第4話では、柳家の宴で現れた影妖(えいよう)・雲倚(うんい)の過去が明かされ、事件の真相が浮かび上がってきます。
雲倚は百年の灯影から生まれ、人間の世界に憧れて詩人として生きていました。しかし長安の才子・謝娄柏(しゃ・ろうはく)との出会いが、彼女の運命を大きく変えてしまいます。彼に託した詩と想いは裏切られ、やがて悲しい結末へとつながっていきます。
一方で武祯(ぶてい)と梅逐雨(ばい・ちくう)は、事件の後に残された「无化骨(むかこつ)」の行方をそれぞれ探り続けています。妖市の長老たちも動き始め、武祯には新たな期限が突きつけられることになります。
さらに武祯は梅逐雨に近づきながら調査を進め、二人の関係にも少しずつ変化が見え始めます。
それでは、『子夜帰』第4話のあらすじ(ネタバレ)を紹介していきます。
※誤訳があったらごめんなさい。
『子夜帰 4』主な登場人物
武祯(ぶてい)
演:Tian Xiwei(ティエン・シーウェイ)
清河県主(せいがけんしゅ)。
名門の出身で、姉は当朝の武皇后。自由奔放な貴族女性として知られているが、実際は妖を取り締まる存在「猫公」として長安の妖を管理している。現在は妖に関わる存在「无化骨(むかこつ)」の行方を追っている。
梅逐雨(ばい・ちくう)
演:Xu Kai(シュー・カイ)
長安の役人。権力に媚びず、公正に物事を判断する人物。影妖の事件では冷静な判断を示し、その姿勢を武皇后にも評価される。武祯とは事件を通して関わるようになる。
柳太真(りゅう・たいしん)
柳府の女性。琉璃花灯(るりかとう)を用いて影妖・雲倚を呼び出し、謝娄柏の罪を明らかにする。无化骨の行方についても密かに調べている様子がある。
謝娄柏(しゃ・ろうはく)
長安で才子として知られる人物。しかし実際には影妖・雲倚の詩を盗作して名声を得ていた。事件の真相が広まると民衆の怒りを買い、長安の人々から嘲笑される存在となる。
雲倚(うんい)
百年の灯影から生まれた影妖。人間の風雅に憧れ、長安の伎館で詩人として名を知られていた。謝娄柏に詩作を託したが裏切られ、魂を琉璃花灯に宿すことになる。
梅四(ばい・し)
梅逐雨の関係者。妖退治に強い関心を持ち、柳府で妖退治をすると騒ぎを起こす。
灰長老(かいちょうろう)
妖市四大長老の一人。无化骨の件をめぐり武祯の責任を追及する。
聞化(ぶんか)
梅逐雨の小随従。長安の外で人買いの一団の中にいたところを梅逐雨に引き取られる。料理が得意で、梅逐雨の身の回りの世話をしている。
『子夜帰』第4話 あらすじ ネタバレ

柳府の宴では、偏庁(へんちょう)から突然「幽霊が出た!」という悲鳴が響き渡る。
騒ぎを聞きつけた柳公慎(りゅう・こうしん)や客人たちが慌てて駆けつけると、そこには武祯(ぶてい)と梅逐雨(ばい・ちくう)が二人きりで立っていた。
しかし人々の関心は、妖の騒ぎではなく別の方向へ向かう。
「また県主が梅逐雨を気に入っているらしい」
「密会していたのではないか」
そんな噂が、たちまち広がっていった。
梅逐雨は居心地悪そうに視線を逸らすが、武祯はどこ吹く風という顔をしている。

その頃、柳太真(りゅう・たいしん)は琉璃花灯(るりかとう)を持ち、静かな涼亭へ向かっていた。
そして侍女に命じ、謝娄柏(しゃ・ろうはく)を呼びに行かせる。
謝娄柏は、自分が柳太真に気に入られたのだと思い込み、得意げな顔で現れる。
だが次の瞬間、灯の中の影がゆらりと揺れた。
そこから現れたのは、影妖・雲倚(うんい)だった。
雲倚は、百年ものあいだ灯火の影から生まれた妖だった。
妖力は弱く、人を害したこともない。
彼女は人間の世界、とくに詩や風雅に強く憧れていた。
長安へ来てからは伎館へ出入りし、「雲倚」という名で詩人として知られるようになる。
そこで出会ったのが、才子として名を馳せていた謝娄柏だった。
雲倚は彼に心を奪われ、自分が書きためてきた詩作や財をすべて託す。
