このページは、プロのシャインマスカット農家からの貴重な助言をもとに、家庭菜園でシャインマスカットを栽培する、7年目の筆者の奮闘を綴っています。
おなじ薬剤を多数回使うと、薬剤耐性菌の出現リスクが高くなるため、今年は、JAアグリさんの指導の下、シャインマスカットの消毒計画を立て、新たな農薬を購入しました。
「家庭菜園 シャインマスカット消毒カレンダー2」を作ったので、家庭菜園をでシャインマスカットを作っている方はぜひ、参考にして下さい。
前回紹介した「シャインマスカット消毒カレンダー1」の、「オンリーワンフロアブル」+「ベトファイター」の組み合わせで、効き目が弱くなったと感じた人にもおすすめです。
シャインマスカット栽培★消毒のコツと年間消毒カレンダー(家庭菜園用)

3月、そろそろシャインマスカットの消毒を考えねばならない時期がやってきました。
シャインマスカットは、とにかく消毒が肝心。
すこしでも油断すると、黒糖病・べと病・晩腐病などにかかってしまいます
昨年までは、我が家では「オンリーワンフロアブル」と「ベトファイター」だけを使ってきました。
しかし、6年目から農薬に耐性菌ができたのか、葉の病変を多く発見するようになりました。
そこで、JAアグリさんに相談すると、農薬の変更を提案され、シャインマスカットの消毒について興味深いお話を伺う事も出来たので書き留めておきます。
シャインマスカットの消毒 複数の農薬を使う理由

シャインマスカットの消毒に複数の農薬を使う理由は、大きく分けて二つあります。
1.耐性菌を防ぐ為

一般的に、消毒で、おなじ薬剤を多数回使うと、薬剤耐性菌の出現リスクが高くなり、薬剤の効き目が悪くなるそうです。
JAアグリの相談員によると、殺菌剤は複数使用し、なるべくローテーション散布が良いとの事。
農家さんでは7種類以上の殺菌剤を使用しているとの事でした。
びっくりですよね。
2.農薬ごとの使用回数を守るため

農薬にはそれぞれ、使用できる作物・希釈倍率・使用時期・使用回数などが決められています。
病気が心配だからといって、同じ農薬を決められた回数以上に使うことはできません。
そこで我が家ではJAアグリさんに相談し、必要に応じて異なる農薬を使い分けながら防除することにしました。
もちろん家庭菜園でも同じです。
農薬は必ず製品ラベルを確認し、使用回数・希釈倍率・使用時期などを守って使用します。
また、農薬の登録内容は変更されることがあります。この記事で紹介している農薬を使用する場合も、現在の製品ラベルや最新の農薬登録情報を確認してください。
購入したシャインマスカットの農薬
プロ用の「消毒・防除カレンダー」を参考に決定

プロ用の「消毒・防除カレンダー」を参考に決定
さて、複数の農薬を使い分けることは分かりました。
では、我が家は何を使えばいいの?
そこで参考にしたのが、JAで使われているプロ農家向けの「消毒・防除カレンダー」です。
ずら~~っと並ぶ農薬の名前。
見たことのない農薬もいっぱいあります。
その中からJAアグリさんに相談して、我が家が新しく購入したのがこの2つ。
・オーソサイド水和剤80
・ペンコゼブ水和剤
昨年まで使っていた「ベトファイター」が防除暦に見当たらなかったので、
「あれ?ベトファイターがない……」
と、ここでも疑問が。
JAアグリの相談員さんに聞いてみると、同じ薬剤ばかりを繰り返すのではなく、作用の異なる薬剤を使い分けながら防除することが大切とのこと。
我が家では前年、病変した葉が増えていたので、
「もしかして、今までの農薬が効きにくくなった?」
と心配していました。
ただし、本当に耐性菌が原因だったのかは分かりません。
そこで今年は、JAの防除暦と相談員さんのアドバイスを参考に、農薬を見直してみることにしました。
こうして我が家の新しい消毒作戦がスタートです(^^)/
※農薬の登録内容は変更されることがあります。使用する際は、必ず手元の製品ラベルと最新の登録内容を確認してください。
農薬の費用とジェネリック
殺菌剤は1つ4,000円近くするものもあり、何種類も購入するとなると家庭菜園には大きな出費です。
収穫量に対してこんなに大きな出費をしても良いのかと悩みましたが、相談員さんが効き目は同じで価格が安いジェネリック農薬を勧めてくれました。
農薬にもジェネリックがあるとは驚きましたが、2種類のジェネリック農薬を購入し、合計2,000円くらいで済みました。
昨年使用していた他の2種類の農薬も引き続き使うことにしました。これらの農薬を使用して、家庭菜園のシャインマスカットを健康に育てていきます。
オーソサイド水和剤80の詳細
効果のある病変

