愛するペットとの別れ──
それは想像をはるかに超える、深い喪失感をもたらします。
私も、13年間ともに暮らした愛犬「ちよ姫」を亡くしたとき、日常のすべてが止まったように感じました。
何気ない生活の一コマに、あの子の存在がどれほど大きかったのか、いなくなって初めて気づいたのです。
この記事にたどり着いたあなたは、今、ペットの死に直面し、どうしていいか分からない悲しみの中にいるのかもしれません。
言葉にならないほどの寂しさ、涙が止まらない日々──
そんなあなたに、私は心から寄り添いたいと思っています。
このページでは、私が経験した「ペットロス」のリアルな体験と、そこからどうやって少しずつ心を回復させていったのかを、率直に綴っていきます。
- 「ペットの死から立ち直れない」あなたへ
- 涙と後悔の中にいる方へ
- 少しでも心が軽くなるヒントを探している方へ
私の体験が、ほんの少しでもあなたの支えになれば幸いです。
ペットロスとは?起こりうる症状と期間について

ペットロスとは、愛するペットとの別れによって生じる、深い悲しみや喪失感のことを指します。
家族同然だった存在を失うことは、単なる「ペットがいなくなった」という事実以上に、心にも身体にも大きな影響を及ぼすものです。
ここでは、私自身の体験も交えながら、ペットロスで現れやすい症状や、その期間についてお話しします。
ペットロスの症状とは?

ペットを失った後、人はさまざまな反応を経験します。たとえば:
- 涙が止まらない
- 気力がわかない、無気力
- 食欲がなくなる
- 夜眠れなくなる
- 何もする気が起きない
- 頭の中がずっとペットのことでいっぱいになる
これは「異常」ではありません。
それだけ深く愛していたからこそ、心がまだ現実を受け入れられていないのです。
私も、ちよ姫がいない部屋を見回すたびに、胸が締めつけられるような気持ちになりました。
ふとした生活音、草むらのにおい、ごはんの時間・・・日常のあちこちに、あの子の記憶が残っていて、涙があふれる毎日でした。
ちよ姫が亡くなった夜、娘たちは一晩中あの子を抱いて、「お願い、息を吹き返して…」と泣きながら体をさすっていました。
私も「ただ眠ってるだけじゃないか」と思いたくて、目を背けていたこともあり、のちに喪失感が強くなったのかもしれません。
ペットロスの期間は人それぞれ
「どれくらいで立ち直れるのか?」という問いに、明確な答えはありません。
たとえば、
- 早い人で数日~数週間で前を向ける人もいれば、
- 数ヶ月、あるいは数年にわたって悲しみが続く人もいます。
私自身は、ちよ姫を亡くしてから1年ほど、深いペットロス状態にありました。
特に娘たちが県外へ帰ってしまったあとの孤独感が重なり、心が空っぽになったように感じたことを覚えています。
ごはんの支度も、庭の花を見ることも、いつもちよ姫と繋がっていたので、すべてが寂しくなりました。
一方で、知人には「犬が死んだらすぐ新しい子を飼って、3日で立ち直った」と言っていた方もいます。
驚き、理解に苦しみましたが、悲しみの受け止め方は人によって本当に違うのだなあと、感じました。
だから、無理に忘れようとせず、自分の心のペースを守ることが何より大切だと思うようになりました。
私がどう乗り越えたか(実体験)

ペットロスから立ち直るきっかけは、人それぞれです。
私の場合は、「ブログに書いてみよう」と思い立ったのがひとつの転機でした。
最初は涙をこらえながらキーボードを打ちましたが、不思議と心が落ち着く瞬間もありました。
言葉にすることで、自分の気持ちを整理できたのだと思います。
「ちよ姫との思い出をきちんと残してあげたい」「あの子のことを忘れたくない」——そんな思いもありました。
また、写真を見返したり、思い出を語ったりすることで、
ただ“悲しいだけの記憶”が、“温かくて愛おしい記憶”へと変わっていく感覚もありました。
娘と一緒にアルバムを作ったり、「ガス屋さんが、プロパンガスを運ぶ音でよく吠えたね」と笑いながら話せるようになったことも、私の癒しになりました。
ペットロスの悲しみは、すぐに癒えるものではありません。
でも、それだけあなたがペットを深く愛していた証。
それは、決して悪いことでも、恥ずかしいことでもないのです。
少しずつ、ゆっくり、あなたの心のペースで。
「いつか笑って話せる日が来る」ことを、どうか信じていてください。
ペットの死後、心の整理のためにできること

