第27話では、武祯(ぶてい)と梅逐雨(ばい・ちくう)の穏やかな時間の裏で、少しずつ疑いとすれ違いが広がっていきます。これまで「偶然」として流してきた出来事に違和感を抱いた梅逐雨は、ついに武祯の秘密に踏み込もうとします。
一方で武祯は、自分の運命と向き合いながらも、梅逐雨と過ごす日々の中で大きく心を揺らしていきます。さらに无字书(むじしょ)の執着も一段と強まり、それぞれの想いが静かに衝突し始めます。
幸せな時間と不安が入り混じる中で、三人の関係が大きく動き出す重要な一話です。
※誤訳があったらごめんなさい。画像出典:公式SNS
『子夜帰 27』主な登場人物
武祯(ぶてい)
演:Tian Xiwei
猫公として人と妖の間に立つ存在。体の不調を抱えながらも、夫の梅逐雨との時間を大切に過ごしています。当初は別れを覚悟していたものの、子どもとの触れ合いをきっかけに「人として生きる」気持ちが強くなっていきます。
梅逐雨(ばい・ちくう)
武祯の夫。冷静に物事を見る人物で、ついに武祯への疑いを強めていきます。陣を使って確かめようとしますが、最後の一歩を踏み出せず、愛情との間で揺れている様子が描かれました。
无字书(むじしょ)
武祯に強い執着を持つ存在。彼女を完全な妖へと変えようとし、そのためなら手段を選ばない姿勢がはっきりしてきました。武祯の心が梅逐雨へ傾いていることに強い怒りと憎しみを抱いています。
霜降(そうこう)
梅逐雨の仲間。師兄たちの世話をしながらも、梅逐雨への疑いに反発し、強くかばう姿が印象的でした。誠実で情に厚い人物です。
柳太真(りゅう・たいしん)
妖でありながら人の情を理解する女性。武祯に対して現実的な忠告を与えつつ、自身もまた人との関係に揺れる立場にあります。
梅四(ばいし)
明るくお調子者な一面を持ちながらも、柳太真への想いはとても一途。結婚を選ばない決断など、愛情の深さが伝わる場面が描かれました。
长明(ちょうめい)
常曦宮の掌門。妖市攻略を試みますが罠にかかり、思うように動けない状況に。物語の裏で進む対立の一端を担っています。
灰长老(かいちょうろう)
妖側の長老的存在。无字书の行動に疑問を持ちながらも、その真意を探ろうとしています。
凌霄(りょうしょう)
柳太真の側近的な存在で、妖側の動きを探る人物。天師の行方を追っており、今後の衝突の鍵を握る存在です。大きく貢献している人物です。今後の妖市攻略において重要な役割を担います。
『子夜帰』第27話 あらすじ ネタバレ

その夜、梅逐雨(ばい・ちくう)が帰宅すると、武祯(ぶてい)は灯りの下で静かに書を読んでいた。これまでの彼女らしくない落ち着いた様子に、梅逐雨はふと違和感を覚える。その姿はどこか“作られた静けさ”のようにも見えた。
やがて武祯が眠りにつくと、梅逐雨は横で目を閉じたまま考え込む。これまで妖が現れるたびに、なぜか武祯と出会っていたことを思い出す。以前はただの偶然だと思っていたが、今になって振り返ると出来すぎている。霜降(そうこう)から聞いた話も頭をよぎり、疑念は消えないままだった。
そこで梅逐雨は、翌日、自分を玄鑑司まで迎えに来るよう武祯に頼む。武祯は特に疑うことなく、それを受け入れる。
翌日、日が暮れる頃。梅逐雨は玄鑑司に残り、他の者たちをすべて帰らせる。そして一人、陣法の中央に立ち、武祯を待っていた。
しばらくして武祯(ぶてい)が現れる。ゆっくりと歩み寄り、陣の中へ足を踏み入れようとする――その瞬間、梅逐雨の中で迷いが生まれる。もしここで彼女が妖であれば、正体が暴かれてしまう。
一瞬のためらいの後、梅逐雨は思わず声を上げて武祯を止める。
二人が入口のほうへ戻った直後、陣の一角にあった鎮石が突然崩れ落ちる。武祯は咄嗟に梅逐雨を引き寄せ、危険から守る。
だが実際には、この陣はすでに武祯が密かに細工していたものだった。自分の正体が露見するのを防ぐため、あらかじめ機構を壊していたのである。しかし梅逐雨はその事実に気づかず、ただ武祯に助けられたと思い、彼女への想いをさらに強めるのだった。
一方その頃、長明は弟子たちを連れて妖市の入口を開こうとしていた。しかしその動きを読まれており、待ち伏せに遭う。不気味な毒煙が一気に広がり、彼らは危険な状態に陥る。
この毒煙はただ命を奪うだけでなく、天師の体に特殊な“匂い”を残すもので、その後も妖に追跡され続ける厄介なものだった。
