第3話では、物語は現在からさかのぼり、魏無羨(ウェイ・ウーシェン)と藍忘機(ラン・ワンジー)の出会いが描かれる過去編へと入ります。
雲夢江氏(ウンム・ジャンし)で兄弟姉妹のように育った魏無羨・江厭離(ジャン・イエンリー)・江澄(ジャン・チョン)の関係や、それぞれの立場が丁寧に描かれ、これまでの出来事の背景が少しずつ見えてきます。
一方で、規律を重んじる姑蘇藍氏の学び舎「雲深不知処(うんしんふちしょ)」では、自由奔放な魏無羨と、厳格な藍忘機が出会い、正反対の二人が初めてぶつかることになります。
さらにその裏では、不気味な遺体や「陰鉄(いんてつ)」にまつわる不穏な動きも描かれ、今後の大きな展開につながる伏線が張られていきます。
それでは、『陳情令』第3話のあらすじ(ネタバレあり)と感想を紹介していきます。
※誤訳があったらごめんなさい。画像出典:公式SNS
『陳情令』第3話 主な登場人物・キャスト
魏無羨(ウェイ・ウーシェン)
演:肖戦(シャオ・ジャン)
十六年前の姿で登場。雲夢江氏で育った明るく自由な少年で、機転が利き口も達者。規則に縛られることを嫌いながらも、人を見る目や洞察力に優れている。雲深不知処へ向かう途中でもトラブルを軽やかに切り抜けるが、藍忘機との出会いでその性格が大きくぶつかる。
藍忘機(ラン・ワンジー)
演:王一博(ワン・イーボー)
姑蘇藍氏の二公子。規律を何より重んじる厳格な性格で、感情をほとんど表に出さない。拝帖を持たない者を例外なく拒み、規則を破る魏無羨を容赦なく取り締まる。第3話では、魏無羨と初めて本格的に対峙し、屋根の上で剣を交える。
江厭離(ジャン・イエンリー)
雲夢江氏の長女。穏やかで優しい性格で、魏無羨と江澄を気遣う存在。争いを好まず、金子軒の無礼な態度にも静かに対応する。魏無羨にとって心の拠り所となる人物。
江澄(ジャン・チョン)
雲夢江氏の跡取り。魏無羨とは幼い頃から共に育った存在で、対抗心を持ちながらも強い絆がある。金子軒の振る舞いに強く反発し、感情をはっきり表に出す性格。
金子軒(ジン・ズーシュエン)
蘭陵金氏の公子。裕福な家の出身で、常に多くの従者を従えている。気位が高く、周囲に対して冷たい態度を取ることが多い。江厭離の婚約者でもあるが、第3話ではその関係性は良好とは言えない様子が描かれる。
藍曦臣(ラン・シーチェン)
姑蘇藍氏の宗主であり、藍忘機の兄。穏やかで柔軟な性格を持ち、規則を守りつつも人情を理解する人物。魏無羨の言動にも冷静に対応する。
藍啓仁(ラン・チーレン)
姑蘇藍氏の長輩。学問と規律を重んじ、厳格に門弟を指導する。雲深不知処の規則を象徴する存在であり、違反者には厳しい処分を下す立場にある。
温若寒(ウェン・ルオハン)
岐山温氏の首領。強大な力を持ち、陰鉄の力を利用して勢力を拡大しようとしている。裏で傀儡を操り、陰鉄の破片を集める計画を進めている。
温情(ウェン・チン)
温氏に仕える医師。冷静で判断力に優れた人物。雲深不知処へ潜入し、陰鉄に関する情報を探る任務を与えられる。
温寧(ウェン・ニン)
温情の弟。体が弱く、おとなしい性格。姉と共に雲深不知処へ向かうことになる。
薛洋(シュエ・ヤン)
温若寒の配下。陰鉄の力を使って傀儡を作り出しており、さらに他の陰鉄の破片を探す任務を与えられている。
家での邪祟退治の指揮を取り、召陰旗の設置や状況の整理を行う。莫玄羽に対しても丁寧に接し、夜間の行動を慎むよう忠告するなど冷静な判断を見せる。一方で、事態が悪化すると含光君へ救援を要請する判断も下している。
『陳情令』第3話あらすじ(ネタバレあり)

第3話では、物語は十六年前にさかのぼる。
この頃の魏無羨(ウェイ・ウーシェン)は、まだ「夷陵老祖(イーリン・ラオズー)」と呼ばれる前の明るく自由な少年だった。
魏無羨は幼い頃に両親を亡くし、父の友人だった江楓眠(ジャン・フォンミエン)に引き取られた。そして雲夢江氏(ウンム・ジャンし)の本拠地・蓮花塢(れんかう)で育てられる。
そこでは江厭離(ジャン・イエンリー)と江澄(ジャン・チョン)と一緒に暮らし、三人は本当のきょうだいのように仲がよかった。江厭離は魏無羨を優しく見守り、江澄は口では文句を言いながらも、幼い頃から一緒に遊び育った相手だった。
