第26話では、武祯(ぶてい)の体に起きている異変をきっかけに、物語が一気に不穏な方向へと動き出します。猫公の力を使い続けた代償として、「人」と「妖」の間で揺れる状態に陥った武祯は、ある重大な選択を迫られることに。
一方で、梅逐雨(ばい・ちくう)はこれまで感じていた違和感を無視できなくなり、武祯の秘密に少しずつ近づいていきます。さらに无字书(むじしょ)は、武祯を手放さないために危険な手段へと踏み出し、それぞれの思惑が大きく交錯していきます。
恋愛だけでは収まらない関係の揺らぎと、人と妖の対立が本格的に動き始める重要な一話です。
それでは、第26話のあらすじ(ネタバレ)を紹介していきます。
※誤訳があったらごめんなさい。画像出典:公式SNS
『子夜帰 26』主な登場人物
武祯(ぶてい)
演:Tian Xiwei
猫公として人と妖の間に立つ存在。力を使いすぎたことで体に異変が起きており、「人として生きるか、妖になるか」という大きな選択を迫られています。梅逐雨への想いは揺らいでいませんが、その裏で無字书との関係や自身の秘密が複雑に絡み始めています。
梅逐雨(ばい・ちくう)
武祯の夫であり、玄鑑司に関わる立場。冷静に状況を見極めながら行動する人物で、今回ついに武祯の“違和感”に気づき始めます。妖市の入口を突き止めるなど核心に近づく一方で、武祯への想いと疑念の間で揺れ始めています。
无字书(むじしょ)
武祯と長い時間を共にしてきた存在。彼女への執着は非常に強く、今や守るというより「手放さない」方向へと変わりつつあります。武祯を完全な妖に変えようとし、物語の中でも危険な立場へと進んでいます。
柳太真(りゅう・たいしん)
強い力を持つ妖でありながら、人の情にも深く関わる存在。梅四との関係においても、感情を抑えきれない場面が増えてきます。武祯に対しても忠告を与えるなど、周囲をよく見ている人物です。
梅四(ばいし)
梅逐雨の身近な存在で、明るくコミカルな役どころですが、今回見せた想いはとても深いものでした。柳太真を想いながらも、自分から距離を取る選択をするなど、意外な一面が描かれます。
霜降(そうこう)
梅逐雨の仲間であり、行動を共にする人物。今回、斛珠や武祯に関する重要な情報を握っており、思わず本音を漏らしてしまう場面も。物語の鍵を握る立ち位置にいます。
斛珠(こくじゅ)
如意楼に関わる女性。普段は人として振る舞っていますが、妖である可能性が強く示唆されています。霜降が目撃した「猫を抱えて消える」場面が、物語の大きなヒントとなっています。
玄虺(げんき)
これまで黒い蛇の姿で登場していた妖。今回は人の姿で登場し、梅四や柳太真に関わる場面で動きます。意外と気が利く一面があり、二人の関係をつなぐきっかけも作りました。
赤华(せきか)
梅逐雨の師兄の一人。妖市の結界を解く方法を見つけるなど、実務的に大きく貢献している人物です。今後の妖市攻略において重要な役割を担います。
『子夜帰』第26話 あらすじ ネタバレ

夜更け、武祯(ぶてい)は眠りの中で突然の激痛に襲われる。胸の奥で何かがせめぎ合うような苦しさに顔を歪め、耐えきれずに目を覚ます。呼吸も乱れ、立っているのもやっとの状態のまま、彼女は誰にも気づかれぬよう静かに屋敷を抜け出し、ふらつきながら妖市へと向かう。
しかしその一部始終を、梅逐雨(ばい・ちくう)は見ていた。
彼は眠っているふりをしながら、武祯の異変と行動を静かに観察していたのである。
妖市に辿り着いた武祯は、すぐに无字书(むじしょ)のもとへと導かれる。无字书は集中して彼女の治療を行うが、その最中、意識が朦朧とした武祯の口から、思わず「梅逐雨」の名がこぼれる。その一言に、无字书の動きが一瞬止まる。
やがて无字书は静かに口を開く。
