プロの里芋農家のアドバイスをもとに、家庭菜園(畑)で実際に里芋を栽培。
1年の里芋栽培を通して学んだ「里芋の育て方」をまとめています。ご家庭での里芋栽培に役立ててください。
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里芋栽培「種イモの選び方・芽出し・植え付け方法」家庭菜園初心者でも解り易く解説
里芋を植える時期/収穫時期
里芋は3月下旬から4月上旬に植え付け、収穫は地域により異なりますが10月初旬から11月初旬に収穫します。
里芋の栽培期間は長いですが、秋まで2~3回の土寄せと水やりを忘れなければ、初心者でも比較的簡単に育てられます。
私が里芋栽培を始めたのは6年ほど前。
プロの里芋農家の叔母に教えてもらい、初心者でも美味しいお芋ちゃんがゴロゴロ収穫できました。
それ以降、プランターの里芋栽培をしたりと、毎年、里芋栽培にはまっています。
植え付け場所/里芋が好む土壌
里芋は1日中お日様が当たる場所を好みます。半日陰になってしまう場所でもOKですが乾燥をとても嫌います。水やりが出来ない環境には向いていません。
雨が降ると、いつもぬかるんでしまう我が家の畑。
「こんなところ、作物は育たないだろうな~」なんて思っていたら・・・
農家の親戚の叔母から「里芋栽培」にむいている土壌との事。
実際育ててみると、みごとな里芋が収獲できてびっくりしました。
このように、里芋は水はけの悪い粘土質の土壌や、家庭菜園のプランターでも良く育ちます。
逆に砂場のように水はけのよい土壌では育ちません。
里芋は半日陰でも育ちますが、日当たりと風通しの良い場所を好みます。
「丈夫な株を育てたいなら日がよく当たるところで育てるな~」というのが、里芋農家の叔母のアドバイスです。
里芋の生育に適している気温は25度~30度と高めですが、霜には弱いので注意する事。
また、土づくりも肝心。よく耕した柔らかい畝を作って植えると大きな里芋が育つそうです。
我が家の場合、耕作機がないので自力で耕さなければなにず、これがまた、たいへん。
最初から頑張りすぎて10株も植えた私は半年も肘を傷めました。
一度に耕さず余裕を持って作業することが大切ですよね。お気を付けください。
植え付け後の水やり
里芋は「暑い夏」を越し秋に収獲します。この真夏の水やりは大変。お出かけ時には、家族に水やりを頼んで出かけなければなりません。
里芋は乾燥させてしまうと葉が黄ばみ、せっかく順調に育った里芋の生育に影響が出てしまうんですよね~。夏場は枯らさないよう、頻繁に「水やり」をしなくちゃなりません。
私は、親戚の農家から小型ポンプを借りてきて、用水路にジャボンとホースを突っ込んで水を拝借。消防士のように、毎日水やりをしていました(笑) 初年度から10株って作りすぎですよね。今では5株くらいにしています(笑)
種イモや親芋の選び方
種イモは園芸店やホームセンターで販売しているものを使います。
スーパーで買った市販の里芋に芽が出てきた里芋でも立派な里芋が出来ましたから、捨てずに種イモにしてみるのも良いですね。
去年とった芋を種イモにする/越冬・保存法
去年収穫した里芋を冬の間保存して「種イモ」にすることも可能です。ただし「越冬・保存方法」を知らないと腐らせてしまいますので注意が必要です。
以前、納屋で大切に保存していた里芋が、カビが生えたり、虫に食べつくされていてびっくりしたことがありました。
里芋農家のプロによると、冬の間はなんと里芋を畑の土に埋めて保存するのだそうです。埋め方のコツは、プロの里芋農家が教える種イモ保存方法で解説しています。
種イモの選び方のコツ
里芋は、親芋・子芋・孫芋などがありますが「種イモ」にするには、どれがよいか解りますか?
子芋を使う
種イモに使いやすいのは、芽が出やすく、ちょうど良い大きさの「子芋」です。
市販の種イモもほとんどが「子芋」ですね。
ただし、傷がある子芋を使うと土の中で芽が出るまでに腐ってしまう可能性があるので注意が必要です。
種イモの選び方(子芋)
を選ぶようにしましょう。
親芋を使う
一般的に種イモは「子芋」を使いますが、農家の人は「親芋」も「種イモ」として使います。
大きな親イモは貯蔵している養分が多いため、大きく育ち子芋や孫芋を沢山付けると言われ、里芋農家のプロは、親芋を種イモとして使う事が多いそうです。
また、親芋は切って「逆さ植え」をする事で、丈夫で沢山の芋を収獲できます。逆さ植えの方法はこちら。
孫芋を使う
「孫芋」を種イモに使ってもOKですが、小さいものは腐ってしまったり育ちが悪いので不向きです。
使うならピンポン玉より大きなものを使うようにしましょう。
里芋栽培 芽だし
以前、畑に直植えしたら半数しか芽が出ずに、失敗したことがありました。
たぶん種イモの保存方法が悪く腐っていたんでしょうね。里芋は芽が出るまで1カ月も時間がかかるので、気づくのが遅くなり、半分は1カ月遅れでやり直し(^^;
失敗しない芽だし方法は、畑に直植えせず、ポットで「芽出し」する方法です。
畑にいっぺんに直植えするより、ポットに植えておけば「芽が出ない」ダメな種イモを排除できるので初心者はポット植えがおすすめです。
種イモをポットに植えるのは、3月下旬から4月上旬に行いましょう。
植え付けの向き(子芋)
里芋は、おしりの丸い方から芽が出ます。「親芋」の場合は「逆さ植え」をしますが、市販で売られている子芋は芽の方を上にしてポットに植えます。