ある日、三人は姑蘇藍氏(グースー・ランし)の学び舎である雲深不知処(うんしんふちしょ)へ向かう。そこでは各家の若者たちが集まり、修行や学問を学ぶことになっていた。
途中で三人は彩衣鎮(さいいちん)という町に立ち寄り、宿に泊まろうとする。ところが、その宿は蘭陵金氏(ランリン・ジンし)によって丸ごと貸し切られていた。すでに泊まっていた客まで追い出される状況で、魏無羨たちも行き場を失いかける。
そこで魏無羨は、金氏の侍女・綿綿(ミエンミエン)に愛想よく話しかけ、なんとか部屋を用意してもらう。ところが、部屋に落ち着いたのもつかの間、蘭陵金氏の若公子・金子軒(ジン・ズーシュエン)が大勢の従者を連れて現れる。
金子軒は裕福な家の公子らしく、服装も立派で態度も堂々としていた。しかし、部屋が足りないという理由で、雲夢江氏の三人に出ていくよう求める。
江厭離は争いを避けようとして静かに荷物をまとめるが、魏無羨と江澄はその横柄な態度に納得できない。魏無羨は金子軒の派手な様子をからかい、江澄も不満を隠さない。
実は金子軒は、江厭離の婚約者でもあった。しかしこの時点では、彼の態度は冷たく、江厭離を大切にしている様子は描かれていない。江厭離は何も言わずに宿を出るが、その表情は沈んでいた。
慌ただしく宿を出たため、三人は姑蘇藍氏に入るために必要な「拝帖(はいじょう)」を客栈に置き忘れてしまう。
拝帖とは、身分や訪問の許可を示す招待状のようなものだった。これがなければ、雲深不知処の山門を通ることができない。

山門に着いた三人は、門番に止められる。魏無羨はなんとか言いくるめようとするが、江厭離に「礼を失ってはいけない」とたしなめられる。結局、三人は拝帖を取りに戻ることになる。
そこへ、姑蘇藍氏の二公子・藍忘機(ラン・ワンジー)が現れる。
白い衣をまとい、整った容姿ながら、表情は冷たく、まったく感情を見せない人物だった。彼は一体の不気味な遺体を運ばせて戻ってきたところだった。
魏無羨はその遺体を見て、「ただ死んでいるだけではなく、邪術を受けているようだ」と感じる。その言葉に、藍忘機は一瞬足を止める。
江厭離たちは事情を説明し、拝帖を忘れたが中に入れてほしいと頼む。しかし藍忘機は「拝帖がなければ入れない」とだけ答え、例外を認めない。
魏無羨はあれこれ言葉を尽くして頼み込むが、藍忘機は彼をうるさいと判断し、禁言術をかけて黙らせてしまう。
仕方なく、魏無羨(ウェイ・ウーシェン)は一人で宿へ戻り、拝帖を探しに行く。
その途中で、姑蘇名物の酒「天子笑(てんししょう)」を二壺買って戻る。しかし山門へ戻った時、江厭離と江澄の姿はすでになかった。二人は藍忘機によって雲深不知処の中へ案内されていた。
夜、魏無羨(ウェイ・ウーシェン)は酒を持ったまま雲深不知処へ戻る。だが山門には結界が張られていた。
普通ならそこで諦めるところだが、魏無羨は符を使って結界を破り、そのまま中へ入ってしまう。
さらに屋根の上へ登ったところで、目の前に藍忘機(ラン・ワンジー)が現れる。
藍忘機は、結界を破ったこと、酒を持ち込んだこと、夜に勝手に出入りしたことを次々と規則違反として指摘する。魏無羨は笑ってごまかそうとし、酒を一本渡して見逃してもらおうとするが、藍忘機は「執法者への賄賂は罪が重い」と取り合わない。
魏無羨が逃げようとすると、藍忘機は剣で行く手をふさぐ。二人は屋根の上で剣を交え、軽やかに飛び移りながら攻防を繰り広げる。魏無羨は藍忘機の腕前を認めるが、その最中に持っていた天子笑のうち一壺が割れてしまう。魏無羨は大事な酒を失い、不満をぶつける。
藍忘機(ラン・ワンジー)は魏無羨(ウェイ・ウーシェン)を藍氏の家規が刻まれた石壁の前へ連れて行く。
そこには数えきれないほどの決まりごとがびっしり書かれていた。魏無羨はその多さに驚き、「藍家に生まれなくてよかった」と思う。
それでも魏無羨は懲りず、屋根の上に飛び乗って酒を飲む。そして「自分は藍家の敷地内に入っていないから、規則違反ではない」と屁理屈を言う。さらに、世の女性修士たちに人気の藍忘機を「頑固で融通が利かない」とからかう。