武祯の体内では、今「二つの力」がぶつかり合っているという。それは猫公としての妖の力と、人としての部分が拮抗している状態であり、原因は猫公の力を使いすぎたことにあると断じる。このままではいずれ均衡が崩れ、命にも関わる危険がある。
そしてその解決策として示されたのは、極めて重い選択だった。
人としての部分を捨て、完全な妖になること。
无字书は、すでにその方法を見つけていると告げる。
その言葉は、武祯の未来を大きく変えるものだった。

その後、武祯(ぶてい)は何事もなかったかのように帰宅する。
屋敷では梅逐雨(ばい・ちくう)が灯りをともして待っていた。静かに「どこへ行っていた」と問われ、武祯はわずかに間を置きながら「如意楼へ行っていた」とだけ答える。
そのとき、梅逐雨はふと窓の外に異様な気配を感じる。視線を向けると、そこには无字书(むじしょ)の姿があった。武祯の様子を窺うように、じっとこちらを見ている。
次の瞬間、梅逐雨は武祯を引き寄せ、そのまま強く抱き寄せて口づける。
それは无字书に向けた明確な意思表示だった。言葉はなくとも、「彼女は自分のものだ」と宣言するかのような行動。
その様子を目の当たりにした无字书は、何も言わずその場を離れる。怒りと悔しさを押し殺しながら。
妖市へ戻った无字书(むじしょ)は、静かに過去を思い返していた。
武祯と過ごしてきた長い年月。彼女に猫公としての在り方を教え、常にそばで守り続けてきた日々。その積み重ねは、すでに彼の中で切り離せないものとなっていた。
しかし武祯は、人の世界を望んだ。
長安での暮らし、感情、日常――そうした「人としての生」を選んだ。
どれほど想いを注いでも、その願いには届かなかった。
守り続けた時間と、彼女が選んだ未来の間にある隔たり。
それが、无字书の中で静かに歪みを生んでいく。
翌朝、梅逐雨は師兄たちとともに、再び荒れ果てた廃墟へ向かう。
前日に妖気が消えた場所を丁寧に調べていくと、枯れ井戸や崩れた壁の奥に、かすかながらも不気味な気配が残っていることに気づく。
彼はここが妖市の入口である可能性が高いと確信する。
一方で三師兄・赤华(せきか)も独自に探索を続けており、ついに妖市の結界を破る方法にたどり着く。
人間側も着実に準備を進めていた。
その頃、梅府では別の出来事が起きていた。
柳太真(りゅう・たいしん)は、梅四(ばいし)が病に倒れたと聞き、急いで駆けつける。しかし到着すると、梅四は庭で元気に遊んでおり、すぐに嘘だったと気づく。怒りをあらわにしようとしたその時、庭で使用人たちが雄黄を撒き始める。
妖にとって毒となるその粉が風に乗って広がり、柳太真と玄虺(げんき)は一気に体調を崩す。
止めようとした梅四は転倒し、その際に毒蛇に噛まれてしまう。
彼は痛みに耐えながら柳太真を室内へ運び込むが、自身の足にも激しい痛みを感じる。確認すると、そこにははっきりと蛇の牙の跡が残っていた。
柳太真は本来なら術で治療できたが、周囲に人がいるためそれができず、医者を呼ぶしかなかった。その間、彼女は部屋の壁に飾られた無数の自分の肖像画に気づく。すべて梅四が描いたものだった。
その想いの深さに、言葉を失う。
そこへ梅父が現れ、幼い頃からの婚約の話を持ち出す。二人に結婚を急がせようとするが、梅四ははっきりと拒否する。それは柳太真のための決断だったが、父は怒り、彼を叩く。
後に玄虺が理由を問うと、梅四は苦笑しながら語る。
自分はただの人間であり、大妖である柳太真には釣り合わない。
そして何より、彼女を人の世界の約束で縛りたくないのだと。
その言葉はやがて柳太真にも伝わり、彼女の心に残ることになる。
夜になると、无字书(むじしょ)は再び武祯(ぶてい)の屋敷の外で待つ。
武祯は出ようとするが、その直前に梅逐雨に手首を掴まれる。
「今夜はちゃんと休め」
その一言に、武祯は動きを止める。結局、彼女は外へ出ることをやめる。
