ブドウの整形は花穂整形、ジベレリン後の摘果作業(間引き・粒抜き)と重要な作業です。今回は前半の、ぶどうの房の切り方「花穂整形の時期や方法」をシャインマスカットを例にお話しします。後半の粒抜き/間引き剪定方法「家庭菜園で逆三角形の房づくり」はこちら。
ここでは、 など、親戚の3軒のブドウ農家から直伝された方法を「家庭菜園」をされている方むけに解り易く解説しています。大粒のおいしいブドウを育てるためにもぜひ、花穂整形にチャレンジしてください。 |
ぶどうの摘果1/花穂整形の時期と方法「どうやって間引くの?」房づくりの方法を図解・写真で解説
ぶどうの間引き/花穂整形とは
我が家のシャインマスカットは4年目を迎えました。5月になり「そろそろ花穂整形の時期だよ~」とブドウ果樹園農家の叔父から連絡が入ったので、復習も込めてぶどうの房の切り方・花穂整形方法を解説していきます。
花振るい
4月から5月になると、小さかったブドウの房がだんだん大きくなってきますね。このブドウの房ですが、全部膨らんでブドウの粒になるわけではありません。
ブドウは「花振るい」といって、花が多く開花しても着果が極めて少ない性質があります。手を入れずにいると、花穂への栄養不足などを起こして開花や受粉が上手くいかず結実不良になってしまうのです。
花穂整形
この「花振るい」を防ぐためにも人間がハサミを入れて花穂整形を行います。
花穂整形はいわゆる「間引き」で摘果の第一段階に行います。これをそのまま放置して置いたら大粒の良い房になりません。
粒の間隔が狭くても、粒が大きくなった時にお互いに押し合って変形したり潰れてしまったりします。花穂整形後も、摘果の第二段階(粒抜き・間引き)を行い栄養を集中させる必要があるのです。
巨峰やシャインマスカットのように花穂の大きな品種や、岐肩(副穂)のある房では、摘果は欠かせない作業なんです。
花穂整形の時期
花穂整形時期の見分け方
花穂整形は、4月下旬から5月下旬までのブドウの開花1週間ほど前に行うと良いです。
といっても「開花1週間っていつ???」となりますよね。
ブドウの開花が近くなると、花穂の色が深い緑色から薄い黄緑色に変化してきます。実(花蕾からい)の部分が膨らんで丸みを帯び、花穂の段の隙間が広くなってきます。「開花1週間前」とはちょうどこの時期の事です。
家庭菜園での時期
でもこの開花時期、私も含めて家庭菜園でブドウ栽培している素人は見過ごしてしまう事がよくあるんですよね。
う~む、解りにくいと言う方は、ブドウの花が咲き始めてすぐに行うと良いです。
下の写真はブドウの花です。ブドウの花は、ブドウ棚の日当たりの良い所から順番に咲き始めますので、気を付けて見ていてどれかひと房でも咲き始めたらすぐに花穂整形をはじめましょう。
開花してすぐに花穂整形を行う理由は、この後ジベレリン作業が待っているからです。
一般的に「花が咲いて3日後」がジベレリン処理の最適な時期と言われています。花穂整形が終わると、すぐに満開になりジベレリン処理の時期になってしまいます。
忙しいですけど頑張って花穂整形をしちゃいましょう。
もしうっかりしてしまった方は、1回目のジベレリン処理が終わってからでも大丈夫。粒が大きくならないうちに、早めの花穂整形をしてあげましょう。
花穂整形の方法
残す長さ
プロの農家の場合、出荷する時1kg以上だと、はねられて商品になりません。その為、摘果(花穂整形)で残す主穂の長さは3~3.5㎝と決まっています。(花穂整形で3~3.5㎝残すと、第二段階の摘果(粒抜きけ間引き)の時期には7cmほどに成長します)
叔父の話だと、家庭菜園の場合「出荷」するわけではないので房を少し大きめに作ってもOKとの事。大きな房を沢山食べれるように主穂の部分を少し長めに残しても良いそうです。
摘果(花穂整形)の方法/順番を図解
◆摘果(花穂整形)の仕方 |
ぐにゃっと曲がった穂花でもしっかり摘果(花穂整形)すれば大丈夫。実が大きくなると重さで下向きになります。
あまりにもひどい奇形の場合や二股の場合、まっすぐな副穂を残して切り取りましょう。
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ブドウ農家のアドバイス・注意点
房尻を1センチほど切るわけ
プロの場合、房尻をカットする方も多いようです。
というのも「房尻」の方が花が咲かなかったり、開花が遅れたりする傾向にあり結実がまばらになってしまうそうです。その為、ブドウの粒の大きさにばらつきがあり粒抜きに苦労したそうです。また、長さを多く取ると、下に行くほど甘みが薄れるとの事。
ですから、房尻1センチをカットしたほうが手間いらずで美しい房になるようです。
木の状態を見て調整する
大きな房を沢山とろうと欲張ると、花振るいを起こして良い葡萄がとれません。鉢植えの場合は木に力がないので、房の数を減らし、しっかり花穂整形・摘果してあげましょう。
逆に不作であまり房数が少ない年だったら、長めに整形して大きな房にする調整をしましょう。
わざと副穂の両肩を残す
叔父の果樹園では、わざと副穂の両肩を残してジベレリンの時の目印にしています。上の写真でも左肩が残っています。
1回目のジベレリン処理で右肩を切り、2回目のジベレリン処理で左肩を切って目印とし、ジベレリン作業忘れを防ぐのです。。実際のジベレリン処理の方法はこちら
農家の方はいろいろ工夫しているんですね~感心です。
でも、我が家の家庭菜園では、ジベレリンを忘れるほど沢山実ってない~(笑)
まとめ ぶどうの摘果1/花穂整形の時期と方法「どうやって間引くの?」房づくりの方法を図解・写真で解説
今回は前半の、「花穂整形の時期や方法」を解説しました。ぶどうの摘果作業/花穂整形は、時期と方法を守れば比較的簡単です。
◆開花10日前くらいからはじめて、両肩の副穂を残し、主穂を3.5~4センチ残しましょう。
花穂整形をしていくと、「↓こんなに粒抜きをしてしまってもったいない~」と言うくらい切り落としますが、この作業をする事で美味しい実になるので頑張って、房づくりをしてみてください。
「花穂整形」の時期は同時に「芽かきや」「摘心」などの剪定を行う事も大切です。もじゃもじゃとわき芽をはやしたままでは、葉に栄養がとられて良い実になりません。
すぐに、ジベレリン作業も始まり手のかかる時期に入ります。ジベレリン後は、粒が急成長します。ここで摘果作業2の後半(粒抜き・間引き)へと入ります。後半の摘果作業2 粒抜き/間引き剪定方法「家庭菜園で逆三角形の房づくり」はこちら。
私も毎年試行錯誤してブドウ栽培を楽しんでいます。秋には大粒の甘い葡萄が実ると良いですね。それでは房づくり頑張ってください。(@^^)/~~~