第19話では、ついに魏無羨(ウェイ・ウーシェン)が“乱葬崗(らんそうこう)”へ落とされ、物語が大きな転換点を迎えます。江澄(ジャン・チョン)は金丹を取り戻し再び立ち上がろうとする一方、その裏では魏無羨が全てを失い、壮絶な苦しみを抱えていました。さらに、藍忘機(ラン・ワンジー)や各世家による“射日の征戦”も本格化し、修仙界全体が大きく動き始めます。
それでは、『陳情令』第19話のあらすじ(ネタバレあり)を紹介していきます。
※誤訳があったらごめんなさい。画像出典:公式SNS
『陳情令』第19話 主な登場人物・キャスト
魏無羨(ウェイ・ウーシェン)/肖戦(シャオ・ジャン)
江澄(ジャン・チョン)へ金丹を譲った代償で、完全に霊力を失った状態に。それでも最後まで江澄の居場所を明かさず、温晁(ウェン・チャオ)たちへ激しく抵抗した。第19話では乱葬崗(らんそうこう)へ突き落とされ、ついに“夷陵老祖”への道を歩み始める。
江澄(ジャン・チョン)/汪卓成(ワン・ジュオチョン)
抱山散人(ほうざんさんじん)の力によって金丹を取り戻したと信じ、再び立ち上がる希望を得る。しかしその裏で、魏無羨が大きな犠牲を払っていたことにはまだ気づいていない。第19話では、藍忘機(ラン・ワンジー)と共に魏無羨の行方を追い続けた。
藍忘機(ラン・ワンジー)/王一博(ワン・イーボー)
射日の征戦(しゃじつのせいせん)で温氏と戦いながら、魏無羨の消息を必死に探していた。随便(ずいべん)が封剣されているのを見て、魏無羨に重大な異変が起きていることを察する。静かながらも、魏無羨への強い想いが伝わる回だった。
温晁(ウェン・チャオ)/賀鵬(ホー・ポン)
魏無羨を徹底的に痛めつけ、最後には乱葬崗へ突き落とした張本人。射日の征戦によって温氏が追い詰められていく中でも傲慢な態度を崩さないが、次第に焦りも見え始めていた。
王霊嬌(ワン・リンジャオ)/盧蒽潔(ルー・エンジエ)
魏無羨への復讐心から、玄武洞で負った火傷を焼きごてで再びえぐるなど、残虐さが際立った。第19話では、乱葬崗へ落とした魏無羨が“悪鬼になって戻って来る”ことを恐れ、精神的に追い詰められていく。
温逐流(ウェン・ジューリウ)/馮茗驚(フォン・ミンジン)
“化丹手”の異名を持つ温氏の強者。魏無羨へ掌を放つが、金丹が消えていることに気づき違和感を覚える。温晁に従いながらも、どこか冷静に状況を見ている様子も印象的だった。
江厭離(ジャン・イエンリー)/宣璐(シュエン・ルー)
清河へ身を寄せながら、江澄との再会を喜ぶ。しかし魏無羨の行方が分からないと知り、不安を募らせていく。第19話でも、弟たちを想い続ける優しい師姐(シージエ)の姿が描かれた。
温情(ウェン・チン)/孟子義(モン・ズーイー)
魏無羨と江澄を助けたことで温氏から罰を受け、地下牢へ入れられてしまう。それでも魏無羨や江澄のことを気にかけ続けており、弟・温寧(ウェン・ニン)を守ろうとする姿も印象的だった。
温寧(ウェン・ニン)/于斌(ユー・ビン)
魏無羨たちを助けたことで拷問を受け、傷だらけの状態に。それでも自分の身より魏無羨や江澄の無事を心配していた。優しく純粋な性格が、より際立った回でもある。
聶明玦(ニエ・ミンジュエ)/王翌舟(ワン・イージョウ)
清河聶氏(せいがじょうし)の宗主。温氏への怒りを露わにし、射日の征戦を力強く率いていく。温旭(ウェン・シュー)の首を討ち取るなど、圧倒的な存在感を見せた。
金子軒(ジン・ズーシュエン)/曹煜辰(ツァオ・ユーチェン)
江厭離を安全に清河まで送り届けた。以前よりもかなり誠実さが見えるようになり、江厭離を気遣う場面も増えてきている。
孟瑶(モン・ヤオ)/朱賛錦(チュー・ザンジン)
第19話では直接登場は少ないものの、“行方不明”という形で名前が挙がる。聶明玦(ニエ・ミンジュエ)や金子軒も所在を把握しておらず、今後の伏線として不穏さを残した。
