『子夜帰』第36話では、梅逐雨(ばい・ちくう)が禁術を使い、ついに十八年前の真実へ辿り着きます。
そこで彼が知ったのは、自分の父が“前代猫公”だったという衝撃の事実でした。
妖を憎み続けてきた梅逐雨にとって、その真実はあまりにも残酷なものだったのです。
一方、武祯(ぶてい)は長い眠りから目覚め、失っていた記憶を取り戻します。しかし梅逐雨はすでに姿を消しており、二人の間にはどこかすれ違う空気が流れ始めていました。
さらに長安では、“蛇妖”の噂が広まり、柳太真(りゅう・たいしん)を狙う不穏な動きも加速していきます。
過去の秘密と現在の陰謀が大きく動き始める第36話。
それでは、『子夜帰』第36話のあらすじ・ネタバレを紹介していきます。
※誤訳があったらごめんなさい。画像出典:公式SNS
『子夜帰 36』主な登場人物
武祯(ぶてい)
演:Tian Xiwei
猫公(びょうこう)として妖市を守る半人半妖の存在。三日間の昏睡から目覚め、失っていた記憶を取り戻しました。妖疮(ようそう)も消え、体調は回復しますが、梅逐雨(ばい・ちくう)が姿を見せないことを気にかけています。
梅逐雨(ばい・ちくう)
演:Xu Kai
武祯を救うため禁術を使い、十八年前の過去へ入り込みます。その中で、自分の父が“前代猫公”だったという衝撃の事実を知ることに。術の代償で重傷を負い、常曦宮(じょうぎきゅう)で昏睡状態となっていました。
梅四(ばいし)
梅逐雨の弟。
柳太真(りゅう・たいしん)を守るため奔走し、蛇妖を狙った騒動の裏を調べ始めます。灰長老(はいちょうろう)に捕らえられても逃げようとせず、最後まで柳太真や玄虺(げんき)を助けようとしていました。
柳太真(りゅう・たいしん)
蛇公(だこう)でもある蛇妖。
長安で広がる“蛇妖騒ぎ”が、自分を狙った罠だと察します。硫黄によって蛇尾(だび)が現れてしまい危険な状況へ追い込まれますが、黒幕を探るため冷静に動き続けていました。
玄虺(げんき)
蛇妖であり、梅四の親友。
灰長老との戦いで重傷を負いながらも、最後まで梅四を逃がそうとします。化龍(かりゅう)に失敗して以降、梅四への情がさらに強くなっている様子が描かれていました。
斛珠(こくじゅ)
妖市側の人物。
武祯の回復を見守りながら、常曦宮でも霜降(そうこう)たちと交流を深めていきます。霜降の真っ直ぐな性格に、以前より好意を抱いている様子も見えていました。
霜降(そうこう)
常曦宮の弟子。
自分の才能に自信はないものの、「世の中を救うような人物になりたい」という夢を持っています。斛珠へ金精(きんせい)を贈るなど、不器用ながら優しさを見せていました。
瀟暮(しょうぼ)
常曦宮の二師兄。
禁術によって倒れた梅逐雨を看病しながら、武祯へ常曦锏心訣(じょうぎけんしんけつ)を渡します。表面上は冷静ですが、梅逐雨の身をかなり案じている様子でした。
灰長老(はいちょうろう)
妖市の長老格の妖。
梅四を囮に使い、柳太真を誘き出します。蛇麟(じゃりん)を要求するなど、その目的は依然として不明ですが、邪煞诡婴(じゃさつ・きえい)に関わる計画を進めているようです。した。
『子夜帰』第36話 あらすじ ネタバレ

常曦宮(じょうぎきゅう)の大殿では、瀟暮(しょうぼ)たち師兄が陣を組み、梅逐雨(ばい・ちくう)のため禁術の準備を進めていた。
武祯(ぶてい)を救うためには、十八年前に何が起きたのかを直接見るしかない――。
梅逐雨は法器の中へ入り、意識を過去へ沈めていく。
気づくと彼は、幼い頃に暮らしていた梅家の茶肆の前へ立っていた。懐かしい景色に導かれるように扉を開けると、そこには昔と変わらぬ部屋が広がっている。
だが次の瞬間、倒れている母の姿が目に入る。
梅逐雨は慌てて駆け寄り、その手を握る。しかし母は弱々しく彼の名を呼びながら、静かに息を引き取ってしまう。
その場には、まだ幼い頃の梅逐雨もいた。