ポットに半分土を入れたら種イモを入れ、お芋ちゃんが隠れるくらいたっぷり土を入れます。土は市販の野菜の土でOK。野菜の土は肥料入りなので、そのまま使えます。
土で里芋が隠れたら日当たりの良い場所に置き、やさしく手で土を抑えてからたっぷりお水をあげます。里芋が土の上に芽を出すのにけっこう日数がかかるので、気長にじっくり毎日水やりをして待ってくださいね。
1カ月たっても芽が出ない場合は、種イモが腐っているか、虫食いにあっています。そのお芋ちゃんは諦めましょう。
芽だし後、上の写真のように2枚目の葉が出てきたら、畑への植え替えサインです。
里芋の植え付け
5月上旬になったら、土づくりをして植え付けの準備に入ります。
植え付けの2週間前くらいが目安です。
土づくり/肥料
よく土を耕し、石や雑草の根などを取り除き肥料を入れます。肥料ですが、プロの里芋農家の叔父のおすすめは、牛糞。そのほかに、石灰・鶏糞・化成肥料を混ぜたものを使います。難しい方は芋専用肥料などもあります。
石灰・化成肥料は商品の説明書きの容量を守って使います。牛糞・鶏糞はどんなに多くても大丈夫と、プロのおすすめで、うちの里芋ちゃんには1穴にスコップ1杯ずつ入れました。
植え付けの向き(親芋) 逆さ植え
里芋農家のプロは親芋を 6分割や8分割に切って「逆さ植え」して栽培するそうです。
素人は切り方が難しいので、半分に切ってすると良いよと言われ、挑戦したことがあります。
「逆さ植え」の利点は、親芋は貯蔵している養分が多いため子芋や孫芋を沢山付ける点です。
半分に切った部分は腐らないよう灰(バーベキューの炭を細かく割った)を付けました(笑)
親芋は右上の図のとおり、子芋より芽が出てくる箇所が多いのが特徴です。これを逆さに植える事で、勢いが増し、立派な太い茎になり、たくましく育ってくれるのです。
肝心の収穫量ですが、確かに立派なお芋ちゃんが沢山収穫できた気がします。
実を言うと、収穫時にはそのことを忘れていて(笑)・・・後で、そういえば沢山収穫できたかな?と言う感じです(^^♪
里芋の連作
どの野菜もそうですが、里芋も連作すると収穫が少なくなり病気にもかかりやすくなります。
同じ場所に、ずっと同じ作物を植えると作物が土から吸収する栄養が偏ってしまう為、土壌の栄養バランスが崩れ微生物や病原菌が増える原因となるります。
3年~4年を目安に計画的に植える場所をローテーションするなどの輪作を心がける事が大切です。合間は里芋と同じような根菜を避けて植えた方が良いようです。
畝の寸法
土づくりが終わったら、畝を作っていきます。プロの里芋農家のアドバイスによると、畝は80cm以上広めに作る事がポイント。広めに作るわけは後で土寄せするときに便利だからです。
里芋は収穫までに2度も土寄せをしなければなりません。畝を広くして土寄せの土を確保しておくこと後で楽に作業が出来ますね。
マルチと株間
いよいよ里芋を植えて行きます。畝にあける穴の深さは8cm、株間隔は45cmに植えて行きます。「マルチ」(黒いビニール)を使っている場合は、もう少し深くて10cmの深さに植えます。
上の写真は我が家の畑です。草取りをする時間がないので、マルチを敷いて雑草避けにしました。乾燥を嫌う里芋にはマルチは保湿効果や、地温をあげて発芽を促する効果もあるので一石二鳥です。
マルチはホームセンターでロールで売っています。穴あきタイプもありますが、沢山穴が開きすぎているので穴ナシを購入。
下のような便利な穴あけ器を使います。株間の寸法を測り、グサッグサッと刺せば好きな位置に穴を開けれます。マルチがめくれないように両端を抑える「マルチ止め」も便利、足でグサッと刺しました。
ちなみにマルチは、土寄せの時期には邪魔になるので取り払います。取り払った後は、かわりに藁を根元に置いて雑草避けにしました。
わき芽/芽欠きをしよう
成長してくると、株の周辺にわき芽が沢山出てきます。このわき芽に栄養を奪われないように小さいうちから欠きとります。うっかり大きくなっちゃったものは残しておいてもOK。
プロの農家は伸ばしたままにする場合もあるようですが、手がかけられるなら取り除いた方が良いとの事だったので、出来るだけ欠きとりました。
里芋の土寄せと追肥
里芋は外側に向かって上へ上へ、子芋➡孫芋と増えていきます。9月ごろになると、上の方に子芋が里芋がボコボコと顔を出すので、土寄せは重要な作業です。これをしないと上の子芋から芽が出たり、小さな子芋ばかりになっちゃいます。
だから。できれば芋が顔を出す前に土をかけて(土寄せして)あげなければいけません。畝の両側からそっと土を寄せて茎の身元にかけてあげます。
里芋の根元に土を寄せる事で、お芋ちゃんたちが大きく美味しく成長してくれるのです。
土寄せの回数と時期
土寄せは2~3回に分けて行いそれと同時に追肥も行います。
1回目は、6月上旬で梅雨に入る前に行います。株元に肥料をおき、畝の両側から土をそっとよせてあげます。我が家の場合は畑が遠かったから、本格的に土寄せしたのは2回だけでしたが立派に育ちました。
2回目は7月下旬。3度目をするなら8月中旬にすると良いです。
里芋栽培「種イモの選び方・芽出し・植え付け方法」家庭菜園初心者でも解り易く解説
さて、里芋栽培、植えつけ暑い日が続きますが、みなさん水やり頑張ってくださいね~(*^_^*)