『子夜帰』第33話では、記憶を失った武祯(ぶてい)を救うため、梅逐雨(ばい・ちくう)が“祝馀仙草(しゅくよせんそう)”を探す旅を続けていきます。
旅の途中で二人は、不思議な老婆や謎の名医と出会います。そこには「子どもが欲しい」「若さを失いたくない」「美しくなりたい」――それぞれ強い欲を抱えた者たちが集まっていました。しかし、その願いには必ず恐ろしい代償が伴っていたのです。
やがて梅逐雨は、すべての裏で糸を引いていた存在が“祝馀仙草の妖”そのものだと気づきます。そして武祯は、その妖が残した医案から、かつて人を救おうとしていた過去を知ることになります。
さらに今回、武祯が抱える問題は単なる病ではなく、“妖劫(ようごう)”であることも明かされました。
一方その頃、妖市では梅四(ばいし)と柳太真(りゅうたいしん)の距離がさらに近づいていきます。湖畔での蛍のシーンは、とても穏やかで温かい場面となっていました。
切なさ、不気味さ、優しさが入り混じりながら、武祯を救う方法を探す旅が大きく動き出す第33話。
それでは、『子夜帰』第33話のあらすじ・ネタバレを紹介していきます。
※誤訳があったらごめんなさい。画像出典:公式SNS
『子夜帰 33』主な登場人物
梅逐雨(ばい・ちくう)
演:Xu Kai(シュー・カイ)
武祯を救うため、祝馀仙草を探して旅を続ける。第33話では、不気味な名医の屋敷で起きている異変にいち早く気づき、背後にいる“祝馀仙草の妖”の正体を見抜く。武祯を救うためなら危険な条件も受け入れようとするなど、彼女を守ろうとする強い覚悟が描かれた。
武祯(ぶてい)
演:Tian Xiwei(ティエン・シーウェイ)
半人半妖の県主であり、猫公(びょうこう)。第33話では、記憶を失ったまま梅逐雨と共に旅を続ける。不思議な屋敷の中で古い医案(いあん)を見つけ、祝馀仙草の妖がかつて人を救う医者だった過去を知る。また、梅逐雨を守ろうとして猫公の力を使い、その反動で倒れてしまう。
祝馀仙草の妖(しゅくよせんそうのよう)
祝馀仙草が長い年月を経て妖となった存在。第33話では、“顾神医(こしんい)”の屋敷の黒幕として登場する。人々の願いを叶える代わりに大切なものを奪っていた。かつては人を救おうとしていたが、恩を仇で返された過去から、人間への強い恨みを抱くようになっていた。
柳太真(りゅうたいしん)
妖市側の医術師であり、蛇公(だこう)。第33話では、妖市へ戻った後も武祯のことを気にかけている。また、梅四との距離も少しずつ近づき、湖畔で蛍を見る場面では、これまでより柔らかな表情を見せていた。
梅四(ばいし)
梅家の四男。第33話では、柳太真を喜ばせようと湖で術を披露するなど、不器用ながら一生懸命な姿を見せる。最後は眠ってしまい、柳太真の肩にもたれかかる場面も描かれた。
玄虺(げんき)
蛇族の妖。第33話では、梅四の頼みで蛍の術を手伝っていたことが判明する。しかし本人は相変わらずやる気がなく、柳太真から術の修練不足を叱られていた。
扫帚妖(そうじよう)
荒れた屋敷に住み着いていた箒(ほうき)の妖。火に近づきすぎて燃えそうになっていたところを梅逐雨に助けられる。悪い妖ではなく、祝馀仙草についても何も知らなかった。配する父親として振り回されていた。
『子夜帰』第33話 あらすじ ネタバレ

夜になり、梅逐雨と武祯は郊外の荒れた屋敷で休むことにする。
すると突然、部屋に置かれていた掃除道具の箒(ほうき)が激しく震え始める。梅逐雨が術を使うと、箒は慌てて人の姿へ変化した。
どうやら火に近づきすぎて、自分の身体に火が燃え移りそうになっていたらしい。
梅逐雨は相手に悪意がないと分かると、そのまま見逃し、“祝馀仙草”について尋ねる。しかし箒の妖も、その名を聞いたことがなかった。
結局、二人は翌朝再び旅を続けることになる。
森の奥へ進んでいく途中、二人は倒れている老婆を見つける。
武祯と梅逐雨は放っておけず、老婆を助け起こす。すると老婆は、「顾(こ)という名医を訪ねなさい」と教える。その医者の庭には、多くの仙草や霊薬が植えられているという。
梅逐雨は礼を言って立ち去ろうとするが、深い山の中に老婆を一人残すのは危険だと思い直し、振り返る。
しかし、そこにはもう誰もいなかった。
