プロの里芋農家のアドバイスをもとに、家庭菜園(畑)で実際に里芋を栽培。
1年の里芋栽培を通して学んだ「里芋の収穫時期と保存法」をまとめています。
ご家庭での里芋栽培に役立ててください。
里芋の植えつけ方、プランターでの里芋作りはこちら↓
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里芋の収穫時期の見分け方★プロの農家が教える種イモ保存方法
里芋の収穫時期
里芋は、秋になり寒くなる頃に一番肥大し、寒くなる前に芋にどんどん養分をためこみます。
でも、冷え込みが強くなると成長を止めてしまいます。
ですから霜が降りる直前に収獲するのがベストで、いちばん美味しい里芋が収穫できるのです。
収穫してすぐに食べる里芋は本当に美味しいですよね~♪
地域別 収穫時期の目安
里芋の収穫は9月下旬から11月下旬にかけて、本格的に寒くなる前に行います。
地域別の目安は次の通りです。
暖地 (沖縄・九州・四国) | 9月下旬~11月下旬(3カ月間) |
中間地 (東海・関東) | 10月中旬~11月初下旬(1.5カ月間) |
寒冷地 (北海道・東北) | 11月初旬~12月初旬(1か月間) |
里芋は収穫時期が遅れると、品質が悪くなり日持ちが悪くなるので注意が必要です。
スーパーで買ってきた里芋が・・・
◆綿状の白いカビが生えている。
◆剥いたら赤みがかかっている
なんて事ありませんか?
これは収穫時期の遅れや、保存方法に問題があるんです。
プロの里芋農家の叔母の畑は関東なので、毎年10月中旬から11月上旬に収穫しています。
でも、10月~11月といっても、おおざっぱで解りませんよね。
春に種芋を植えて大切に育て、待ちに待った里芋収穫の季節。
ベストなタイミングで収穫してあげたいですよね。
では、そのちょうど良い収穫時期はいつなのか、初心者でもわかりやすい方法を解説していきますね。
外観で見る収穫時期
プロの農家は、里芋の外観を見て収穫時期のタイミングを判断します。
これなら、初心者でもとても解りやすいですね。
秋になり寒くなり葉が枯れだした時が収穫のベストタイミングです。
茎が倒れ、葉が黄色くなり茶色い斑点も出てきます。
これは、土の中の里芋が成長をやめたサイン。ちょうどおいしい収穫時期です。
下の写真は11月初旬の我が家の里芋畑です。
夕暮れに撮影したので解りにくいですが、この翌日収穫を行いました。
収獲方法/手順
収穫する日を選ぶ
そろそろ葉が枯れだしたと思ったら、収穫する日を選びます。
里芋の収穫は、畑が乾燥している晴れの日が続いた後が最適です。
雨上がりですと泥だらけになりますし、芋も水分をたくさん吸っていて傷みやすくなります。
収穫後、すぐに食べる芋は天日干しをするため、収穫後も数日雨が降らない日を選びましょう。
茎を切る
さて、いよいよ収穫です。
まず、上の邪魔な葉や茎を切り、里芋を掘り起こします。
下の写真のように、茎をカマでざっくり切り落とします。
茎の根本を10cmほど残すと収穫しやすいです。
切り取った茎は、あくを取りして調理し「ずいき」として食べる地域もあります。
周囲から少しずつ掘る
始めからシャベルでざっくり掘ってしまうと、里芋ちゃんがどこに埋まっているか解らないので傷をつけてしまいます。
少しずつ周りをクワで掘り起こし、株の見当を付けたらシャベルを入れて株ごと取り出します。
株をばらす
株を掘り起こしたら、食べる分だけばらけさせます。
株には親芋を中心に、子芋、孫芋と連なっています。
この芋たちの間に土や根っこが沢山ついていてとっても扱いにくいんですよね。
