プロの果樹農園をしている親戚から指導のもと、シャインマスカットを育てて4年目。初めてブドウトラカミキリの被害にあいました。
今回は、ブドウの枝の中を食い荒らす「ブドウトラカミキリを駆除する方法」と、効き目があった「農薬」について詳しく紹介しています。
実際に我が家で見つかったブドウトラカミキリの幼虫の動画も公開。ちょっと気味が悪いけれど駆除の参考にしてください。
★被害がよく似ているブドウスカシバの駆除も合わせてお読みください。
シャインマスカットの害虫2★ブドウトラカミキリの農薬と駆除方法/画像で解説
ブドウトラカミキリの被害・症状
10月の終わり、ブドウスカシバの退治が済んでやれやれと腰を下ろし、ぶどう棚をみあげると、明らかに他の枝と違う梢を発見
膨らみがあり、紫黒色のコブのように変色しています。
その膨らみは近くの枝2箇所にありました。
この膨らみは夏の収穫時、枝がまだ青い時に気づいていましたが、今年流行った晩腐病の影響かとほおっておいた箇所です。
ぶどう果樹園を営んでいるプロの叔母に訪ねると、枝の中を食い荒らす「ブドウトラカミキリ」とのこと。
「あわわ、また虫かぁ~」
ブドウスカシバの退治をしたばかりなのに・・・
枝付近一体をくまなく見ましたが、梢が膨らんでいるだけで、ブドウスカシバのような食害の穴や糞尿ゼリーは見当たりません。
ちなみに、ブドウスカシバも枝の中に入り込んで、木の柔らかい部分を食べてしまう幼虫です。叔母の話によると、ブドウトラカミキリはブドウスカシバのように食害穴がないのが特徴です。
ブドウトラカミキリってどんな害虫?
ブドウカミキリの成虫はこちらの写真
叔母の話をまとめてみるとこうです。
う~む。うちの枝も非常に怪しい!!!
ブドウトラカミキリの駆除方法は、剪定と消毒の2種類あります。それでは順に駆除方法を紹介しますね。
剪定での駆除方法
駆除の時期
剪定でブドウトラカミキリの駆除をする時期は1月です。
農家では1月の冬の剪定と同時に駆除を行います。
駆除方法
患部を折って幼虫を見つけて駆除
剪定時に枝を曲げると寄生部が簡単に折れます。不自然に枝が膨らんでいる箇所・紫黒色になっている箇所を探して折ってみましょう。枝の中が空洞になっていたら幼虫の有無を確認します。
見つからない場合、生育中に枯れたと思われる枝も剪定して除去しましょう。
幼虫は枯れた枝の中でも生きています。折った後の枝は放置せずに必ず焼却駆除しましょう。焼却が無理な場合は、ビニール袋などに密閉してごみ処理します。
消毒での駆除方法
消毒時期と駆除方法
消毒での駆除は、ブドウトラカミキリが成虫になる最盛期直後の8月下旬~ 9月上旬に行います。
農薬散布を樹木全体に行います。
果実があり薬剤散布ができない場合は、収穫後又は翌年の発芽前に行います。
使用する農薬
ブドウトラカミキリに効く消毒薬はブドウスカシバと同じ
パダン、フェニックス、スミチオンです。
パダンは専門農家でなければ手に入りにくいので、ブドウスカシバの駆除も行えて一石二鳥のスミチオン乳剤 がおすすめです。1000倍に水で希釈して消毒します。
★簡単な希釈方法はこちら
ブドウトラカミキリの駆除
では早速、怪しい枝の駆除を行っていきます。
1つめの枝に、糸ノコで切り口をいれ力を入れると簡単にばきっ!!
「ありゃ~折れた!!」
折れた枝の中は空洞になってます。これは完璧にブドウトラカミキリの食害です。
折れた反対の枝を見ると
「いたぁぁぁ~」
茶色っぽい幼虫の頭が見えます。動かないので、引っ張り出してみると
動かない。茶色いから老虫? 死んでる?さなぎ?ミイラ?
近くの枝が、ブドウスカシバにやられていたので、ブドウスカシバの「さなぎ」になりかけた幼虫かもしれません。
2つめの枝は、糸ノコを使わずに手で枝をしならせると、簡単にボキッと折れて、びっくり❗
枝の中は虫に食われた木カスがあり、空洞になって乾燥しています。だから、簡単に折れたのですね。
幼虫は見当たりませんが、必ずやつはいるはずです。
ハサミで穴を切り開いてみると、見つけました!!
ブドウトラカミキリの幼虫
こいつがブドウトラカミキリの幼虫です。わわわ・・・動いています。
被害を受けた枝や虫は焼き払って駆除をするよう言われましたが、住宅地なのでビニール袋に密閉、ごみの日に出すことにしました。
傷ついた枝は、ブドウスカシバの時とおなじく、トップジンMペースト で殺菌補修をします。
補修法補は、シャインマスカットの害虫1★木にゼリー状の樹液?ブドウスカシバの駆除と防除方法で詳しく解説しています。
駆除後の予定
周囲の枝を見ましたが他に被害箇所はなさそうなため、来年の1月の剪定時に再度チェック。発芽前の4月と、8~9月にもう一度消毒をする予定です。
まとめ シャインマスカットの害虫2★ブドウトラカミキリの農薬と駆除方法/画像で解説
叔母のような果樹農家の場合、定期的に消毒するためブドウカミキリの発生は少ないそうです。
「おばちゃん、こんなのがいたよ~」
と、ブドウカミキリの動画を見せると、わ~あんまり見ないからびっくりと、驚いていました。
無農薬で育てている家庭栽培の場合、ブドウカミキリは大量発生しやすく発見が遅れてしまうため、せっかく育てたぶどうを枯れさせてしまう事が多いようです。
少々手がかかりますが、虫の発生時期には、枝の健康をチェックと、定期的な消毒が必要です。それでは、がんばって美味しいぶどうを実らせましょう(*^^*)
ブドウカミキリの駆除法は、木の皮を剥くことでも抑えられます。
詳しいぶどうの粗皮削りの方法は、こちら↓