『陳情令』第19話あらすじ(ネタバレあり)

江澄(ジャン・チョン)が山へ入ってから七日が経った。
夷陵(いりょう)の町では、笠を深くかぶった魏無羨(ウェイ・ウーシェン)が、ひとり江澄を待っていた。しかし顔色は悪く、腹部を押さえながらふらついている。金丹を失った影響で、身体はすでに限界に近かった。
「ジャンチョンのやつ…まだ来ないのか…」
空腹と疲労に耐えきれず茶楼へ入ろうとしたその時、魏無羨は凍りつく。そこには岐山温氏(きざんおんし)の一行がいたのだ。
逃げようとした瞬間、温逐流(ウェン・ジューリウ)の掌が魏無羨を吹き飛ばす。しかし温逐流は妙な違和感を覚える。本来なら金丹へ直接衝撃が伝わるはずなのに、何の手応えもない。
そこへ温晁(ウェン・チャオ)と王霊嬌(ワン・リンジャオ)が現れた。
魏無羨は抵抗する力すら残っておらず、温晁に手を踏みつけられても立ち上がれない。
その頃、江澄は長い夢を見ていた。
幼い頃の蓮花塢(れんかう)。父・江楓眠(ジャン・フォンミエン)は優しく笑い、母・虞紫鳶(ユー・ズーユエン)も穏やかに家族を見守っている。小さな江澄は父に抱き上げられ、「将来の蓮花塢の主人だ」と言われていた。
しかし次の瞬間、虞紫鳶の目から血が流れ落ちる。
蓮花塢は炎に包まれ、温逐流が現れた。
「やめろ――!!」
叫びながら飛び起きた江澄は、自分が山中にいることに気づく。
そして恐る恐る霊力を巡らせると、確かに金丹が戻っていた。
「仙師…ありがとうございます…!」
江澄は本気で抱山散人(ほうざんさんじん)が救ってくれたと信じ、その場に跪いて感謝した。
だがもちろん、本当に金丹を与えたのは魏無羨だった。
山道を下っていく江澄の後ろ姿を、魏無羨は遠くから静かに見送っていたのだった。

一方、捕らえられた魏無羨は激しい暴行を受けていた。
温晁は江澄の居場所を吐けと脅すが、魏無羨は何も話さない。
「江家は終わったんだ。新しい主人に尻尾を振れば生かしてやる」
しかし魏無羨は笑った。
「悪いな、聞こえるのは犬の遠吠えだけだ」
激怒した温晁は、江澄のように魏無羨の金丹も化かしてやると命じる。
すると王霊嬌が割って入り、「先に仕返しを」と笑い出した。
彼女は魏無羨の胸元を開き、玄武洞(げんぶどう)で負った火傷の痕へ焼けた烙印を押し当てる。
傷口は再び裂け、鮮血が流れ落ちた。
それでも魏無羨は悲鳴を上げない。
むしろ不気味に笑いながら、
「どうせならもっと惨たらしく殺せよ。俺は悪鬼になって呪い続けてやる」
と温氏を睨みつけた。
安魂礼(あんこんれい)を受けていない魏無羨の言葉に、温晁は本気で怯え始める。
温晁はついに魏無羨を“乱葬崗(らんそうこう)”へ連れて行くことを決めた。
乱葬崗――。
そこはかつて古戦場だった場所で、無数の死体と怨念が積み重なった地獄。土を掘れば死体が出ると言われ、生きて入れば二度と出られない場所だった。
藍翼(ラン・イー)から昔その話を聞いていた魏無羨は、眼下に広がる黒い怨気を見つめる。
空にはどす黒い霧が渦巻き、無数の怨霊の叫び声が響いていた。
「ウェイイン、まだ笑えるか?」
温晁はそう言って、魏無羨を乱葬崗へ突き落とす。
魏無羨は真っ逆さまに落下していった。
その途中、乾坤袋(けんこんたい)に入っていた“あの黒い剣”が反応し、怨念が魏無羨の身体を包み込む。
まるで乱葬崗そのものが、魏無羨を見定めているかのようだった。
その頃、温情(ウェン・チン)と温寧(ウェン・ニン)は地下牢へ閉じ込められていた。
魏無羨たちを助けた罪で厳しく罰せられ、温寧は傷だらけになっている。
しかし温寧が心配していたのは、自分ではなく魏無羨のことだった。
「魏公子…大丈夫かな…」
温情はそんな弟を抱きしめながら、苦しそうに目を伏せる。
乱葬崗の底で、魏無羨はゆっくり目を覚ました。
耳元では無数の声が響いている。
“復讐したいか?”
“力が欲しいか?”