しかし梅逐雨は、この作戦が簡単に成功しないことを見越していた。事前に霜降(そうこう)に命じて馬車を待機させ、さらに身を隠せる別邸も用意していたため、長明たちは辛うじて撤退し、そこで療養することになる。
武祯(ぶてい)は天師たちの行方を追うが見つけることができず、やむなく妖市へ戻る。そこで无字书(むじしょ)が、自分を完全な妖に変えようとしている計画を知る。
しかもそれは、百年もの間、閉じこもって新しい身体へと作り替える必要があるというものだった。
武祯はすぐに无字书のもとへ向かい、問い詰める。
「これは復讐ではないのか」と。
百年の閉関――それはつまり、梅逐雨と引き離すことを意味するからだ。
しかし无字书は表情を変えない。
武祯の今の身体はすでに限界に近く、このままではいずれ崩れてしまうと告げる。そして新しい身体はすでに用意してあると語る。
さらに彼は続ける。
これまでの十八年、二人は共に「完全な妖になる」ことを目指してきたはずだと。
それなのに、なぜ今になって人間との愛を選ぶのか。
人と妖の関係に未来はない――そう言い切る。
その言葉に、武祯は何も言い返せず、その場を去る。
その後、灰長老が无字书のもとを訪れる。小妖を解き放ち、人間を妖市に引き入れる行動が、個人的な感情によるものなのか、それとも妖市のためなのかを問いただす。
无字书は迷いなく「すべては妖市のためだ」と答えるが、その裏にある本心は明らかだった。

武祯(ぶてい)が家に戻ると、梅逐雨(ばい・ちくう)が彼女のために肉を焼いていた。何気ない穏やかな光景。しかし武祯にとっては、この時間がもう長くは続かないことを意味していた。
彼女は胸の奥にこみ上げる寂しさを抑えきれない。
梅逐雨もまた、その表情の変化に気づき、どこか探るような視線を向ける。
それから数日間、二人はこれまで以上に一緒に過ごすようになる。周囲から見れば仲睦まじい夫婦そのものだったが、武祯だけは、その時間が限られていることを知っていた。
一方、別邸に身を隠している師兄たちは、陣の失敗によって体に残った匂いのせいで外に出られずにいた。霜降は毎日食事を運ぶが、感謝されるどころか、一部の者たちは梅逐雨が妖と通じているのではないかと疑い始める。
その言葉に霜降は激しく怒り、梅逐雨をかばって言い返した後、その場を去る。
梅四(ばいし)は一人、部屋で柳太真(りゅう・たいしん)の肖像画を見つめていた。そこへ黄毅が訪れ、婚約を断ったことを褒め称え、他の女性の絵をいくつも持ってくる。しかし梅四の目は一度もそれらに向かず、ただ柳太真だけを見続けていた。
その頃、武祯(ぶてい)の叔母が都に戻り、国公府では宴が開かれていた。
柳太真は武祯に近づき、凌霄(りょうしょう)が天師の行方を探っていることを伝える。これ以上動けば危険だと警告し、さらに武祯と梅逐雨の関係がすでに広く知られていることも指摘する。
その最中、武祯が腰をさする仕草を梅四に見られ、「医者を呼ぼうか」と心配される。思わぬ一言に、武祯と梅逐雨は気まずい空気に包まれる。
宴の途中、親戚の子供が梅逐雨の部屋に入り込み、暴れ始める。
梅逐雨(ばい・ちくう)は冷静に符を描き、子供を落ち着かせると、そのまま文字を書かせる。
様子を見に来た母親はその光景に驚き、梅逐雨の落ち着いた対応に感心する。
その温かな光景を見て、武祯の心は大きく揺れる。
妖として生きるのではなく、このまま人として、梅逐雨と共に生きる道。
そして、いつか子どもを持つ未来――
彼女の中で、その願いがはっきりと形になり始めていた。
しかしその変化は、すぐに无字书(むじしょ)の耳に入る。
武祯が“妖になることをやめようとしている”と知った瞬間、彼の中で何かが決定的に崩れる。
そして同時に、梅逐雨(ばい・ちくう)への激しい憎しみが膨れ上がっていくのだった。
『子夜帰』第27話 の感想

いやー、今回はかなり“気持ちの揺れ”が大きい回でしたね。
派手な展開というより、それぞれの想いが少しずつぶつかってきて、見ていて落ち着かない回でした。
まず梅逐雨(ばい・ちくう)。
ここにきて、完全に武祯(ぶてい)を疑い始めましたね。これまでは偶然で片づけていたことを、きちんとつなげて考え始めている。妖が現れるたびに武祯がそばにいる、その不自然さにやっと気づいたという感じでした。
玄鑑司でのシーンも印象的でした。
陣の中に武祯を入れれば真実が分かるはずなのに、直前で止めてしまう。疑っているのに、決定的なところまでは踏み込めない。その迷いがよく出ていました。
疑いながらも踏み込まないのは、やっぱり愛しているからなんでしょうね。
