第19話では、それぞれの想いが大きく動き出し、人間関係と陰謀が一気に交錯していきます。
酔った梅逐雨と武祯の距離が一瞬だけ近づく一方で、裴季雅は着実に外堀を埋めるように動き、三人の関係はより複雑に。さらに梅四が柳太真の本当の姿を知り、これまでの恐れやすれ違いを乗り越えようとする姿が描かれます。
その裏では、裴季雅の仕掛けた策が本格的に動き出し、香や陣を使った罠が張り巡らされていきます。武祯もまたそれを見抜き、静かに反撃の準備を進めていました。
そして物語は、臨安江での対決へ。
それぞれの想いと駆け引きがぶつかり合い、戦いはついに避けられない局面へと進んでいきます。
それでは、『子夜帰』第19話のあらすじ(ネタバレあり)を紹介していきます。
※誤訳があったらごめんなさい。画像出典:公式SNS
『子夜帰 19』主な登場人物
武祯(ぶてい)
演:Tian Xiwei(ティエン・シーウェイ)
妖市の「猫公」です。第19話では、裴季雅の正体を見極めるため、表向きは彼と親しく行動します。しかし実際には无字书と組み、臨安江で裴季雅を罠にかける計画を進めていました。梅逐雨を救うために自ら動く場面も描かれます。
梅逐雨(ばい・ちくう)
演:Xu Kai(シュー・カイ)
玄鉴司の司使です。第19話では、酔った姿を武祯に見せ、普段とは違う無防備な一面が描かれます。その後、武祯が裴季雅と出かけたことを知り、彼女の身を案じて臨安江へ向かいます。裴季雅の罠にかかり、香と陣により術を封じられて苦戦します。
裴季雅(はい・きが)
武祯と幼い頃から一緒に育った人物です。第19話では、国公府へ聘礼を送り、武祯との関係を既成事実にしようとします。また、臨安江で梅逐雨をおびき寄せ、香と陣を使って追い詰めます。武祯への想いは執着に近くなり、危険な本性がはっきりしてきます。
无字书(むじしょ)
妖市に関わる存在です。第19話では、武祯と密かに協力し、巻物に化けて裴季雅の前に現れます。裴季雅を圧倒する力を見せる一方で、武祯が裴季雅と行動していることに嫉妬し、体内の残魂の影響も強まり始めます。
梅四(ばいし)
本家梅家の若様で、梅逐雨のいとこです。第19話では、柳太真を心配して鹭尾山へ向かいます。柳太真の本来の姿を見て一度は驚いて逃げますが、すぐに戻り、水や桑の葉を持って看病します。また、偽の蛇妖として見世物にされていた女性を助けようとする優しさも描かれます。
柳太真(りゅう・たいしん)
妖市の「蛇公」です。第19話では、脱皮のため弱った姿で登場します。本来の蛇の姿を梅四に見られ、一度は彼に逃げられて傷つきますが、戻ってきた梅四の優しさに心を動かされます。梅四との関係が大きく進む回です。
玄虺(げんき)
梅四が連れ歩いている小さな黒へびの妖です。第19話では直接の大きな活躍は少ないものの、梅四と柳太真の関係や、蛇妖に関する流れの背景に関わる存在です。正体が大妖であることは、梅四にはまだ知られていません。れた過去を持ち、その思い入れは非常に強いです。第18話では白茶樹を失い深く悲しみますが、武祯によってその想いを形として残されます。
『子夜帰』第19話 あらすじ ネタバレ

前夜、酒席のあと――
武祯は静かに梅逐雨のそばに座っていた。
梅逐雨はかなり酒に酔っているにもかかわらず、他の者のように騒ぐこともなく、ただ酒壺を胸に抱え込んだまま黙っている。その姿はどこか無防備で、普段の冷静沈着な彼とはまるで違って見えた。