愛するペットが亡くなったあと、心はすぐにはついていきません。
毎日の生活の中にポッカリと穴が開いてしまったようで、「もういない」という現実を受け入れるのには時間がかかります。
私も、ちよ姫がいなくなった日からしばらくの間、何をしていても心が空っぽで、笑うことさえできませんでした。
でも、その中で少しずつ心を癒してくれたのは、小さな行動の積み重ねでした。
ここでは、私自身の経験をもとに「ペットの死後に心を整えるためにできたこと」をお伝えしたいと思います。
泣くことは心の供養
私は最初、家族の前で泣くのを我慢していました。
「母親の私が泣いていたら、みんなが余計に落ち込むかも」と思っていたんです。
でも、ある日ふと「泣くことも、ちよ姫への供養になるかもしれない」と思い、思い切って泣いてみました。
主人の前でも、娘の前でも、気にせずおいおい泣きました。
泣きながら思い出すのは、悲しいことだけじゃなくて、楽しかった時間のことも。
草むらではしゃいでバカ(雑草)をいっぱいくっつけてきたちよ姫、
雷に震えて布団にもぐりこんできたちよ姫、
玄関を開けると走って飛びついてきたあの笑顔。
泣いて泣いて、泣ききったあと、不思議と心が少しだけ軽くなっていました。
「泣くことは悪いことじゃない」
「ちゃんと悲しむことが、心の整理になるんだ」と気づけた瞬間でした。
思い出を語り合う
悲しい記憶を、あえて言葉にするのは勇気がいります。
でも私は、娘たちとちよ姫の思い出をたくさん話すことで、少しずつ癒されていきました。
「お母さん、覚えてる?あのときちよ姫、穴掘りすごかったよね、鼻の周りの毛がハゲちゃったよね」
「クローバーの中でお昼寝してたとき、すごく可愛かった」
「大雪の日に、かまくらの中に入ったら崩れて、みんな大慌てだったよね」
そんな何気ない会話の中に、ちよ姫が今でも私たち家族の一員として生きていると感じられました。
ある日、ちよ姫の残っていたドッグフードを見て涙が出ましたが、
「この子の好きだったものを、大切に思ってくれる人に渡してあげよう」と思い、友人に譲ることができました。
思い出を語ることは、ペットを思い出として閉じ込めるのではなく、心の中で生き続けてもらうこと。
それが私の支えになりました。
しっかりお別れをする

なぜ、あのときあれほどしっかりとお別れをしたのか――
それは、ちよ姫の死を、自分の心でちゃんと受け止めるためでした。
ふわふわの毛並み、動かない体、閉じたままの目。
「もう戻らないんだ」と頭ではわかっていても、心はどうしても認めようとしませんでした。
でも、家族みんなで囲みながら、ゆっくりと土をかけていく時間の中で、
その現実が、少しずつ、目と心に焼き付いていきました。
顔に土がかからないように、そっと、そっと。
涙で手元がにじんでも、「ありがとう」と何度も心の中で唱えながら――
人間のお葬式でも、火葬場で炎が灯る瞬間まで立ち会うことで、やっと死を受け入れられると言われます。
それと同じように、私はちよ姫に土をかけながら、お別れを“現実のもの”として受け止める時間を過ごしていたのだと思います。
このお別れの記憶が、あとから心を支えてくれました。
もし、あの時間がなかったら、私はもっと深くペットロスに沈み込んでいたかもしれません。
しっかりとお別れをすることは、ただの儀式ではありません。
「悲しみを乗り越えるための心の準備」だったと、今では確信しています。
ペットの供養と正しい葬儀の方法