知ってしまったら、今の関係が壊れてしまうかもしれない。その怖さが伝わってきました。
そして无字书(むじしょ)。
武祯を守るというより、自分の元に留めるために動いているのがはっきりしました。全妖にする計画も、百年閉じ込めるという時点でかなり極端で、執着の強さが怖くなってきました。
そんな重い流れの中で、やっぱり印象に残ったのは梅逐雨と武祯の時間ですね。
抱きしめあって、気持ちを確かめ合う二人の姿はとても美しかったです。見ていて素直にいいなと思える場面でしたし、正直、シューカイファンとしてはちょっとうらやましい気持ちにもなりますね。
ただその一方で、武祯は「百年閉じ込められる」ということを知らないままでも、すでに別れを覚悟しているような行動をとっているのが少し残酷にも見えました。自分の中では決めているのに、それを梅逐雨に伝えないまま一緒に過ごしている。その時間が優しいぶん、どこか切なさがありました。
しかし、その気持ちが大きく揺れたのが、あの子どものシーンでしたね。
梅逐雨が自然に子どもと向き合い、穏やかに接している姿を見て、武祯の中で何かが変わったのがはっきりと伝わってきました。
それまで覚悟していた「別れ」よりも、
一緒に生きる未来のほうを選びたい――
そう思い直した流れがとても良かったです。
ただの恋愛ではなく、「この人と人生を歩みたい」と決めた瞬間に見えて、すごく印象に残る場面でした。
それから、ちょっと笑ってしまったのがあの場面。
武祯が腰をさする仕草を梅四(ばいし)に見られて、「医者を呼ぼうか」と本気で心配されるところ。
こういうの、中国ドラマではよくある“あるある”ですよね。夫婦が仲良く過ごした翌日に腰が痛い、というあの流れ。そこを何も考えずにストレートに心配する梅四が、いかにも彼らしくて面白かったです。
しかも武祯があっさり「夜だけじゃなくて昼間もよ」と柳太真(りゅう・たいしん)に言ってしまうのも、さっぱりしていて逆に笑ってしまいました。ああいう遠慮のなさも武祯らしいところですね。
全体として今回は、
穏やかな時間と不穏な空気が同時に進んでいく回でした。
幸せそうに見える分、その裏で進んでいるすれ違いや選択がより際立っていて、これからどうなるのか本当に気になる展開でした。
『子夜帰 27』用語解説
全妖(ぜんよう)になる
人としての部分を完全に捨て、完全な妖として生きる状態のこと。
武祯(ぶてい)は今、「人」と「妖」の力がぶつかり合っているため、このままでは体がもたない状況にあります。无字书(むじしょ)は解決策として全妖化を進めますが、それは人としての人生や梅逐雨との未来を失うことでもあります。
皮囊(ひのう)
肉体・器のことを指す言葉。
この物語では、妖が使う「身体」の意味合いで使われています。武祯の今の身体は限界に近づいており、新しい身体へと移る必要があると无字书は語っています。
妖市(ようし)
人間の長安の街と重なるように存在している、妖たちの世界。
出入りできる場所は限られており、人には見えないもう一つの世界です。天師側と妖側の対立の中心となる重要な場所です。
玄鑑司(げんかんし)
妖や怪異を調査・取り締まる役所のような組織。
梅逐雨(ばい・ちくう)が所属しており、人の世界から妖に対抗する立場にあります。
陣(じん)/陣法(じんぽう)
特定の配置や術によって発動する仕組み。
今回梅逐雨が使おうとした陣は、「妖であれば正体を現す」ものです。武祯は自分の正体が露見するのを防ぐため、あらかじめその陣を壊していました。
天師(てんし)
妖を討つことを役目とする術者たち。
常曦宮(じょうぎきゅう)とも関係があり、人間側の戦力として動いています。今回、妖市を探ろうとして逆に罠にはまり、追跡される危険な状態になりました。
毒煙(どくえん)
妖側が仕掛けた罠の一つ。
吸い込むと命に関わるだけでなく、天師の体に特殊な匂いを残し、妖に位置を特定されやすくする厄介なものです。
雄黄(ゆうおう)
古くから中国で使われてきた薬で、毒除けや邪気払いの効果があるとされます。
この物語では、妖にとっては強いダメージを与えるものとして描かれており、柳太真(りゅう・たいしん)たちが体調を崩した原因でもあります。
符(ふ)
紙に術式を書き込んだもので、さまざまな効果を発揮します。
梅逐雨は子どもを落ち着かせるために使っており、妖を抑えたり、心を静めたりする働きがあります。
『子夜帰』第28話 あらすじはこちら