武祯はそんな彼を愛おしそうに見つめながら、そっと支え、部屋へと連れていく。
するとその途中、梅逐雨はふいに彼女の袖を掴み、顔を上げてじっと見つめる。そしてぽつりと「お前は、木から落ちた果のようだ」と呟く。
それは二人の出会いを暗示する言葉だった。
武祯の脳裏には、初めて彼と出会った時の記憶がよみがえる。
一瞬、時間が止まったような静けさが流れるが、次の瞬間には梅逐雨は力尽きたように武祯に身を預け、そのまま眠り込んでしまう。
言葉にはならなかった想いだけが、その場に残された。
その頃、梅四(ばいし)は柳太真(りゅう・たいしん)の身を案じ、一人で鹭尾山へ向かっていた。
屋敷で横たわる柳太真は顔色が悪く、衰弱した様子で「早く帰れ」とだけ告げる。しかし梅四は引き下がらず、ふと寝台のそばに伸びる蛇の尾を目にしてしまう。
以前、柳府で見た蛇妖の記憶がよぎり、「何かに取り憑かれているのではないか」と思い込んだ梅四は、思わず布団をめくる。
だがそこにあったのは、取り憑かれている姿ではなく――
柳太真自身の“本来の姿”、巨大な蛇の姿だった。
予想もしなかった現実に、梅四は恐怖で声を失い、そのまま逃げ出してしまう。
残された柳太真は、その背中を見つめながら、かつて自分の正体を知って去っていった男のことを思い出し、静かに心を痛める。
しかし夜になると、再び戻ってきた梅四は、水桶と籠いっぱいの桑の葉を抱えていた。
書物で調べ、「蛇は脱皮の時に弱る」と知り、薬草を探し回った結果だった。
見つからなかった薬の代わりに、せめて役に立ちそうな桑の葉だけでも――
その不器用でまっすぐな優しさに、柳太真は言葉を失う。
恐れながらも自分を助けようとするその姿に、彼女の中で何かが確かに変わり始めていた。
翌朝――
武祯は裴季雅とともに外出し、その様子は周囲から「婚約が近いのでは」と噂される。
梅逐雨のもとにもその話は届き、同僚たちは「本気ならもっと行動すべきだ」と煽る。
しかし梅逐雨は静かに「心配しているのは、彼女が誰かを選ぶことではない」と答える。
「恐れているのは、彼女が誤った相手を選ぶことだ」
その言葉には、裴季雅への強い警戒が込められていた。
一方、武祯と裴季雅は馬車に乗り、郊外へ向かう。
裴季雅は彼女の様子がどこか上の空であることに気づき、気を引こうと提案するが、武祯は行き先を臨安江へと変える。
その行動は偶然ではなかった。
実は武祯はすでに裴季雅の正体に気づいており、无字书と共に彼を追い詰める計画を立てていたのである。
その頃、无字书は武祯が裴季雅と行動を共にしていることに複雑な感情を抱いていた。
嫉妬と、体内の残魂の影響が重なり、一瞬その表情に異変が現れる。
しかし武祯の前ではそれを隠し、「昭明鏡」を手渡す。
武祯もまた何も言わず、それを受け取り、さらに協力を求める。
梅四は柳太真の枕元に一晩中付き添って看病した。
目を覚ますと、桑の葉はほんの少ししか残っていなかったので、再び、水と薬草を探しに出かける。
再び山を下りる途中で、村で「蛇妖」として見世物にされている女性を見つける。
だがその正体は妖ではなく、人間の女性だった。
男たちが彼女を脅し、妖に仕立て上げて金を稼いでいたのである。
梅四は彼女を助けようとするが、逆に捕らえられそうになる。
しかし女性の助けもあり、二人は逃げ出すことに成功する。
その裏では、柳太真が密かに術を使い、男たちを制圧していた。