オーソサイド水和剤80は、以下の病変に効果があります。
・晩腐病
・褐斑病
・灰色かび病
・べと病
・枝膨病
・黒とう病

こちらが新しく購入したシャインマスカットの農薬(殺菌剤)オーソサイド水和剤80です。中は非常に細かい粉末で、水に溶かして使用します。

ただし、オーソサイド水和剤80は、我が家で8月に大発生した「さび病」には登録がありません。そのため、「さび病」にも登録があるペンコゼブ水和剤を購入しました。
実際に使った感想と効き目(オーソサイド水和剤80)
さて、肝心の効き目はどうだったかというと、我が家ではとても調子が良かったです。
散布後、とにかく葉が生き生きとしています。
昨年までは2週間ほどすると怪しい葉が出ていたのですが、この年は病変する葉がほとんどなく、安心して過ごすことができました。
「もしかして、農薬を変えた効果?」
と思いたくなるほどでした。
ただ、昨年の農薬に耐性菌ができていたのかどうかは分かりません。天候などの条件も違うので、あくまで我が家で使ってみたときの結果です。
※農薬の登録内容は変更されることがあります。使用するときは、必ず現在の製品ラベルを確認してください。
ペンコゼブ水和剤の詳細
効果のある病変

ペンコゼブ水和剤は、ぶどうでは以下の病気に登録されています。
・晩腐病
・褐斑病
・黒とう病
・さび病
・べと病
我が家がこの農薬を選んだ理由のひとつが、「さび病」にも登録があること。
8月にさび病が大発生した経験があるので、
「これは我が家に必要かも!!」
と購入しました
ペンコゼブ水和剤は、ジマンダイセン水和剤のジェネリック品なので、お安く購入化することができました。

ペンコゼブ水和剤は淡黄色の水和性粉末で、さらさらな粉末であっという間に水に溶けました。
散布後の様子と注意点

散布後は、一部の葉に白っぽい薬剤の跡が残りました。
我が家では、ぶどう棚全体の1割ほどの葉が白っぽくなりました。
ペンコゼブ水和剤には、果実肥大期以降の散布は果実に汚れを生じるおそれがあるという注意があります。
せっかくきれいに育ったシャインマスカットに薬剤の跡が残ったらショックですよね。
そのため我が家では、果実が大きくなってから使用するときは、果実に薬剤がかからないよう注意しています。
※使用時期・使用回数・希釈倍率などは、使用する製品の最新ラベルを必ず確認してください。
果実肥大期以降の散布は果実に汚れを生じるおそれがあるので注意
クミアイ化学工業
マンゼブ水和剤(ジマンダイセン水和剤またはペンコゼブ水和剤)と組み合わせた防除体系の効果は高いが、果粉溶脱及び汚れが生じる恐れがあるため、マンゼブ水和剤は果粒小豆大期、本剤は果粒大豆大期までに散布する
岡山県農林水産総合センター農業研究所
実際に使った感想と効き目(ペンコゼブ水和剤)
ペンコゼブ水和剤を実際に使った感想ですが、散布後に葉が白くなるのを見て少し不安でした。
しかし、効果は抜群!!
さび病が全く発生せず、葉の健康が保たれました。
昨年まではさび病に悩まされていましたが、今年はその心配が全くありませんでした。粘着性が高いため、長期間にわたり効果が持続する点も安心です。
我が家のシャインマスカット年間消毒カレンダー