土を落としてみると、なんとミミズちゃんが株の中から出てきて、ぎゃぁぁぁ~となるし・・・
乱暴にすると欠いた部分が傷になっちゃうし、まあ大変です。だから、1つ1つ丁寧に土を落としながらばらけさせるしかないんですよね。
コツは収穫後、半日くらい陽の当たる場所に置いておくこと。
こうすれば、土が乾いてばらけやすくなりますし、ミミズちゃんも逃げていなくなっています。
すぐに食べないものは、株のままにしておく
収穫した里芋を来年の「種イモ」に使いたい場合は、ばらけないで株のままにしておきましょう。
ばらけさせると欠いた部分が痛んでカビてしまうからです。
ここからは、収穫後の里芋の保存法や「種イモ」の保存方法のコツを紹介していきます。
収穫した里芋の保存
収穫後の里芋の保存方法は3つあります。
1.段ボールで常温保存
ばらけた里芋は納屋などの風通しの良い冷暗所で保存します。身近で手に入りやすい段ボールに新聞紙をひき、土のまま1つずつ並べて保存しましょう。蓋をしてしまうとカビの原因になるので、蓋はせずそのままでOKです。
2.発泡スチロールで保存(寒い地域)
里芋は5度以下の温度が低い場所では低温障害をうけやすくなります。寒冷地などでは泥のまま新聞紙にくるんで発泡スチロールに入れて保存します。
3.干して冷蔵庫で保存(すぐに食べたい時)
土を付けて保存したくない方は、洗って泥を落とし1日干します。
新聞紙に包んで乾燥しないよう、比較的温度の高い冷蔵庫の野菜室に保存しましょう。この場合、1~2週間で食べきったほうが良いです。
「種イモ」の保存方法
「種イモ」保存のコツ
1つ目のコツ
収獲した里芋ちゃんを来年の「種イモ」に使いたい場合はコツがあります。1つめは、ばらけさせないで株のまま掘り起こす事。
ばらけさせると欠いた部分が痛んでカビてしまうんです。
以前、この保存方法を知らずにばらけて納屋に保存していたら、カビと白アリ?にやられて1つも芽が出てきませんでした。絶対にばらけさせてはダメですね。
2つ目のコツ
2つ目のコツは、畑の土の中に株のまま逆さまにして土に埋めて保存(貯蔵)する事。
種イモにしない場合も、食べる時に1株ずつ掘りおこして使うと収穫した時の味のまま美味しくいただけます。
畑に種イモを保存する方法
それでは、「畑に種イモを保存する方法」を詳しく説明しますね。
まずは、里芋の株を埋める場所を決めましょう。畑の比較的乾いている場所がいいですね。腐らないように、じめじめしていない場所が最適です。
これで翌年の春まで保存できます。
翌年掘り返した後、実際に植える種イモを選ぶのですがこの裏び方にもコツ・・はこちら
里芋の収穫時期の見分け方★プロの農家が教える種イモ保存方法
私が里芋栽培を始めたのは、粘土質の畑にあった作物を植えたかったというのが出発点です。
里芋栽培は比較的簡単で、水やりと土寄せを忘れなければ病気等の心配もまずありません。初めてにもかかわらず大満足の収穫が出来ましたので、これから里芋栽培を考えている方は、ぜひ挑戦してみてください。
翌年、スーパーの1個100円もする「ねっとり芋」を芽だしさせ、さらに美味しい里芋を収穫することが出来ました。スーパーの里芋でもしっかり収獲できるので、芽が出てしまったからと捨てないで、ぜひ菜園に植えて収穫を楽しんでみてください。
また、里芋のプランター栽培にも挑戦、大収穫に至ったこともあります。里芋のプランターでの収穫方法はコツがあるのでぜひこちらも読んでみてください。
今年も、里芋がぐんぐん成長しています。里芋を愛する皆さま、頑張って収穫を楽しんでくださいね。それではまた(@^^)/~~~