幼い自分は突然の出来事を理解できず、ただ呆然と母を見つめている。未来から来た梅逐雨は、涙を堪えながら幼い自分へ声をかけ、静かに慰めるしかなかった。
その頃、長安ではすでに異変が起きていた。
空には妖火が燃え上がり、街中が炎に包まれていく。人々は逃げ惑い、街は混乱に陥っていた。
幼い武祯は一人、路地で怯えながら立ち尽くしていた。そこへ突然、強烈な煞気が雷のように落ちる。
武祯はその衝撃を受け、その場で命を落としてしまう。
梅逐雨が駆けつけた時、武祯の傍らには黒猫がいた。
黒猫はやがて若い男の姿へ変わる。男は梅逐雨へ「お前は誰だ」と問いかけるが、その瞬間、幼い梅逐雨が走って来て、その男へ向かって「父さん」と呼びかけた。
梅逐雨は言葉を失う。
目の前にいる男こそ、前代の猫公だった。そして同時に、自分の父でもあったのである。
これまで妖を憎み続けてきた梅逐雨にとって、その事実はあまりにも衝撃的だった。
一方その頃、現実の常曦宮では、武祯が三日間眠り続けた末に目を覚ます。
目覚めた武祯は、失っていた記憶をすべて取り戻していた。
廊下では武祯を迎えに来た斛珠(こくじゅ)と霜降(そうこう)がずっと付き添っており、武祯が無事に起き上がった姿を見てようやく安心する。
さらに五師兄が武祯の身体を確認し、妖疮(ようそう)が消えていることを告げた。
武祯は、自分が回復できたのは梅逐雨のおかげだと知る。しかし彼は、武祯が目を覚ます前に常曦宮を去っていた。
霜降は、「師兄は、記憶を取り戻したお前に嫌われると思ったんだろう」と静かに話す。
武祯は何も言えず、その言葉を聞いていた。
その後、瀟暮は武祯を書閣へ案内し、常曦锏(じょうぎけん)の心訣を渡す。これは今の武祯の身体を整えるのに合った術法だった。
武祯は竹簡を受け取りながら、ふと以前のことを思い出す。
記憶を失っていた頃、梅逐雨と並んでここで本を読んでいたこと。食事をしたこと。何気なく過ごした時間。
部屋へ戻った武祯は、梅逐雨の小さな肖像を見つめながら、思わず柔らかな笑みを浮かべていた。
一方、斛珠は武祯と共に長安へ戻る前、霜降へ別れを告げに行く。
霜降は、自分もいつか世の中を救うような立派な術師になりたいと語る。しかし実際の彼は、師兄たちの中でも術の才能が高いほうではなかった。
それでも斛珠は、「修行はまず心だ」と励ます。
霜降は別れ際、倉庫で見つけた前朝の“金精”を斛珠へ渡した。ところがその金精は妙に霊性が強く、突然逃げ出して武祯の部屋へ飛び込んでしまう。
武祯は素早くそれを捕まえ、慌てて追いかけてきた斛珠へ返す。
霜降は金精を妖市に連れ帰るように言う。
その後、武祯と斛珠は常曦宮を後にする。
しかし武祯たちを見送った後、瀟暮は急いで別室へ戻る。
そこでは、梅逐雨が昏睡状態のまま横たわっていた。
禁術による負担は想像以上に大きかったのである。
その頃、長安では奇妙な噂が広がり始めていた。
「街に巨大な蛇妖が現れた」
そう言って硫黄を無料で配る捕蛇人が現れ、人々は不安から硫黄を家や路地で焚き始める。街中が煙で満たされ、空気は酷く淀んでいた。
だがこれは、明らかに蛇妖を狙った動きだった。
柳太真(りゅう・たいしん)は馬車で移動中、その硫黄の煙を大量に吸ってしまう。
すると突然、抑えていた蛇尾が現れてしまった。
馬車の中で蛇の姿を見た使用人たちは悲鳴を上げ、「妖蛇だ」と大騒ぎになる。
そこへ梅四(ばいし)が駆けつける。
梅四は迷わず上着を脱ぎ、柳太真の蛇尾を隠すと、そのまま彼女を抱きかかえて梅府まで連れ帰った。
その姿を見た使用人たちは、「二人は本当に想い合っている」と噂し始める。
柳太真自身も、梅四の優しさに心を動かされていた。しかし二人は以前のように気軽には接することができない。
互いに想いはある。
だが人と妖という現実が、その距離を簡単には縮めさせなかった。
柳太真は、今回の件が偶然ではないと感じていた。
あまりにも都合よく硫黄が広まり、わざわざ馬車を覗こうとする者までいた。明らかに誰かが自分を狙っている。