彼なら、自分の詩を世へ送り出してくれると信じていたのだ。
しかし謝娄柏は、その想いを裏切った。
彼は雲倚の詩集を、自分の名前で世に出し、“長安一の才子”として名声を得ていたのである。
真実を知った雲倚が問い詰めると、謝娄柏は態度を一変させた。
彼は雲倚を侮辱し、詩は凡庸だと罵る。
さらには、「雲倚が求婚して拒まれ、自害した」という噂まで流したのだった。
絶望した雲倚は、自らの魂を琉璃花灯へ宿す。
灯が消えるとともに彼女も消えたが、再び灯がともされたことで、この世へ戻ってきたのである。
雲倚は、謝娄柏の悪行を次々と暴き立てる。
盗作。
虚飾。
偽りの名声。
真実を突きつけられた謝娄柏は、完全に取り乱してしまう。
「もう写さない!」
「やめろ!」
そう叫びながら、みっともなく逃げ出していった。
そこへ武祯と梅逐雨が駆けつける。
しかし謝娄柏は恐怖で周囲も見えておらず、二人の存在にも気づかない。
雲倚は追いかけようとするが、柳太真がそれを止める。
もしここで殺せば、「妖に殺された哀れな才子」として扱われるだけ。
それでは本当の罰にならない。
武祯も同じ考えだった。
盗作と裏切りを世に暴き、謝娄柏から名声を奪うことこそ、最大の報復なのだと。
雲倚は無化骨(むかこつ)の力によって存在を保っていた。
だがその力も、もう限界だった。
彼女は涙を浮かべながら語る。
「人の真心を信じたかった」
「でも、人の心は霜のように冷たかった」と――。
やがて雲倚の身体は静かに灰となり、夜風の中へ消えていく。
その場には琉璃花灯だけが残された。
武祯と梅逐雨が駆けつけた時には、最後の青い煙が夜空へ溶けていくところだった。
その後、謝娄柏が雲倚の詩を盗み、彼女を死へ追いやったという噂は、語り手たちによって長安中へ広まっていく。
民衆は激怒し、謝府には腐った卵や野菜が投げ込まれるようになる。
謝娄柏は完全に笑い者となり、やがて街を歩きながら独り言を呟くほど追い詰められていった。
妖ではなく、“人間の欲”が生んだ悲劇だったのである。
一方、宮中では武皇后(ぶこうごう)が武祯を呼び出していた。
これまで梅逐雨をただの身分の低い役人と思っていた武皇后だったが、今回の件で考えを改めていた。
権力に媚びず、公正で、人を思いやる心もある。
梅逐雨は、長安の凡庸な貴族子弟とはまるで違う人物だと認める。
そして武祯へ、「親しくしてもよい相手かもしれない」と穏やかに語る。
皇帝はそんな皇后を横で見ながらも、武祯へ静かに言う。
結婚は軽々しく決めるものではない、と。
武祯は軽く受け流しながらも、どこか複雑そうな表情を浮かべていた。
夜の妖市(ようし)。
猫耳姿の武祯は、無字書(むじしょ)や斛珠(こくしゅ)たちと共に、無化骨の行方について話していた。
偏庁へ入った時には、すでに琉璃花灯から無化骨が消えていた。
つまり、誰かが先に持ち去ったということになる。
そこへ妖市の四大長老が現れる。
灰長老(はいちょうろう)をはじめとする長老たちは、この件を重く見ており、武祯へ厳しく問いただす。
無化骨は危険な存在だ。
もし長安に広まれば、人も妖も狂わせる。
武祯は五日の猶予を求め、必ず見つけ出すと約束する。
長老たちは一旦引き下がるが、灰長老だけは不満げな視線を残していた。
その後、无字书は灰長老へ私下で警告を与える。
武祯に対する態度が行き過ぎている、と。
灰長老は不気味な笑みを浮かべるだけだった。
一方、柳太真も独自に無化骨を探していた。
しかし手がかりはない。
残る疑いは、ただ一人。
梅逐雨だった。

翌日、梅逐雨が家を出ると、そこに武祯が立っていた。
「なぜここに?」
と驚く梅逐雨。
武祯は少し照れたように笑いながら、
「あなたに会いに来たの」
と答える。
その様子に、梅逐雨はますます戸惑う。
小従者の聞化(ぶんか)は、酒や料理を用意して二人をもてなす。
武祯はさりげない顔をしながら、梅逐雨の部屋を物色し始める。
