろ東南アジア方面からなんと、気流に乗って飛来し野菜や果樹の新しい芽や葉に寄生、9月から11月には越冬せずに死滅します。
アブラムシの色は、緑・黒・黄色・赤など様々ですが、色が変化する種類もいます。
アブラムシは、オスがいなくてもメスだけの繁殖能力を持つ卵胎生単為生殖で、なんと、既に胎内に子を宿している雌を産むそうです!!
このため短期間で爆発的に数を増やし大きなコロニーを形成すると言うわけですね。
天敵はテントウムシ
アブラムシの天敵は、テントウムシです。アブラムシは集団で生活していますし、外殻が柔らかいアブラムシは捕食されやすいようです。
とはいっても、テントウムシを沢山捕まえてきて、杏の木に放つわけにもいきませんよね。
アブラムシとアリの共生関係
アブラムシは肛門から「甘露」と呼ばれる排泄物を出します。これには沢山の糖分が多く含まれていて、アリ達はこの甘露を求めて集まってきます。アブラムシは防御力が弱いのでアリに外敵から守ってもらい、アリは甘露をもらうという共生関係を成り立たせているそうです。
そういえば、アリ・・・沢山いました。
アブラムシの写真を撮る時にアリを払い落しましたが、そういうわけだったのですね。写真にもちらりとアリの姿が写っています。
農薬以外でアブラムシを駆除する方法
農薬以外でアブラムシを駆除できる??方法があるので紹介します。
➡アブラムシは黄色が大好きで、乳酸菌の臭いにも引き付けられるそうです。
➡アブラムシはキラキラしたものが嫌い。アルミホイルやDVDなどを近くに置いておく。
どちらも、プランターなどでの駆除に適していると思いますが、杏などの大きな果樹には無理かもしれませんね。さて、いよいよ杏の消毒のお話をしますね。
消毒薬が効かない!!枯れた??
じつは我が家の杏、収穫前にも杏の木にアブラムシがつき、1度「マラソン乳剤」で消毒を行っていたそうです。
「マラソン乳剤」は、野菜や果物の害虫退治によく効く薬で、ホームセンターなどで手軽に手に入る希釈型の家庭用農薬です
「鉢植えのミカンの木の消毒によく効いたから」と、母が杏の木にも試したようですが、あまり効き目がないとぼやいていました。
収穫後、そのままほおっておいたら木が枯れると言う悲惨な状態になったというわけです!
・消毒薬を間違えたから木が枯れたのではないか?
と、母は不安に思い私を頼ったようです。
素人でも扱える杏の消毒さがし
母が使った「マラソン乳剤」の取説を見てみると、「ぶどう、ビワ、かんきつ類、もも、梅、林檎、柿」などは記載があるのですが、やはり「杏」の記載はみあたりません。
そこで、「杏の消毒」をネット検索したのですが、まったく出てこない!!