そこで梅四と玄虺(げんき)は密かに調査を始める。
二人は金を使って街の人々から話を集め、やがて硫黄を配っていた捕蛇人へ辿り着く。
しかし捕蛇人は、「ただ硫黄を売って金を稼ぎたかっただけだ」と言い張り、背後に誰かいることを認めない。
柳太真はそれ以上問い詰めても無駄だと判断し、いったんその場を去る。
だが実際には、その男は无字书(むじしょ)の命令で動いていた。
そして用済みになった捕蛇人は、その直後、无字书によって口封じのため殺されてしまう。
その後、柳太真のもとへ妖術の込められた密書が届く。
そこには郊外へ来るよう書かれていた。
同じ頃、梅四はすでに灰長老(はいちょうろう)によって森の古木へ縛り付けられていた。
玄虺は梅四を助けるため駆けつける。しかし灰長老との力の差は大きく、数合打ち合っただけで深手を負わされてしまう。
それでも玄虺は最後の力を振り絞り、梅四を縛っていた縄を断ち切る。
「逃げろ」
玄虺はそう叫ぶが、梅四は逃げなかった。
梅四はただの人間であり、灰長老に敵うはずもない。それでも梅四は怒りのまま拳を振り上げる。
しかし、その拳は灰長老にはまったく通じなかった。
灰長老が二人まとめて始末しようとしたその時、柳太真が駆けつける。
だが彼女もまた、すでに硫黄の毒によって妖力を弱らされていた。
柳太真は灰長老を睨みつけながら、「お前の狙いは何だ」と問い詰める。
すると灰長老は、蛇公の“蛇麟(じゃりん)”を差し出せば、三人の命だけは助けてやると告げるのだった。
『子夜帰』第36話 の感想
今回はかなり衝撃の回でしたね。
やっぱり一番大きかったのは、梅逐雨(ばい・ちくう)の父親が“前代猫公”だったと判明したことです。
これはさすがにおったまげー驚きました。
梅逐雨はずっと、妖によって家族を奪われた側として生きてきた人物です。そんな彼が、自分の父は実は妖市側の存在だったと知る展開はかなり重かったですね。
しかも、その真実を知るのが“十八年前の過去”の中というのも辛いところでした。
母の死をもう一度見ることになるだけでも苦しいのに、その直後に父の正体まで知ってしまう。梅逐雨の精神的な負担がかなり大きかったと思います。
そして、武祯(ぶてい)が記憶を取り戻した後の空気も切なかったですね。
武祯は目を覚ましたあと、自然と梅逐雨を探していました。
記憶を失っていた間のことも、彼女にとってはちゃんと大切な時間だったんですよね。
本を読んでいたこと、食事をしたこと、何気ないやり取り――。
思い出を一つずつ思い返している姿が印象的でした。
あと今回も、武祯がかなり可愛かったですね。
金精を素早く捕まえる場面とか、以前の強い猫公の力が戻った感じでした。
記憶を失っていた時期を経たことで、以前より柔らかい雰囲気になった気がします。
一方で、柳太真(りゅう・たいしん)側はかなり不穏でした。
長安中で硫黄を焚かせる流れ、あれは完全に蛇妖を狙った罠でしたね。
しかも馬車を覗こうとする場面はヒヤッとしました。
最初から柳太真を追い込むために仕組まれていた感じがありました。
そんな中で、梅四(ばいし)が迷わず柳太真を抱えて帰る場面は良かったです。
人目を気にするより先に助けに行くところが、梅四らしかったですね。
ただ今回は、梅四と柳太真の距離感が逆に切なかったです。
お互い気持ちはあるのに、以前みたいに素直には近づけない。
だからこそ、少し距離を取って会話している感じが余計に気になりました。
そして玄虺(げんき)。
かなりヤバいかんじ・・あれだけ攻撃されて生ていられるでしょうか・・・
灰長老(はいちょうろう)との力の差は圧倒的でしたが、それでも最後まで梅四を逃がそうとしていたのが、玄虺らしかったです。
化龍に失敗してから、玄虺の中で“梅四への情”がかなり大きくなっているのを感じました。
それにしても、蛇麟は何に使うのでしょうか・・・

あと今回は、シュー・カイファンとしては少し寂しい回でもありましたね。