“我らと共に来い――”
狂風の中、魏無羨は必死に前へ進む。
すると暗闇の先に、屠戮玄武(とりくげんぶ)の体内で手に入れた黒い剣が浮かんでいた。
怨念が魏無羨を包み込み、復讐を囁き続ける。
魏無羨は血走った目で剣を見つめると、ついにその柄を握りしめた。
そして剣を乱葬崗の地面へ突き刺す。
その瞳には、かつての明るい少年の面影はもうなかった。
それから三ヶ月後。
射日の征戦(しゃじつのせいせん)は急速に広がり、各世家は本格的に温氏へ反撃を開始していた。
聶明玦(ニエ・ミンジュエ)は温旭(ウェン・シュー)を討ち取り、不浄世(ふじょうせ)と監察寮を奪還。藍忘機(ラン・ワンジー)も教化司(きょうかし)を襲撃し、藍氏の剣を取り戻していく。
藍忘機と江澄は温氏の子弟を捕らえ、魏無羨の行方を問い詰めた。
そこで二人は、魏無羨が乱葬崗へ落とされたと知る。
江澄は言葉を失い、藍忘機も顔色を変えた。
さらに藍氏の弟子たちは、訓学で没収されていた魏無羨の佩剣・随便(ずいべん)を持ち帰ってくる。
藍忘機はそれを抜こうとするが、剣は封剣状態となり、持ち主以外には抜けなくなっていた。
藍忘機は静かに随便を握りしめる。
「魏嬰…」
一方、夷陵では温晁と王霊嬌が追い詰められていた。
射日の征戦によって温氏は各地で敗北を重ね、温晁も苛立ちを隠せない。
王霊嬌は毎晩のように悪夢を見るようになっていた。
魏無羨が本当に悪鬼となって戻ってくる――。
そう思うだけで恐ろしく、ついには温晁を見捨てて逃げる決意をする。
彼女は財宝を隠した箱を開くが、そこには血まみれの目玉が入っていた。
絶叫する王霊嬌。
慌てて護符を自分へ貼り付け、恐る恐る箱を確認すると、今度は普通の財宝に戻っている。
「み、見間違い…?」
しかし散らばった宝石を拾い集めていたその時、床に残された“何か”に気づき、王霊嬌は再び顔を引きつらせるのだった…。
つづく
『陳情令』第19話 の感想
『陳情令』第19話は、“全てを失った魏無羨が、夷陵老祖として新たな原点に立つ始まり”を描いた回でした。
これまでの魏無羨(ウェイ・ウーシェン)は、どれだけ辛い状況でも笑って周囲を安心させたり、軽口を叩いたりする人でした。でも第19話では、その明るさの奥にあった痛みや孤独が、一気に限界まで追い詰められていきます。
特に苦しかったのは、江澄(ジャン・チョン)が金丹を取り戻して希望を見出している裏で、魏無羨自身はすでに全てを失っていること。
しかも江澄は、魏無羨が自分の金丹を与えたことを知らないままなんですよね。
山を下りながら「抱山散人が助けてくれた」と嬉しそうにしている江澄を見ると、切なさが本当に苦しい…。魏無羨はそんな江澄を遠くから見守るだけで、自分の苦しみを一切口にしない。その優しさが逆に辛すぎました。
そして温晁(ウェン・チャオ)と王霊嬌(ワン・リンジャオ)の残虐さも、今回はかなり強烈でした。
特に王霊嬌が、玄武洞で負った傷をわざと焼きごてでえぐる場面は本当に見ていてしんどい…。それでも魏無羨が悲鳴を上げず、笑いながら「悪鬼になって呪ってやる」と言い返す姿には、もう以前の“明るい少年”の面影が少しずつ消え始めているように感じました。
そして何より、第19話最大の衝撃はやはり“乱葬崗”です。
黒い怨念に包まれながら落ちていく魏無羨のシーンは、『陳情令』の中でも屈指の転換点だったと思います。
ただ、この回は初見だと少し分かりづらい部分もありました。
特に「なぜ魏無羨だけが乱葬崗で生き残れたのか?」は、ドラマだと説明がかなり控えめなんですよね。
原作や設定を踏まえると、屠戮玄武(とりくげんぶ)の洞窟から持ち帰っていた“黒い剣”が大きく関係しているようです。
あの剣は普通の剣ではなく、強い怨念を宿した異質な法器で、乱葬崗の怨念と共鳴する存在でした。
つまり、
「乱葬崗の怨念」
「黒い剣」
「極限まで追い詰められた魏無羨自身」
この3つが結びついたことで、魏無羨は怨念に飲み込まれるのではなく、“怨念を受け入れる側”へ変化していったんですね。
ラストで魏無羨が黒い剣を握る場面は、単なるホラー演出ではなく、
“正道の修仙”から外れ、