柳太真は、梅四の帰りが遅いので、様子をこっそり見に来ていたのだ。
助けられた女性は梅四に想いを寄せるが、彼は「待っている人がいる」とはっきり断る。
その言葉を柳太真は静かに聞いていた。
梅四が帰ると柳太真は美しい大蛇の姿で待っていた。梅思は以前は妖怪を恐れていたが、蛇妖の手記を読んでからはもう恐れない、彼女への真の愛を告白する。
彼女の妖の姿を受け入れ、恐れではなく共に生きたいという想いを伝えた。
その頃、裴季雅はさらに周到な策を進めていた。
武祯と共に行動しながら、裏では国公府に正式に結納品を公爵の屋敷に届け、婚約を既成事実として固めようとしていたのである。
臨安江で2人きりでプロポーズすると知った梅逐雨は、武祯の身を案じて臨安江へ向かう。
しかしそれこそが、裴季雅の仕掛けた罠だった。
臨安江――
静かな水面に、すでに異変は広がっていた。
裴季雅は香炉に秘香を焚き、術を封じる罠陣を展開する。
さらに石を操り、人の姿をした刺客のように変えて梅逐雨へ襲いかからせる。
香の影響で術を封じられた梅逐雨は、本来の力を発揮できず、苦戦を強いられる。
その様子を見た武祯は、もはや芝居を続けることをやめる。
手にしていた巻物を裴季雅へ投げつけ、そのまま川へ飛び込む。
次の瞬間――
その巻物は人の姿へと変わる。
現れたのは、无字书だった。
すべては最初から仕組まれた罠だったのである。
无字书は圧倒的な力で裴季雅を押さえ込み、武祯は梅逐雨をすくうために川へ飛び込む。
武祯は陣の中で再び合流し、梅逐雨を穴の中から引き上げるが、石の攻撃はすさまじい。
それでもなお抵抗する裴季雅に対し、无字书は冷静に一撃を加え、彼を気絶させるのだった。
こうして、これまで水面下で進んでいた陰謀は、ついに表へと現れ始める。
しかし、まだ裴季雅の敷いた陣は破れない。
2人はすさまじい石の攻撃を避けながら森の奥へ進んでいく。
裴季雅の正体、武祯たちの策略、そしてそれぞれの想い――
すべてが交差し、物語は大きく動き出していく。
つづく
『子夜帰』第19話 の感想
第19話は、恋愛・陰謀・人間関係が一気に動いた回でした。
特に、武祯・梅逐雨・裴季雅の三人の関係が、はっきり対立してきたのが印象的でした。
まず良かったのが、梅逐雨の酔ったシーンです。
武祯が戻ってきてくれてよかった。
やっぱり、梅逐雨の事が好きなのですね~
一方で、裴季雅はもう完全に危ない側の人ですね。
・勝手に結納品を送りつけて関係を既成事実にしようとする
・香と陣を使って梅逐雨を追い込む
・石を操って攻撃させる
ここまで来ると、ただの恋敵ではなく完全に敵です。
武祯を手に入れたいだけで、黒魔術を使っているのか?
それだけじゃない目的がありそうにも感じます。
結局、師匠と呼ぶ黒い服の人に、いいように利用されているようにも見えます。
愛のために、自分から危ない方へ進んでいるようにも見えて怖いです。
そして今回かなり印象に残ったのが、梅四と柳太真の関係です。
一度は正体を見て逃げてしまうのに、ちゃんと戻ってきて看病するところ。
あれが梅四らしくて、すごく良かったです。
さらに、偽の蛇妖の女性を助ける話も印象的でした。
あそこで「待っている人がいる」とはっきり言うのも良かったですし、
それを柳太真が見ているという流れも良い演出でした。
梅四の誠実さに、やっと柳太真も心を開いた感じでしたね。
そして、柳太真が脱皮をしていた別宅、綺麗でしたね~
美術スタッフすごい…!