もちろん目的は無化骨だった。
しかし、どこにも見つからない。
それでも武祯は諦めず、理由をつけて毎日のように梅逐雨の家へ通うようになる。
梅逐雨は困惑しながらも、なぜか彼女を追い返せなかった。
そんな二人の様子を聞きつけた梅四(ばいし)は、真相を探ろうと食事へ誘う。
席につくなり、梅四は武祯へ問いかける。
「本当に毎日、小竹魚(梅逐雨)の家へ行ってるのか?」
「飯まで食べてるって?」
武祯は平然と答える。
「人に会いに行ってるだけよ。
ついでにご飯を食べてるだけ」
さらに聞化の料理を褒め始める。
梅逐雨は、聞化が人買いに売られていたところを引き取り、一緒に暮らしているのだと説明する。
それを聞いた武祯は、「ちゃんと大事にされてるのね」と優しく笑う。
やがて梅逐雨が席を外すと、梅四は真剣な顔になる。
「祯姐、あんた本当に梅逐雨のこと好きなんじゃないのか?」
その時、戻ってきた梅逐雨は、外で立ち止まり、二人の会話を聞いてしまう。
武祯は静かに語り始める。
梅逐雨は、権力に媚びない。
上官にもへつらわない。
県主である自分にも取り入ろうとしない。
恋愛にも、金にも、権力にも執着していない。
そんな彼は、まるで孤独な小さな獣のようだと。
「この世界に馴染めないまま、
ひとりで静かに信念を守ってる」
「驚くほど純粋で、まっすぐなの」
そして武祯は、梅逐雨が以前言っていた言葉を思い出す。
「悪を除き、善を守る。
どこにいても、やることは同じです」
その言葉に、武祯は心を動かされていた。
「好きにならない方が難しいでしょ」
そう柔らかく笑う武祯の言葉を、梅逐雨は外で静かに聞いていた。
翌日、梅四は突然、白装束の退妖師のような格好で柳府へ現れる。
柳太真の護衛として妖退治をすると言い出したのだ。
しかし騒ぎの最中、彼は誤って退妖鈴を投げてしまい、それが柳太真の髪へ当たる。
柳太真は冷たい目を向ける。
次の瞬間、彼女は屋敷の猛犬を放った。
梅四は悲鳴を上げながら逃げ回ることになる。

その後ついに、武祯は無化骨の在り処を突き止める。
梅逐雨が腰につけている巾着の中に隠していたのだ。
武祯は、わざと抱きついた時にそれを確認していた。
彼女は无字书と斛珠へ密かに相談する。
梅逐雨から無化骨を奪うにはどうするべきか。
そして三人が出した結論は――
「入浴中しかない」
だった。
武祯は梅逐雨が風呂へ入った隙を狙い、こっそり住まいへ忍び込む。
だが途中で物音を立ててしまう。
その瞬間、奥から梅逐雨の気配が近づいてきた――。
『子夜帰』第4話 の感想
第4話は、影妖・雲倚(うんい)のエピソードがとても印象に残る回でした。妖の話なのに、むしろ人間の方がずっと冷たいじゃないか……と思ってしまうような、なんとも切ない物語でしたね。
雲倚が消えていく場面は、本当にきれいでした。琉璃花灯(るりかとう)が静かに消えていくあの映像、はかなくて美しくて、思わず見入ってしまいました。女人の姿を書いた透けた屏風が沢山ある部屋も素敵。中国の美術さんすごいですね~
妖という存在なのに、悪者ではなくて、むしろ人間にだまされた被害者というところがまたやるせないです。第4話は、雲倚の無念や悲しさをとても丁寧に、しかも美しく描いていた回だったと思います。
それと今回あらためて感じたのは、武祯(ぶてい)が思っていた以上に梅逐雨(ばい・ちくう)を気に入っていること。
毎日、家におしかけていく姿もかわいかったですね。
それに戸惑う梅逐雨もかわいかったです。
抱きつかれて、ポカンとする顔、
梅逐雨らしくてよかったです
武祯って、基本的に人に媚びないし、思ったことをはっきり言うタイプですが、梅逐雨のことになるとかなり素直に褒めていますよね。
あそこまでストレートに長所を並べるのはちょっと意外でした。まだ恋という感じではないですが、「惹かれている」ことはもう完全に認めていますね。
→会話翻訳(武祯の、梅逐雨への気持ちがわかる場面)