“夷陵老祖”へ進み始めた瞬間
だったのだと思います。
だから乱葬崗の声が「復讐したいか?」と囁く場面も、まるで魏無羨の心の奥にある怒りや絶望を引きずり出しているようで、本当に不気味でした。
でも同時に、あそこまで追い詰められた魏無羨に、「それでも正しくあれ」と言うのは酷すぎる…とも感じてしまいます。
家族を失い、故郷を失い、自分の金丹まで差し出して、それでも最後には誰にも助けてもらえず、地獄へ落とされた。
だからこそ、第19話は“夷陵老祖誕生”の始まりとして、すごく重要で、そして苦しい回だったと思いました。
一方で、藍忘機(ラン・ワンジー)が随便(ずいべん)を抜けなかった場面も印象的でした。
言葉数は少ないのに、「魏嬰、お前はどこにいる」という気持ちが全部伝わってくるんですよね。藍忘機の静かな焦りや不安がすごく切なかったです。
第19話は、爽快感のある回ではありません。
むしろ苦しくて重くて、見ていて胸が痛い回です。
でも、“夷陵老祖”へ繋がる魏無羨最大の分岐点として、絶対に外せない超重要回だったと思います。
『陳情令』第19話 用語解説
乱葬崗(らんそうこう)
夷陵(いりょう)に存在する、強い怨念が渦巻く禁断の地。
かつては仙山だったが、長い戦乱によって無数の死体が積み重なり、“死者の山”となってしまった。
生きて入れば二度と戻れないと言われており、第19話では魏無羨(ウェイ・ウーシェン)がここへ突き落とされる。後の物語を大きく変える重要な場所。
金丹(きんたん)
修仙者(しゅうせんしゃ)が修行によって体内に形成する霊力の核。
剣術や術法を使うために必要不可欠で、修仙者にとっては“命そのもの”とも言える存在。
第19話では、江澄(ジャン・チョン)が金丹を取り戻したことで再び希望を見出すが、その裏には魏無羨の大きな犠牲が隠されていた。
化丹手(かたんしゅ)
温逐流(ウェン・ジューリウ)の異名。
相手の金丹を化かし、霊力を失わせる恐ろしい術を使うことからそう呼ばれている。
江澄が絶望する原因となった存在でもあり、第19話では温晁(ウェン・チャオ)が魏無羨にも同じ苦しみを味わわせようとしていた。
随便(ずいべん)
魏無羨(ウェイ・ウーシェン)の佩剣(はいけん)の名前。
自由奔放な魏無羨らしい名前だが、本人にとっては非常に大切な剣。
第19話では藍忘機(ラン・ワンジー)が抜こうとしても抜けず、“封剣”状態になっていることが判明した。
封剣(ふうけん)
佩剣が主以外に抜けなくなる状態。
修仙界では珍しい現象で、強い意志や特殊な事情が関係していると言われている。
随便が封剣されていたことで、藍忘機たちは魏無羨の身に何か重大な異変が起きていると察することになる。
安魂礼(あんこんれい)
幼い修仙者が受ける儀式。
死後に怨霊化しないよう、魂を安定させる意味がある。
魏無羨は幼少期を放浪していたため、この儀式を受けていない。そのため第19話では、「死ねば悪鬼になって復讐する」と温晁たちを脅す場面にも繋がった。
乾坤袋(けんこんたい)
修仙者が使う収納袋。
見た目は小さいが、中には大量の法器や道具を収納できる便利な霊器。
魏無羨はこの中に、屠戮玄武(とりくげんぶ)の洞窟で手に入れた黒い剣を隠していた。
怨念(おんねん)
強い恨みや憎しみから生まれる負の力。
普通の修仙者は危険視して避けるが、乱葬崗では膨大な怨念が渦巻いている。
第19話ラストでは、魏無羨がこの力へ手を伸ばし始め、“夷陵老祖”へ繋がる大きな転機が描かれた。
射日の征戦(しゃじつのせいせん)
岐山温氏(きざんおんし)討伐のため、各世家が立ち上がった大規模な戦い。
“太陽紋”を掲げる温氏を射落とす、という意味が込められている。
第19話では、藍氏・聶氏・金氏を中心に本格的な反撃が始まり、物語が大きく戦乱編へ突入していった。
教化司(きょうかし)
温氏が各地に設置した支配施設。
表向きは“教化”を目的としているが、実際は各世家を監視・制圧するための拠点だった。
第19話では、藍忘機たちが教化司を襲撃し、温氏への反撃を本格化させていく。
『陳情令』第20話 あらすじ・ネタバレはこちら

