このページは、プロのシャインマスカット農家からの貴重な助言をもとに、家庭菜園でシャインマスカットを栽培する、7年目の筆者の奮闘を綴った栽培日記です。
2023年3月は、Aアグリさんの指導の下、シャインマスカットの消毒計画を立て、新たな農薬を購入し「7年目 最新シャインマスカット消毒カレンダー」を作りました。
参考にした、JA推奨の「シャインマスカット/JA農業組合防除カレンダー」も掲載しています。
「オンリーワンフロアブル」+「ベトファイター」の組み合わせで、効き目が弱くなったと感じた人にもおすすめです。
★その他、3月は忙しい月でした。
・新しい消毒カレンダーで、今年1回目の消毒
・新芽が出る前に、古くなったぶどう棚の補強
・枝の切り口から水が出て慌てた↓
2023年3月★シャインマスカット栽培日記★最新 消毒カレンダー

3月、そろそろシャインマスカットの消毒を考えねばならない時期がやってきました~
シャインマスカットは、とにかく消毒が肝心。
すこしでも油断すると、黒糖病・べと病・晩腐病などにかかってしまいます
昨年までは、我が家では「オンリーワンフロアブル」と「ベトファイター」だけを使ってきました。
しかし、6年目から農薬に耐性菌ができたのか、葉の病変を多く発見するようになりました。
そこで、JAアグリさんに相談すると、農薬の変更を提案され、シャインマスカットの消毒について興味深いお話を伺う事も出来たので書き留めておきます。
シャインマスカットの消毒 様々な農薬を使う訳と注意点

シャインマスカットの消毒には、様々な農薬を使う訳と注意点があります。
耐性菌を防ぐ為
一般的に、消毒で、おなじ薬剤を多数回使うと、薬剤耐性菌の出現リスクが高くなり、薬剤の効き目が悪くなるそうです。
JAアグリの相談員によると、殺菌剤は複数使用し、なるべくローテーション散布が良いとの事。
農家さんでは7種類以上の殺菌剤を使用しているとの事でした。
びっくりですよね。
残留農薬を防ぐ為
ほとんどの殺菌剤は、使用回数が3回と定められています。
でも、梅雨時の6月~7月は1週間おきに4回以上消毒をしなければ、かならず黒とう病やべと病に感染してしまいます。3回だけなんて無理なんですよね~
ですから、先ほども言ったように、農家さんでは沢山の種類の殺菌剤を組み合わせて使用しています。
また、JAアグリの相談員さんによると、
農家では出荷時に残留農薬検査があり、1つの畑で違反が見つかると、周辺一帯のぶどう農家さんが出荷できなくなってしまうとの事。
その為、使用回数は絶対守ります。
しかし、私たちのような小さな家庭菜園では使う量が少ないので、あまり回数は気にしなくても良いとの事でした。
さて、いよいよ消毒計画作りです。
シャインマスカットの消毒「JA農業組合防除カレンダー」
まず、JAが推奨している「シャインマスカットの消毒・JA農業組合防除カレンダー」を見せていただきました。
これに基づいて、我が家のシャインマスカットに使う農薬を決めていきます。


赤印は、相談員さんとの話し合いで、私の家庭菜園で使う事に決めた農薬
黄色印は、昨年から使っていた農薬
あれ、昨年まで使用していたベトファイターがありませんね。
JAアグリの相談員さんによると、ベトファイターは「耐性菌」ができやすいので、農家の人にはあまり好まれてないそうなんです。
なるほど、だから我が家でも昨年から病変が出始めたのかもしれません。
購入した、シャインマスカットの農薬
今年使うのは、下の2つを増やして、合計4つの殺菌剤(病気予防)を使う事になりました。
※ 害虫駆除の農薬は別です。
殺菌剤は、1つ4,000円近くする殺菌剤もあるのに、何種類も購入しなきゃならないの?
家庭菜園なのに、収穫量に反して大きな出費だ~!!
なんで思いましたが、相談員さんが、
大丈夫だよ~と
効き目は同じで、値段が安いジェネリック農薬を、勧めてくれました。
農薬にも、ジェネリックがあるとはびっくり。
2種類購入で2,000円くらいで済みました。
あとの2種類は、昨年使用していたものを使います。
今年購入した物は、こちらの2つ
オーソサイド水和剤80