そして梅四(ばい・し)。あの人、完全に2人を心配する保護者ポジションでしたね。
ちなみに、梅四と武祯の関係を公式で調べてみましたが、親しい飲み仲間のようです。
武祯が梅逐雨の家に通っているのを心配して、わざわざ食事に誘って様子を見るあたり、「友人として」+「大事ないとこ」としてもかなり気にしているんだなと感じました。
家柄の話を持ち出して武祯に問いただすところも、2人を心配したからこそなんでしょうね。でも武祯があまりにも素直に梅逐雨を評価するので、安心したように見えました。
それにしても、その会話を梅逐雨が外で聞いているという展開。あれはちょっとニヤニヤしてしまいました。梅逐雨って普段はすごく冷静で感情を表に出さないタイプですが、あの話を聞いて内心どう思ったのか、すごく気になります。
そして今回、シュー・カイのファンとしてはやっぱりここですよね。
待ってました、入浴シーン。
……正直なところ「もっと映してくれてもいいのに!」という気持ちはありました(笑)。思ったよりあっさりしていて、ちょっと物足りない気も。でも、あの落ち着いた雰囲気のシュー・カイが入浴しているだけで、やっぱり見入ってしまいます。
しかもその浴室の梁の上を、猫に変身した武祯がのっそり歩きながらのぞいているんですよね。あのシーン、ちょっとドキドキしました。緊張感があって面白かったです。
そして、まさに「いいところ」で終わるんですよね。武祯が梅逐雨の部屋に潜り込んで、これは何か起きそう…というところで次回へ。こういう終わり方をされると、やっぱり続きが気になります。
雲倚の物語の切なさと、武祯と梅逐雨の距離が少しずつ近づいていく感じ。そしてシュー・カイの見どころまであって、第4話はかなり満足度の高い回だったと思います。次回も楽しみです。
皇帝・武皇后・梅妃・武祯・梅逐雨の関係は?
ここで登場する、皇帝・武皇后・梅妃・武祯・梅逐雨の関係をメモしておきますね。
皇帝
武皇后の夫。武祯の義兄。
武皇后をとても寵愛しており、尻に敷かれている感じ。
宮中では皇后の発言力が強い。武祯には甘く、結婚の話を急がせる武皇后に対して、武祯の味方をする場面もある。
武皇后(ぶこうごう)
皇帝の皇后。武祯の姉。感情の起伏が激しい。
宮中で強い影響力を持つ人物。梅逐雨の人柄を高く評価し、妹の武祯に彼と親しくすることを勧める。
梅妃(ばいひ)
皇帝の妃。梅家の人物。
武皇后と親しい関係にある。梅逐雨とは同じ梅家につながる親族。
武祯(ぶてい)
清河県主。武皇后の妹。
姉の小言にはうんざりすることも多く、「仕えにくい」と率直に言うほど遠慮のない関係。
梅逐雨(ばい・ちくう)
長安の役人。梅家の人物で、梅妃とは親族関係。
影妖の事件での公正な態度を武皇后に評価される。
妖市(ようし)の勢力図
ここで 妖市(ようし)の勢力図を書いておきますね。
長安の妖を管理する組織
│
妖市四門(四大長老)
┌────┬───┬───┐
金長老 灰長老 紫長老 白長老
│
二公(実務責任者)
┌──────┴──────┐
猫公(びょうこう) 蛇公(だこう)
武祯(ぶてい) 柳太真(りゅうたいしん)
│ │
部下 部下
无字书(むじしょ) 凌霄(りんしょう)
│
協力者
斛珠(こくしゅ)
『子夜帰』用語解説
影妖(えいよう)
影や灯影から生まれる妖。雲倚は琉璃灯の灯影から生まれた存在。
琉璃花灯(るりかとう)
謝娄柏に騙された雲倚の魂が宿っていた灯。灯が点くことで彼女は姿を現す。
無化骨(むかこつ)
物語の鍵となる存在。琉璃花灯(るりかとう)に埋められている赤い石。冤罪などで命を落とした人の骨が変化したものとされる不気味な石。強い怨念を持っており、その近くにいる者を狂わせてしまうと言われている。詳細は第4話時点では完全には明かされていない。
妖市(ようし)
妖に関わる組織。四大長老が存在する。
『子夜帰』第5話 あらすじはこちら