长く待ち続けても武祯が現れないことに、无字书の苛立ちは募っていく。
やがて彼は決断する。別の方法を取るしかないと。
妖市へ戻った无字书は、書閣に封じていた妖丹をすべて解放する。
妖気が一気に溢れ出し、その狙いはただ一つ――武祯を完全な妖へと変えることだった。
一方、梅逐雨は霜降(そうこう)を呼び出し、食事をしながらさりげなく探りを入れる。如意楼の話を持ち出し、あの夜の出来事を問いただす。
霜降は否定するが、動揺は隠しきれない。
ついに彼は、斛珠(こくじゅ)が黒猫を抱えて消えた光景を見たことを打ち明ける。そして武祯もまた普通の人ではないかもしれないという疑いを口にする。
梅逐雨はその話を聞き、表情には出さないものの、確実に疑念を深めていく。
その後、柳太真は武祯に会い、无字书が完全な妖になる方法を見つけたことを聞く。そして強く警告する。
その道は危険であり、梅逐雨を警戒するべきだと。
しかし武祯は揺るがない。
世の中には裏切る者もいれば、誠実な者もいる。
そして自分は梅逐雨を信じると、はっきりと言い切る。
その直後、无字书が現れ、天師たちが長安に潜入したことを告げる。
武祯の表情が一瞬で変わる。
同じ頃、梅逐雨は赤华とともに玄鉴司の古い陣を張り直していた。
この陣が完成すれば、妖はその上で本来の姿を現し、隠れることはできない。
人と妖、それぞれの動きが交差し、長安は静かに緊張に包まれていく。
『子夜帰』第26話 の感想
いやー、今回はかなり“関係の歪み”が見えてきた回でしたね。
大きな事件が起きるというより、じわじわと危うさが広がっていく感じで、見ていて落ち着かない回でした。
まず武祯(ぶてい)の状態。
これ、思っていたより深刻でしたね。
猫公の力を使いすぎて、体の中で「人」と「妖」がぶつかっている状態。
しかも解決方法が、
「完全な妖になるしかない」
というのが重すぎる…。
人として生きるか、妖として生きるか、かなり大きな分岐に来ている感じがしました。
そしてその場にいる无字书(むじしょ)。
治療しながらも、武祯が無意識に梅逐雨の名前を呼ぶのを聞いてしまうのが、なんとも切ないですよね。
さらに印象的だったのが、あの“窓越しのシーン”。
无字书が外から見ていると気づいた梅逐雨が、武祯を引き寄せてキスする場面。
あれ、完全に見せつけですね。
言葉では何も言わないのに、関係性だけがはっきり伝わるシーンで、かなり緊張感がありました。
无字书が何もできずに去るしかないのも、余計に苦しかったです。
そのあとの无字书の回想もよかったですね。
長い時間を一緒に過ごしてきたのに、最後に選ばれたのは人の世界。
ここって単純な恋愛というより、
「生き方の違い」
で負けている感じがして、より切なかったです。
一方で、梅逐雨のほうもかなり動いてきましたね。
妖市の入口に気づいたり、霜降(そうこう)から話を引き出したり。
特に、斛珠(こくじゅ)が猫を抱えて消えた話から、
武祯も普通ではないのでは?
と疑い始めました・・・
まだ確信ではないけど、確実に“違和感”が積み重なってきていて、このまま知らないままではいられない空気。
そして今回ちょっと戸惑ったのが、玄虺(げんき)。
一瞬「誰?」ってなりましたよね。今まで黒い蛇の姿の印象が強かったので、急に人の姿でしっかり登場すると分かりづらい。
でもよく見ると、あの流れも面白かったです。
梅四(ばいし)が「柳太真に会えなくて寂しい」と言っていたのを受けて、玄虺が気を利かせて「病に倒れた」と嘘をついて呼び出していたんですよね。
ああいうところ、意外と世話焼きというか、ちゃんと周りを見て動くタイプなんだなと思いました。
そしてそれ以上に驚いたのが梅四の気持ち。
あれだけ好きなのに、結婚はしないと自分から突き放しましたね!!