梅逐雨の出演自体はそこまで多くなく、後半はほとんど姿を見せませんでした。
ただ、ドラマでははっきり描かれていませんでしたが、瀟暮(しょうぼ)が見ていた“昏睡状態の人物”は、たぶん梅逐雨ですよね。
禁術の代償で、かなり重傷を負っていたように見えました。
それなのに武祯には「もう去った」とだけ伝えていたので、事前に師兄たちと話を合わせていた感じもありました。
武祯に心配をかけたくなかったのか、それとも今の自分を見せたくなかったのか…。
あのあたりの梅逐雨らしい不器用さが、逆に切なかったです。
全体として今回は、
十八年前の真実と、それぞれの隠していた想いが少しずつ見えてきた回だったと思います。
特に梅逐雨(ばい・ちくう)の出生の秘密は、かなり気になりますよね。
父親が前代猫公だったということは、「梅逐雨も半妖?」と考えてしまいます。
しかも母親のほうは、今のところ普通の人間として描かれているので、なおさらその可能性が強く見えてきました。
ただ、現時点のドラマでは、梅逐雨自身に妖の特徴がほとんど出ていないんですよね。
妖力を使うわけでもないですし、これまで本人も完全に“人間”として生きてきた。
だからこそ、
・本当に半妖なのか
・何か理由があって力が眠っているのか
・あるいは前代猫公が特殊な存在だったのか
このあたりは、まだかなり謎が残っています。
しかも面白いのは、武祯(ぶてい)が“半妖”で苦しんでいる一方で、梅逐雨の側にも似た秘密が見え始めたことなんですよね。
これまで二人は、
「人」と「妖」の間で引き裂かれる関係として描かれていましたが、もし梅逐雨も完全な人間ではないなら、物語の見え方がかなり変わってきそうです。
『子夜帰 36』用語解説
妖火(ようか)
普通の火とは違う、妖力によって生まれる炎。
第36話では、十八年前の長安を襲った大火災の中で街中を焼き尽くしていました。梅逐雨(ばい・ちくう)の両親が命を落とした事件とも深く関わっています。
前代猫公(ぜんだいびょうこう)
武祯(ぶてい)の前に猫公を務めていた存在。
第36話で、梅逐雨の父が前代猫公だったことが判明しました。これまで妖を憎み続けてきた梅逐雨にとって、自分の父が妖市側の存在だったという事実は大きな衝撃となります。
常曦锏心訣(じょうぎけんしんけつ)
常曦锏(じょうぎけん)を扱うための心法。
常曦宮(じょうぎきゅう)に伝わる術法の一つで、瀟暮(しょうぼ)は回復したばかりの武祯へこれを渡しました。現在の武祯の身体を整えるのにも適した功法とされています。
金精(きんせい)
霊性を持つ特殊な金属精霊のような存在。
霜降(そうこう)が斛珠(こくじゅ)へ贈りましたが、非常に活発で、途中で逃げ出して武祯の部屋へ入り込んでしまいました。
硫黄(りゅうおう)
蛇や妖を避けるために使われる薬材。
長安では「蛇妖が現れた」という噂と共に大量に撒かれ、人々も街中で焚き始めました。しかし今回の硫黄騒ぎは、蛇妖である柳太真(りゅう・たいしん)を狙った罠でもありました。
蛇尾(だび)
蛇妖が本来持つ蛇の尾。
柳太真は普段、人間の姿を保っていますが、第36話では硫黄の刺激によって抑えていた蛇尾が現れてしまいました。
蛇麟(じゃりん)
蛇公(だこう)が持つ特別な鱗。
灰長老(はいちょうろう)は第36話で、柳太真へ蛇麟を差し出すよう要求しました。詳細はまだ明かされていませんが、妖市の封印や旧地と関わる重要なものだと考えられます。
法器(ほうき)
術や妖力を宿した特別な道具。
梅逐雨は今回、常曦宮の法器を使って十八年前の過去へ入りました。強力な力を持つ反面、使用者への負担も大きく、梅逐雨は術の後に昏睡状態へ陥っています。
旧地(きゅうち)
かつて邪煞诡婴(じゃさつ・きえい)が存在していた場所。
現在は封印されており、普通の妖は入ることができません。灰長老や无字书(むじしょ)は、この旧地へ入る方法を探り続けています。
『子夜帰』第37話 あらすじはこちら