◆オーソサイド水和剤80
◆摘要病名 晩腐病・褐斑病・灰色かび・病べと病・枝膨病・黒とう病
こちらが新しく購入したシャインマスカットの農薬(殺菌剤)オーソサイド水和剤80です。

中は、非常に細かい粉末で、あっという間に水に溶けます。
晩腐病・褐斑病・灰色かび病・べと病・枝膨病・黒とう病に効きます。
ただ、オーソサイド水和剤80は、我が家で8月に大発生した「さび病」が含まれていないので、さび病に効き目がある、違う農薬も購入の必要があります。

さて、肝心の効き目は?
すごく良く効いた!!
のですが、詳細は4月日記(準備中)でお話しします。
ベンコゼブ水和剤

◆ペンコゼブ水和剤
◆摘要病名 晩腐病・褐斑病・黒とう病・さび病・べと病
こちらは、「さび病」に効く成分が含まれています。
ペンコゼブ水和剤は、ジマンダイセン水和剤のジェネリック品なので、お安く購入化することができました。

ペンコゼブ水和剤は、淡黄色の水和性粉末です。
さらさらな粉末で、あっという間に水に溶けます。

何度も散布がかかった、一部の葉に白い薬剤が残りました。(あまり目立ちませんが、ぶどう棚全体の1割ほど)
そのためか、果粒小豆大期までに散布するよう注意が書かれています。
果粒小豆大期とは→ジベレリン1回目直後 6月中旬までです。
どうやら、ぶどうの実が膨らむ時期に使用すると、果実の色落ちや汚れの原因になるとのこと。
「さび病」が大量発生する8月~9月は、袋掛け後なので問題なく使えるそうです。
果実肥大期以降の散布は果実に汚れを生じるおそれがあるので注意
クミアイ化学工業
マンゼブ水和剤(ジマンダイセン水和剤またはペンコゼブ水和剤)と組み合わせた防除体系の効果は高いが、果粉溶脱及び汚れが生じる恐れがあるため、マンゼブ水和剤は果粒小豆大期、本剤は果粒大豆大期までに散布する
岡山県農林水産総合センター農業研究所
2023年最新 シャインマスカット消毒カレンダー
以上のことを踏まえて作った、我が家の「7年目 シャインマスカット消毒計画表」はこちら。
2種類以上は、相談員の指導のもと、混ぜて散布しています。
2023年 | 農薬 | 回数 | 防除 |
---|---|---|---|
3月 | ◆オンリーワンフロアブル ◆ベトファイター | 1 | ◆うどんこ病・晩腐病・褐斑病・黒とう病・白腐病・すす点病・灰色かび病・さび病 ◆べと病 |
4月 | ◆オーソサイド水和剤80 | 1 | 晩腐病・褐斑病・黒とう病・枝膨病・灰色かび病・べと病 |
5月上旬 | ◆オーソサイド水和剤80 | 1 | 晩腐病・褐斑病・黒とう病・枝膨病・灰色かび病・べと病 |
5月中旬 | ◆ペンコセブ水和剤 | 1 | 晩腐病・褐斑病・黒とう病・さび病・べと病 |
ジベレリン1回目 | |||
6月上旬 粒が小さい | ジベレリン1回目直後 ◆ペンコセブ水和剤 | 1 | 晩腐病・褐斑病・黒とう病・さび病・べと病 |
ジベレリン2回目 | |||
6月中旬~7月 粒が大きくなったら | ◆オーソサイド水和剤80 | 3 | 晩腐病・褐斑病・黒とう病・枝膨病・灰色かび病・べと病 |
7月 袋掛け後 | ◆オーソサイド水和剤80 ◆スミチオン | 1~2 | ◆晩腐病・褐斑病・黒とう病・枝膨病・灰色かび病・べと病 ◆コガネムシ |
8月 | ◆オンリーワンフロアブル ◆ベトファイター ◆カネマイトフロアブル | 1~2 | ◆うどんこ病・晩腐病・褐斑病・黒とう病・白腐病・すす点病・灰色かび病・さび病 ◆べと病 ◆ハダニ |
9月 | 収穫後 ◆ペンコセブ水和剤 ◆スミチオン | 1 | ◆晩腐病・褐斑病・黒とう病・さび病・べと病 ◆ブドウトラカミキリ・ブドウスカシバ |
以上です。今年も消毒頑張りましょう(^^)/
オンリーワンフロアブル・ベトファイター・カネマイトフロアブルについては別ページで詳しく紹介しています。
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