「どこで、どう送るか」に直面したとき
ペットが亡くなると、深い悲しみの中で「どう見送るか」という現実に直面します。
私たちも、ちよ姫の死のあと、心が追いつかないまま、何をどうすればいいのか戸惑いました。
結果的に私たちは「土葬」を選びましたが、それは計画的というよりも、あの子が好きだった場所に眠らせてあげたいという純粋な気持ちからでした。
いま思えば、それが“私たちらしい送り方”だったのだと思います。
あとから知った土葬のルールと注意点
ちよ姫は、自宅の畑の片隅に埋葬しました。
この場所は、軽トラで一緒に通った思い出の詰まった場所。私有地だったこともあり、法律上の問題はありませんでした。
しかし後から知ったのは、ペットの土葬には法的な注意点があるということ。
他人の土地や山林などに埋葬すると、不法投棄=廃棄物処理法違反とされ、5年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があるのです。
私自身は結果的に問題なく終えられましたが、「知っておいてよかった」と思いました。
愛情と法律、どちらも大切にしながら送り出すことが、私たちの責任なのだと実感しました。
火葬や霊園という現代的な送り方も
土葬以外にも、火葬や霊園を利用した供養のかたちは多くあります。
最近では、自宅でお別れできる、ペット専門の移動火葬車【ペット葬儀110番】 などがよく知られています。
無理のない範囲で、でもできるだけ心を込めて送ってあげたい──
そう思ったとき、こうした方法を知っておくだけでも、少し安心につながると思います。
後悔と罪悪感とどう向き合えばいいのか
「もっとできたかも」と自分を責めてしまう
ちよ姫を見送ったあと、何よりもつらかったのは、自分を責める気持ちでした。
「もっと早く病気に気づいてあげられたら」
「散歩を急いで済ませた日もあった」
「忙しさにかまけて、ちゃんと寄り添ってあげられなかったかも」
そんな思いが次々と押し寄せて、楽しかった思い出さえも、どこかに吹き飛んでしまいそうなほどでした。
後になってわかった病気のことや、予防できた可能性を知るたびに、私は「知らなかった自分が悪い」と、無力さに打ちのめされました。
ペットにとっての幸せとは何か

でも、あるとき主人に言われた言葉が、少しずつ心をほどいてくれました。
「全部人間みたいに完璧にしようとするのは無理だよ。
でも、ちよ姫は間違いなく、愛されてたよ。毎日大事にされて、幸せだったと思うよ」
そう言われて、「そうか、私のしてきたことは間違ってなかったのかもしれない」と思えるようになっていきました。
ふと思い出すのは、あの子の笑顔やはしゃぐ姿。
私の横で安心して眠っていた顔。
一緒に過ごしたその時間こそが、ちよ姫にとっての幸せだったのだと思いたいです。
自分を許すことも供養のひとつ
後悔の気持ちは、消えることはないかもしれません。
でもそれは、ちゃんと愛していた証拠。
何も感じなければ、悲しみも後悔もしないはずです。
だから今は、「あの子のことをずっと忘れないでいること」「ありがとうって伝えること」
そして、「あの子に恥ずかしくないように、自分を少しずつでも許してあげること」も、供養のひとつなんだと感じています。
気持ちを言葉にして誰かに話す。こうして書き出してみる。
それだけでも、心がふっと軽くなることがあります。
新しいペットを迎えるという選択

無理に飼い替えなくていい
ちよ姫を見送ったあとは、「もう動物は飼えない」と心に決めていました。
あの子との別れがあまりにも辛くて、もうあんな思いはしたくないと思ったのです。
1年ほどたった頃、娘が小さなオカメインコの雛を連れてきました。
「お母さんなら、この子を幸せにできる」と言って。
最初は正直、戸惑いました。
ちよ姫を忘れたわけじゃないし、また同じように別れが来ると思うと、素直に迎えられませんでした。
でも少しずつ、「新しい命と向き合うことは、前の子を忘れることじゃない」と気づくようになりました。
むしろ、ちよ姫が私に教えてくれたことを、この子に生かせたら──そんなふうに思えたのです。
年齢や環境と向き合って考える
とはいえ、誰もがすぐに次の子を迎える必要はありません。
気持ちが追いつかなければ、無理に飼わないという選択も、立派な愛情の形だと思います。
また、年齢や環境も冷静に考えることが必要です。
私の母(80代)も「また犬を飼いたい」と言いましたが、
動物愛護センターでは65歳以上の方への譲渡制限を設けていることもあります。
ペットを迎えるというのは、その子の一生を預かるということ。
同時に、再び「見送る覚悟」も引き受けることです。
命に向き合う責任を考えた上で、無理のない方法で「また誰かを愛せる自分」に出会えたなら、
それはきっと、前の子が残してくれたギフトかもしれません。
虹の橋の物語とスピリチュアルな癒し