そこで「アブラムシ消毒」で検索すると、今度は何種類もあってどれにしたらよいのかさっぱりわかりません。
スプレー式のものは、「木 1本」を消毒するにはコントパフォーマンスが悪いし、やっぱり適応作物に「あんず」の記載がなく困りました。
そこで、果樹農家の親戚に「素人でも扱える農薬」はないかと聞くと、
ホームセンターで売っている家庭用「スミチオン乳剤」を勧められたので、早速試してみる事にしました。
親戚の家は、ブドウ/スモモ/梅/ミカンなどの果樹農家ですが杏はつくっておらず、「杏にも効くだろう」との事しか情報をもらえませんでした。
あんずの消毒/アブラムシ/家庭用農薬
「スミチオン乳剤」は家庭用園芸殺虫剤として知られ、「マラソン乳剤」と同じ希釈型で、住友化学園芸さんが発売している農薬です。
ホームセンターの農薬売り場には、様々な農薬が置いてありましたが、適応作物に「杏」の文字が入っている農薬は1つもありませんでした。
期待をしていた「スミチオン乳剤」には「梅」の記載はありましたが「杏」の記載はやっぱりなし。でも「マラソン乳剤」より数多くの野菜や果物の記載があったのでこちらを購入してきました。(700円前後です)
家庭菜園あんず「アブラムシ」に効く農薬/希釈/散布の仕方
消毒/希釈倍数を決める
「スミチオン乳剤」に「杏」の記載がないので、果樹全般の希釈倍数を確かめてみると
アブラムシに対しは、1000~2000倍
杏と同じような種類の果物?を見ると
という事で、1000倍の希釈倍数を採用することに決めました。
「1000倍の希釈」とは、解り易く言うと、
と言う事になります。
1000倍とはすごい。コストパフォーマンスも良いですね。
そこで、「スミチオン乳剤」の蓋を見るとこんな感じ。
なんと、よく見るとフタに「ml」の記載があります。フタの内側は、こんな感じで何も記載はありません。
便利~♪ なんて思っていましたが、7mlですと1000倍の7リットル!!も農薬を作らなければなりません。
我が家の小さな杏の木は1リットルもあれば、充分足ります。
となると、フタの1/7の農薬量になるけれど、そんな少量うまく測れるのかしらん????
農薬/簡単スポイトで希釈
こういった時に使えるように、我が家ではスポイトを常備しています。数千倍に農薬を希釈する時はスポイトがお勧めです。
正確なメモリ付のスポイトは手に入りにくいので、今回は「1滴」を基準に考えて希釈します。
スポイトは100均で売っている物を購入。
目薬などの1滴は0.05mlですから1000倍で希釈するの場合、1リットルの水(大きい牛乳パック1本分)につき、農薬は15敵から16滴となります。
1000倍で希釈する場合
1ℓの水➡農薬 スポイト15~16滴
噴射機でらくらく消毒
消毒には、親戚からもらった手動の噴射機を使います。女性でも簡単に持ち上げられる1.2リットル用です。
左の柄の部分を2~3回プッシュするだけで、中の空気が圧縮されます。中央のレバーをひねると右側の噴霧器から噴射されるのでとても便利。停める時もレバーを戻すだけなので、簡単です。
噴射機は乾電池で自動噴射するタイプのものもあるようです。
アブラムシがポロポロ/消毒が効いた!!
前回「マラソン乳剤」を使った為、葉が枯れたのではないか?と母が心配していたので、今回はアブラムシがひどい枝先の部分のみを消毒し、1週間ほど様子を見る事にしました。
まず、雨が降らない天気の良い日を選び枝先だけを消毒。
すると翌日には、アブラムシが・・・・ん?
まだついてる?
棒で触ると、ぽろぽろと落ちた!!!!!
薬が効いたと言う事ですね!!!
アブラムシの死がいと、抜け殻みたいのがくっついています。
1週間後、雨風にうたれて、すっかり綺麗になりました。
枝葉も枯れずに元気になっています。
消毒薬で枯れないことが解ったので、あんずの木全体を消毒しました。
後で調べたところ、アブラムシにひどくやられると、枝全体が枯れる事が良くあるそうです。今後、枯れてしまった枝が復活するかはわかりませんが、解り次第追記したいと思います。
親戚の果樹農家によると、桃は収穫の3日前までは消毒可能だそうですが、やはり薬害が怖いので花が咲き終わり新芽が伸び揃った頃、様子を見て農薬を散布するとの事でした。
これで、我が家の杏も安心。
来年は、新芽が出るころにキラキラCDをぶら下げてみようかと考えています(笑)
長文になりましたがお読みいただいてありがとうございました。この記録が皆様のお役に立てれば幸いです。
杏の花 ↓
ブドウの黒とう病でも、消毒液の希釈方法を紹介しています↓
まとめ
・心配なら、枝先だけ先に消毒して様子を見る
・1000倍に希釈➡1リットルの水なら、スポイト15~16滴の農薬
参照 ウィキペディア