藍忘機は再び魏無羨に禁言術をかけ、そのまま叔父の藍啓仁(ラン・チーレン)と兄の藍曦臣(ラン・シーチェン)の前へ連れて行く。
その頃、藍啓仁と藍曦臣は、昼間に運び込まれた遺体を調べていた。
その遺体には赤いひび割れのような模様が全身に広がり、普通の死体とは明らかに違っていた。最近、姑蘇周辺では修士が突然行方不明になる事件も起きており、この遺体もその一人だった。
魏無羨は禁言を解かれると、自分がどれだけ理不尽な目に遭ったかを訴える。しかし、江厭離と江澄が無事に中へ入れてもらえたと知ると、表情を明るくし、藍忘機にきちんと謝る。
その後、魏無羨は白布で隠された遺体に気づく。昼間、山門で見た時にはまだ完全に死んでいるようには見えなかったため、彼は違和感を覚える。
近づいて確認すると、体は死体のように冷たく生気がないが、わずかな霊力の動きが残っていた。
魏無羨は、この人物は完全な死人ではなく、魂や意識にあたる「霊識(れいしき)」を奪われ、誰かに操られている状態だと見抜く。つまり、これは普通の遺体ではなく「傀儡(くぐつ)」のような存在だった。
藍氏の人々は、その鋭い見立てに驚く。
一方その頃、岐山温氏(きざん・ウェンし)の本拠地・不夜天(ふやてん)では、温若寒(ウェン・ルオハン)が新たな動きを見せていた。
彼は、大梵山で関わりが示されたものと同じ力を持つ「陰鉄(いんてつ)」の欠片を探していた。陰鉄には人を操るような力があり、温氏はその力を使って傀儡を作り出している。
温若寒は薛洋(シュエ・ヤン)に、傀儡を作らせると同時に、残りの陰鉄の欠片を探すよう命じる。さらに、医師である温情(ウェン・チン)には、雲深不知処へ入り込み、陰鉄の手がかりを探す任務を与える。
温情は弟の温寧(ウェン・ニン)を一緒に連れて行きたいと願い出る。温寧の体が弱く、温氏の本拠に残すことを心配していたためだった。温若寒はそれを認め、温情と温寧は雲深不知処へ向かうことになる。
その直後、藍氏で調べられていた遺体が突然起き上がる。
目を開いたその顔には黒目がなく、生きている人間とはまったく違う不気味な姿だった。魏無羨はそれを見て、やはりこの人物は霊識を奪われ、何者かに操られていると確信する。
こうして、静かで厳格な学びの場である雲深不知処にも、温氏と陰鉄をめぐる不穏な影が近づき始める。
つづく
『陳情令』第3話 の感想

第3話はついに過去編に入って、魏無羨(ウェイ・ウーシェン)と藍忘機(ラン・ワンジー)の出会いが描かれる回でした。ここがすべての始まりだと思うと、見ていてかなり感慨深いです。
まず若い頃の魏無羨(ウェイ・ウーシェン)が本当にいいですよね。
肖戦(シャオ・ジャン)、やっぱりこの役ハマりすぎです。明るくて自由で、お調子者っぽいのにちゃんと頭も切れる。このバランスが絶妙で、「そりゃ人気出るよね」と納得です。今の魏無羨を知っているからこそ、この頃の無邪気さがちょっと切なくもあります。
3人の関係性が良くわかる回だった
そして今回でよく分かるのが、江家の3人の関係性です。
江厭離(ジャン・イエンリー)と江澄(ジャン・チョン)、そして魏無羨(ウェイ・ウーシェン)。この3人は一緒に暮らしていて、本当の兄弟姉妹のように育てられていました。
江厭離はお姉さんで、常に二人を優しく見守っている立場。
江澄は家を継ぐ立場で、いわゆる後継ぎ。
そして魏無羨は血縁ではないものの、江家に引き取られて育った、いわば養子のような存在です。
この関係を知ると、第1話や第2話の見え方がかなり変わってきますよね。
第1話では崖の上で魏無羨(ウェイ・ウーシェン)が江澄に刺されて、追い詰められて落ちていく場面がありますが、あそこに至るまでにこの関係が崩れてしまったんだと考えると、かなり重いです。
さらに第2話では、魏無羨(ウェイ・ウーシェン)が金凌を「母親の育て方が悪い」と言って懲らしめますが、後で自分を責めるシーンがありました。
金凌は江厭離と金子軒の息子なので、その発言は完全に過去の自分に刺さっているわけで、魏無羨が江家に対して強い後悔を抱えていることが伝わってきます。何があったんでしょうね?