虹の橋とはどんな話か?
「虹の橋」の物語をご存じですか?
ペットが亡くなったあと、虹の橋のたもとで元気な姿に戻り、飼い主が来るのを静かに待っていてくれる──そんな詩です。
私も、ちよ姫が亡くなったあと、知人からこの話を教えてもらいました。
初めて読んだとき、胸がいっぱいになり、声をあげて泣いてしまいました。
「もう会えない」と思っていたはずなのに、「待ってくれているんだ」という希望が心に差し込んだのです。
今でも、虹を見るたびに「ちよ姫があの向こうにいるかも」と思えて、少しだけ気持ちが軽くなります。
虹の橋のpdfはこちら
ペットの死とスピリチュアル|ちよ姫がそばにいた気配
不思議なことがありました。
ちよ姫が亡くなってしばらく、声や気配、匂いを何度も感じたのです。
部屋の隅を何かが通ったように見えたり、ふとした瞬間にあの子の匂いがして振り返ったり──。
中でも忘れられないのが、「おかあさん」と声をかけられたように目が覚めた夜。
夢ではなかった、あの不思議な感覚が今でも残っています。
私は霊感があるわけではありません。
でも、「あの子が心配して、まだそばにいてくれたのかもしれない」と、自然と感じるようになりました。
スピリチュアルな感覚に正解はありません。
けれど、見えなくても“つながっている”と信じることで、あの子への愛情や思い出が、もっと温かく、前向きなものに変わっていったのです。
自分の死への不安もやわらぐ話
「いつか、また会える」──
虹の橋の物語も、私自身の体験も、そんな希望を信じさせてくれました。
それは同時に、自分自身の「死」への不安をやわらげてくれるものでした。
もし終わりの先に再会があるなら、人生の終わりも、少しだけ優しいものに思えてくるのです。
あの子の死を通して、私は“死”というものに向き合い、そして“命”の深さに気づくことができました。
きっとちよ姫は、それを教えに来てくれたのかもしれません。
ペットロスの心を支えてくれた本たち

ペットと霊的に繋がっていたい方へ
『ペットたちは死後も生きている』(ハロルド・シャープ)
亡くなったペットとの不思議な霊的な交流を描いた実話集です。
私自身、「ちよ姫の気配を感じた」と思った出来事が何度かありました。そうした経験を肯定してもらえたようで、読みながら何度もうなずきました。
ペットの死に向き合い、何をすればよいか知りたい人むけ
『ペットの死、その時あなたは 新版』(鷲巣月美)
現実的にペットの死とどう向き合えばいいのか。ペットロスの人にとっても、悲しんでいる人の傍で何をすべきか悩んでいる人にとっても参考になる書。
悲しみの段階や、周囲の人との関わり方など、落ち着いて読めば読むほど、自分の感情が整理されていきます。
後追いしてしまいそうな人へ
『たからものを天に返すとき』(塩田妙玄)
悲しみが深すぎて、生きる気力をなくしてしまった人へ。
この本には、喪失の痛みと向き合うための言葉が丁寧に綴られています。私も当時、何度も読み返しました。
優しく癒されたい人へ
『ペットたちは死んでからが本領発揮』(高野山の僧侶・著)
読んでいるだけで、自然と呼吸が深くなっていくような、穏やかな本です。高野山の僧侶でカウンセラーの資格を持つ著者が、この世でのペットの役目や禅問答などを語ります。ありがたいお話で癒されたい方むけにおすすめ。
スピリチュアルと仏教的な視点が合わさり、「すべては流れの中にある」と思わせてくれます。
生まれ変わりを信じたい方へ
『ペットは生まれ変わって再びあなたのもとにやってくる』(杉真理子)
「またあの子に会いたい」そんな気持ちに応えてくれる一冊。
輪廻転生の考え方に希望を感じたい方におすすめです。
【まとめ】ペットの死を悲しむあなたへ伝えたいこと

ちよ姫を見送った日から、私の心の中にはずっとぽっかりと穴が開いたままでした。
でも、その穴は、時間が埋めてくれるものではなく、悲しみを通して生まれた優しさや気づきで少しずつ満たされていくものだと今は思います。
泣いてもいい。後悔してもいい。
大切なのは、「あの子を愛していた」その気持ちを、自分の中で否定しないことです。
そして、いつかまた会えるその日まで、自分の人生をきちんと歩いていくこと。
それが、ペットへの何よりの供養になるのではないかと思います。
ありがとう、ちよ姫。
虹の橋で、また会える日まで。ずっと、ずっと忘れないよ。