さらに辺りを覆っていた白い霧が晴れると、目の前には突然、一軒の屋敷が現れる。
まるで最初からそこに存在していたかのようだった。
屋敷へ入ると、薬童(やくどう)が二人を待っていた。
まるで来ることを知っていたかのように、何も聞かず中へ案内する。
室内にはすでに数人の客が集まっていた。
豪商の男は、「子どもが欲しい」と願っている。妾(めかけ)は何人もいるのに、跡継ぎが生まれないのだ。
年老いた男は、せっかく出世した今の地位を失いたくないと語り、“長寿”を望んでいた。
美しい女性は、自分はもっと美しくなれるはずだと考え、容姿を変えたいと願っている。
だがその一方で、一人だけ静かに座っている若い男がいた。
青い衣を着たその男だけは、他の客とは違う妙な雰囲気をまとっていた。
やがて豪商の男が診察室へ呼ばれる。
しばらくして出てきた男は、白い薬瓶を抱えながら大喜びしていた。
次に老人が中へ入る。
出てきた時には身体はさらに老いて見え、咳き込み、腰まで曲がっていた。しかし本人は満足そうだった。
その後、中へ入った女性は白い布で顔を覆った姿で現れる。
彼女は「私は絶世の美女になった」と喜んでいるが、どう見ても目が見えていない。
その様子を見た梅逐雨と武祯は、この屋敷に強い違和感を抱く。
願いは叶っている。
だが、その代償が異常なのだ。
そして武祯の番が来る。
武祯は一人で診察室へ入るが、中の空気はどこか異様だった。
奥には簾(すだれ)が下ろされ、その向こうに“神医”が座っている。
話し方を聞いた武祯は、すぐに気づく。
この声は、先ほど山で出会った老婆と同じだった。
武祯は不審に思い、一気に簾をめくる。
するとそこに座っていたのは、人間ではなく、枯れた藁人形(わらにんぎょう)だった。
武祯は驚いて逃げ出そうとする。
しかし出口はすでに壁で塞がれていた。
一方その頃、外では梅逐雨が青衣の青年と話していた。
その会話の中で、梅逐雨はようやく真相に気づく。
この青年こそが、すべての黒幕だった。
しかも彼は、“祝馀仙草そのもの”が妖となった存在だったのである。
これまで診察を受けた者たちは、確かに願いを叶えていた。
だがその代わりに、大切なものを奪われていた。
豪商は子を得る代わりに財産を失い、老人は寿命を得る代わりに病に苦しみ、女は美貌を得る代わりに視力を失った。
人の欲を利用し、代償を奪う――恐ろしい方法だった。
梅逐雨は武祯を救うため、青年の条件を飲み、一人で庭で祝馀仙草を探す。
そこには強力な幻術の陣が張られていて、梅逐雨は術で陣を破る。
すると景色も建物も、人影さえも、すべて幻に変わった。
その頃、武祯は室内で古い医案(いあん)を見つけていた。
そこには、祝馀仙草の妖が昔は本当に人を救う医者だったことが記されていた。
祝馀仙草の妖は、自ら過去を語り始める。
かつて自分は主人に助けられ、大切に育てられた。
その恩に報いるため、必死に修行して人の姿になった。
しかし主人は戻って来なかった。
自分は捨てられたのだと思い込んでしまったのである。
その後、自分の名を広めるため、無料で人々を治療した。
だが救った人間たちは感謝するどころか、「薬のせいで苦しんだ」と責め立てた。
その積み重なった怨みが、今の歪んだ姿を生み出してしまったのだった。
やがて祝馀仙草の妖は、梅逐雨へ攻撃しようとする。
その瞬間、武祯が猫公の力を発動する。
しかし力を使った反動で、そのまま倒れてしまう。
祝馀仙草の妖は驚く。
なぜ武祯が猫公の力を持っているのか分からなかったからだ。
梅逐雨は真実を話す。
前代の猫公こそ、この妖の主人だったのだと。
しかも、その猫公はすでに亡くなっている。
その事実を知った祝馀仙草の妖は、ようやく主人が自分を捨てたわけではなかったと理解する。
長年抱えていた執着と誤解が、そこで初めて解けたのだった。
さらに祝馀仙草の妖は、武祯の状態について重要なことを告げる。
武祯は単なる病ではない。
彼女が直面しているのは“妖劫(ようごう)”なのだと。
つまり、普通の治療では解決できない問題だった。
その後、祝馀仙草の妖は執着を手放し、自らの本体を梅逐雨へ託す。
いつか武祯を救う助けになるかもしれないと願いながら――。