それにしても、婚約者の金子軒、正確悪すぎ!!
江厭離(ジャン・イエンリー)
└ 雲夢江氏の長女(姉)
└ 将来の夫 → 金子軒(ジン・ズーシュエン)
└ 子供 → 金凌(ジン・リン)
江澄(ジャン・チョン)
└ 江厭離の弟
└ 雲夢江氏の後継ぎ(宗主になる立場)
魏無羨(ウェイ・ウーシェン)
└ 江家に引き取られた存在(血縁なし)
└ 江厭離・江澄と一緒に育つ
└ 兄弟姉妹のような関係
そして藍忘機。
王一博(ワン・イーボー)、この頃はもう完全に“かたぶつ”ですね。規則第一、融通きかない、表情変わらない。ここまで真逆だと逆に気持ちいいくらいで、魏無羨との対比がすごく分かりやすいです。
屋根の上のシーンはやっぱり名場面です。
真面目に取り締まる藍忘機と、酒を持ち込んで軽くあしらう魏無羨。この温度差がとにかく面白いし、「この二人絶対にただの関係じゃ終わらないな」と感じるシーンでした。

それにしてもワン・イーボーですが、正直に言うと現代の姿はちょっとアイドルっぽすぎて個人的にはそこまで刺さらなかったんですが、この白い衣装と長髪は本当に別格ですね。完全にキラキラ王子様です。静かに立っているだけで画になるのはすごいなと感じました。

日本だと大河ドラマくらいしか本格的な時代劇ってなくなってきましたが、中国で時代劇が人気なのって、こういうビジュアルで魅せられる俳優がしっかりいるのも理由の一つなんだろうなと思います。
あと、魏無羨が藍家の家規を見てドン引きするシーンも好きです。
あのルールの多さはさすがに無理ですよね(笑)。あそこで価値観の違いがはっきり出ているのが面白いです。
一方で、ただの学園パートでは終わらないのもこの作品の面白さで、裏では不穏な流れがしっかり進んでいます。
あの遺体の違和感や、陰鉄(いんてつ)の存在など、「これ絶対やばいやつだな」という空気がじわじわ出てきています。
第3話は
・魏無羨と藍忘機の出会い
・江家3人の関係性の理解
・裏で進む不穏な伏線
このあたりがしっかり描かれていて、「ここから本番」という感じが強くなってきた回でした。
『陳情令』第3話 用語解説
雲深不知処(うんしんふちしょ)
姑蘇藍氏の本拠地であり、修行や学問を行う場所。厳しい規則で知られ、外部の人間は拝帖がなければ入ることができない。
拝帖(はいじょう)
訪問や入門を許可されていることを示す書状。これがなければ雲深不知処の山門を通ることはできない。
藍氏家規(らんし かき)
姑蘇藍氏に伝わる規則。非常に数が多く、生活や修行に関する細かい決まりが定められている。違反すると罰を受ける。
結界(けっかい)
外部からの侵入を防ぐための防御術。雲深不知処の周囲にも張られており、許可なく入ることはできない。
禁言術(きんげんじゅつ)
対象の声を封じる術。言葉を発することができなくなる。藍忘機が魏無羨に対して使用した。
天子笑(てんししょう)
姑蘇の名酒。香りが高く人気の酒だが、雲深不知処では飲酒が禁じられている。
傀儡(くぐつ)
霊識を失い、他者の力によって操られている状態の存在。第3話で登場する遺体はこの状態に近いとされる。
霊識(れいしき)
人の意識や魂にあたるもの。これを失うと自我を保てなくなる。
陰鉄(いんてつ)
強い力を持つ謎の物質。その力によって人を操ることができるとされる。複数の破片に分かれており、各勢力がその行方を追っている。
『陳情令』第4話 あらすじ・ネタバレはこちら