ここからは、JAの防除暦やプロ農家の叔母たちに教えてもらったことを参考に、我が家で組んだ年間の消毒予定をご紹介します。
ただし、これは全国共通の「正解の消毒カレンダー」ではありません。
地域や天候、病気の発生状況によって防除のタイミングは変わります。
また、農薬の登録内容も変更されることがあります。
「我が家ではこんな予定を立てているよ~」という一例として参考にしてくださいね(^^)/
実際に農薬を使用するときは、必ず現在の製品ラベルを確認してください。
| 2023年 | 農薬 | 回数 | 防除 |
|---|---|---|---|
| 3月 | ◆ペンコセブ水和剤 | 1回 | 晩腐病・褐斑病・黒とう病・さび病・べと病 |
| 4月 | ◆オーソサイド水和剤 | 1回 | 晩腐病・褐斑病・黒とう病・枝膨病・灰色かび病・べと病 |
| 5月上旬 | ◆ペンコセブ水和剤 | 1回 | 晩腐病・褐斑病・黒とう病・枝膨病・灰色かび病・べと病 |
| 5月中旬 | ◆オーソサイド水和剤 | 1回 | 晩腐病・褐斑病・黒とう病・さび病・べと病 |
| 6月上旬 粒が小さい | ジベレリン1回目後 ◆オーソサイド水和剤 | 1回 | 晩腐病・褐斑病・黒とう病・さび病・べと病 |
| 6月中旬~7月 粒が大きくなったら | ジベレリン2回目後 ◆オーソサイド水和剤 | 3回 | 晩腐病・褐斑病・黒とう病・枝膨病・灰色かび病・べと病 |
| 7月 袋掛け後 | ◆ペンコセブ水和剤 ◆スミチオン | 1~2回 | 晩腐病・褐斑病・黒とう病・枝膨病・灰色かび病・べと病 ◆コガネムシ |
| 8月 | ◆ペンコセブ水和剤 ◆カネマイトフロアブル | 1~2回 | 晩腐病・褐斑病・黒とう病・さび病・べと病 ◆ハダニ |
| 9月 | 収穫後 ◆ペンコセブ水和剤 ◆スミチオン | 1回 | ◆晩腐病・褐斑病・黒とう病・さび病・べと病 ◆ブドウトラカミキリ・ブドウスカシバ |
以上です。今年も消毒頑張りましょう(^^)/
※散布日はあくまで我が家の目安です。天候や病気の発生状況を見ながら調整しています。
※スミチオンは、家にあったもの。草花や野菜に効く万能な殺虫剤です。
カネマイトフロアブルについては別ページで詳しく紹介しています。
シャインマスカットの記事一覧はこちら
まとめ|シャインマスカットの消毒は年間計画を立てよう
シャインマスカットを育て始めた頃は、
「病気が出たら農薬を撒けばいい」
くらいに考えていた私。
ところが実際に育ててみると、黒とう病、べと病、晩腐病……次から次へと病気に悩まされました。
そしてプロ農家の叔母やJAアグリさんに相談して分かったのが、病気が出てから慌てるのではなく、年間を通して防除を考えておくことの大切さです。
我が家では現在、
・同じ農薬ばかりに頼らない
・農薬ごとの使用回数を守る
・天候や病気の状態を見ながら防除する
・いつ何を使ったか記録しておく
ことを意識しています。
毎年、
「今年こそ病気ゼロで収穫するぞ~~~!!」
と意気込んでいるのですが、自然相手なのでなかなか思い通りにはいきません(笑)
それでも失敗するたびに原因を調べ、プロに聞き、翌年の消毒予定を見直す。
そんな試行錯誤も含めて、これからも我が家のシャインマスカット栽培記録を更新していきたいと思います(^^)/
※農薬の登録内容は変更される場合があります。農薬を使用するときは、必ず現在の製品ラベルを確認し、適用作物・希釈倍率・使用時期・使用回数などを守って使用してください。
★4月中旬からは、ぶどうの芽かきが始まります。
★シャインマスカット「ジベレリン処理」の時期と方法
★シャインマスカット「ジベレリン×フルメット」の使い方
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