一方その頃、妖市では梅四(ばいし)が柳太真(りゅうたいしん)を湖へ連れ出していた。
梅四は最近覚えた術を披露しようとする。
夜空に小さな蛍がふわりと舞い上がる。
しかし柳太真はすぐに、それが玄虺(げんき)の力を借りたものだと見抜いてしまう。
それでも彼女は、梅四の不器用な優しさに少し心を動かされていた。
さらに柳太真は、玄虺がいつまでも怠けていることを叱る。
だが玄虺は素直に認めようとしない。
すると柳太真が軽く袖を振った瞬間、無数の蛍が夜空いっぱいに広がる。
月と蛍の幻想的な景色に、梅四は思わず見惚れてしまう。
帰り道、眠気に耐えきれなくなった梅四は、そのまま柳太真の肩へ頭を預けて眠ってしまう。
柳太真は少し驚きながらも、彼を突き放すことはしなかった。
その表情には、以前にはなかった柔らかな感情が浮かんでいた。つづく
『子夜帰』第33話 の感想

『子夜帰』第33話は、ここ最近の重く切ない展開とは少し違い、全体的に“ほのぼの”とした空気が流れる回でしたね。
記憶をなくした武祯(ぶてい)と梅逐雨(ばい・ちくう)の旅が、まるで新婚夫婦のようで、とても穏やかでした。武祯は県主としての立場も、妖市のことも忘れているのに、「私は梅夫人」ということだけは覚えているのが本当に可愛かったです。
梅逐雨も、そんな武祯を無理に思い出させようとはせず、優しく寄り添っているのが良かったですね。これまでずっと苦しんできた二人だからこそ、あの静かな時間が余計に温かく感じました。
ただ、ほのぼのしているだけでは終わらないのが『子夜帰』。
祝馀仙草(しゅくよせんそう)の妖の過去は、かなり切なかったですね。昔は本当に人を救いたかったのに、人間たちから責められ、恨みを抱えてしまった。妖が悪になる理由が、いつも“最初から悪だったわけではない”ところが、このドラマらしいです。
そして今回、武祯の問題は単なる病ではなく、“妖劫(ようごう)”だと明かされました。つまり普通の治療では救えないということ。せっかく穏やかな時間が流れているのに、その裏で少しずつ残酷な運命が近づいている感じがして不安になります。
一方で、梅四(ばいし)と柳太真(りゅうたいしん)の湖のシーンは癒やしでした。
梅四が頑張って術を披露する姿も可愛かったですし、それが玄虺(げんき)の力だと柳太真にバレているのも面白かったですね。でも柳太真はちゃんと、その不器用な優しさに心を動かされている。
最後、眠った梅四が自然に柳太真の肩へ寄りかかり、柳太真も押し返さなかった場面は、とても優しくて良いシーンでした。
重い運命の話が続く中で、久しぶりに少し心が温かくなる回だったと思います。
『子夜帰 33』用語解説
祝馀仙草(しゅくよせんそう)
伝説の仙草。強い霊力を持ち、病や妖の異変にも効果があると言われている。第33話では、武祯(ぶてい)を救う方法として梅逐雨(ばい・ちくう)が探し求める。しかし実際には、祝馀仙草そのものが妖となって存在していた。
妖劫(ようごう)
妖が避けられない“大きな劫(ごう)”や試練のこと。単なる病や怪我ではなく、運命そのものに関わる災厄を意味する。第33話では、武祯の状態が普通の病ではなく、“妖劫”であることが明かされる。
煞気(さっき)
邪悪で危険な気のこと。怒りや怨念、妖力などが混ざり合った不安定な力で、暴走すると周囲に大きな被害を与える。武祯の体内では、诡婴(きえい)の元丹の影響によって煞気が暴走し続けている。
猫公(びょうこう)
妖市を守る特別な存在。代々、强大な妖力や危険な元丹を自らの身体へ封じ込め、災いが外へ出ないよう抑え続ける役目を持つ。武祯は18年前、先代猫公から命と力を受け継いだ。
元丹(げんたん)
妖が持つ力の核。妖力の源でもあり、命そのものでもある。第33話では、武祯の体内にある诡婴の元丹が原因で煞気が不安定になっている。
妖市(ようし)
人間界とは隔離された、妖たちが暮らす街。人間社会に干渉せず、独自の秩序で存在している。武祯や柳太真(りゅうたいしん)、无字书(むじしょ)たちもここで暮らしている。
医案(いあん)
医師が残す診療記録や治療記録のこと。第33話では、武祯が祝馀仙草の妖が残した古い医案を見つけ、かつて本当に人を救おうとしていた過去を知る。
『子夜帰』第34話 あらすじはこちら