好きだからこそ縛らない
この考え方はかなり重くて、愛情の深さを感じる場面でした。
それと无字书。
もう完全に毎晩来てますよね…。
武祯の家の外で待ち続けて、様子を見ている
これ、冷静に考えるとほぼストーカーなんですが、それだけ執着が強いということでもあって、怖さもかなり増してきました。
そしてラストに向けて一番気になるのが、梅逐雨の変化。
武祯を疑い始めていますよね。
霜降の話もあって、明らかに違和感を持っている。
最後に武祯を見るあの少し冷たい視線も印象的、なんだか悲しいですね。
一方で武祯は、あくまで
「梅逐雨という人そのものを信じている」
でもここがすごく不安なんですよね。
もし梅逐雨が武祯の正体を知ったらどうなるのか。
そのとき、同じように受け入れられるのか。
逆に武祯が、梅逐雨が常曦宮の人間だったと知ったとき、
どうなるのか
无字书の思い通りに距離ができてしまう?
このあたりの関係の崩れ方が、かなり気になる展開になってきました。
そして天師たちも長安に入ってきたことで、
人と妖の衝突もいよいよ現実になりそうです。
全体として今回は、
・武祯の選択(人か妖か)
・梅逐雨の疑い
・无字书の執着と暴走
この3つが一気に進んだ回でしたね。
大きな戦いはまだ起きていないのに、関係と状況だけがどんどん緊張していく感じで、
「嵐の前の静けさ」
そんな空気が強い回でした。
ここからどう崩れていくのか、本当に目が離せません。
『子夜帰 26』用語解説
常曦宮(じょうぎきゅう)
妖や術に関わる修行を行う組織で、梅逐雨(ばい・ちくう)がかつて所属していた場所です。人の世とは距離を置き、清浄な修行の場とされていますが、最近は内部にも歪みや思惑が見え隠れしています。
猫公(びょうこう)
武祯(ぶてい)が持つ特別な力と役割のこと。人と妖の間に立ち、妖を取り締まる存在ですが、その力は強大である分、体への負担も大きいものです。今回の話では、その力を使いすぎたことで体内のバランスが崩れています。
全妖(ぜんよう)になる
人としての部分を完全に捨て、完全な妖の存在になること。
武祯は今、人の心と妖の力の間で揺れており、このままでは命に関わるため、无字书(むじしょ)は「全妖になること」を解決策として提示しています。ただし、それは人としての生き方を失うことでもあり、大きな決断を意味します。
妖市(ようし)
人の世界と重なるように存在している、妖たちの世界。長安の街と重なって存在しており、特定の場所から出入りできると考えられています。梅逐雨は今回、その入口らしき場所にたどり着きました。
妖丹(ようたん)
妖の力の源となるもの。命や力の核のような存在で、これを操ることで強い妖力を引き出すことができます。无字书はこれを一気に解放し、武祯を完全な妖へと変えようとしています。
雄黄(ゆうおう)
現実の中国でも使われてきた薬の一種で、古くから「邪気払いや毒よけ」に使われるものです。この物語では、妖にとっては強いダメージを与えるものとして描かれています。柳太真(りゅう・たいしん)や玄虺(げんき)が体調を崩したのはこのためです。
玄鑑司(げんかんし)
妖や異変を調査・対処する役所のような組織で、梅逐雨が現在関わっている場所です。人の世界側から妖の問題に対応する役割を持っています。
陣(じん)/陣法(じんぽう)
特定の配置や術式によって発動する仕組み。今回、梅逐雨たちが張ろうとしている陣は、上に立った妖の正体を強制的に現すものです。隠れている妖を見抜くための重要な手段になります。
天師(てんし)
妖を討つことを専門とする術者たち。常曦宮とも関係があり、今回長安に入ってきたことで、人と妖の対立が本格化する気配が強まっています。
『子夜帰』第27話 あらすじはこちら