水辺に建つ渡り廊下、そこに並ぶ灯柱
薄墨色の青や赤の薄い布が風に揺れているあの空間――
妖しい雰囲気がすごく良くて、見ていて引き込まれました。
最近の中国時代劇って本当に映像が綺麗ですよね。
CGも使っていると思うのですが、とにかく自然で違和感がないです。
柳太真が大きな木に座って、自分の蛇の尾を絡ませているシーンもすごく綺麗でした。
ああいう“妖らしい美しさ”の表現、本当に上手だなと思います。
それと細かいところですが、武祯の屋敷のシーンも良かったです。
梅逐雨が目を覚ましたときの、風で揺れるベッドのカーテン。
ああいう布の柄や色も、派手じゃないのにすごくセンスがあって印象に残ります。
古風なんだけど、どこか新しい感じで、
こういう細かいところまでこだわっているのがすごいなと思いました。
そして最後の石との戦いのシーンも、とても見応えがありました。
シューカイの太刀演技が光ります。
動きの迫力やスピード感がすごくて、緊張感のありました。
あのまま戦いの途中で終わるのがまたずるいですよね(笑)
完全に「続きが気になる終わり方」で、次回が楽しみです。
その中でも特に印象的だったのが、无字书の戦い方です。
無数の白紙となって広がり、裴季雅に襲いかかるあの演出は本当にかっこよかったです。
白い装束と舞う紙の組み合わせが美しくて、
その上に立つ姿はまるで天から降りてきたような王子様的存在感でした。
一気に押さえ込む流れもスカッとして、「やっちまえー!」と思わず応援してしまいました。
一方で、无字书の内面はやはり気になります。
黒い煙に包まれて「戻ってこい」と呼ばれる場面は、
おそらく無化骨(むかこつ)による「邪煞詭嬰(じゃさつきえい)」の影響だと思いますが、完全に振り切れていない感じがして少し怖かったです。
武祯への想いが強い分、揺らいだときの反動も大きそうで、
この先どうなるのか不安と期待が入り混じります。
このまま踏みとどまってほしいなと、自然と思ってしまうシーンでした。
全体として第19話は、
・梅逐雨と武祯の距離が少し近づく
・裴季雅が完全に敵になる
・无字书の不安定さが強まる
・梅四と柳太真の関係が進む
という、かなり大事な回だったと思います。
ストーリーだけでなく、映像の美しさも含めて、とても見応えのある回でした。
次回の展開もかなり気になります。
『子夜帰 19』用語解説
香陣(こうじん)
香と陣法を組み合わせた術。香を焚くことで陣が発動し、相手の動きを封じたり術の力を弱めたりする。第19話では裴季雅がこれを使い、梅逐雨を閉じ込めて追い詰める罠として仕掛けている。
困陣(こんじん)
対象を一定の範囲に閉じ込める結界。外へ逃げることができなくなり、術の発動も制限される。梅逐雨はこの困陣によって本来の力を発揮できない状態に追い込まれる。
昭明鏡(しょうめいきょう)
妖や邪気の正体を見抜く力を持つとされる古い鏡。无字书が妖狱から持ち出した重要な道具であり、武祯の行動を支える鍵となる存在。
石傀(せきかい)
石に術を施して動かす傀儡。術者の意志によって動き、攻撃や妨害を行う。第19話では裴季雅がこれを操り、梅逐雨を足止めするために使用している。
臨安江(りんあんこう)
第19話の舞台となる水辺の場所。人目につきにくく、術や罠を仕掛けるのに適した場所。武祯・梅逐雨・裴季雅が対峙する重要な場面の舞台となる。
画舫(がぼう)
水上に浮かぶ屋形船。第19話では武祯と裴季雅が乗る場として登場し、穏やかな雰囲気の裏で罠と駆け引きが進む重要な舞台となっている。
無字書の術(むじしょのじゅつ)
无字书が使う独特の術。身体を無数の紙のように変化させ、攻撃や拘束を行うことができる。第19話では裴季雅を圧倒する場面で使われ、その強さが際立つ。
『子夜帰』第20話 あらすじはこちら
