第3話では、柳家の焼尾宴(しょうびえん)を舞台に、新たな事件が動き始めます。
梅逐雨(ばい・ちくう)は宝石工房で起きている不思議な現象を調べ、武祯(ぶてい)もまた別の形で「无化骨(むかこつ)」の手がかりを追っています。二人はまだ互いの事情をすべて明かしてはいませんが、同じ異変に気づき始めている様子が見えてきます。
またこの回では、武祯の過去に関わる十八年前の出来事についても語られ、彼女の性格が変わった理由に関係していそうな話が出てきます。
そして物語の後半では、柳家で開かれる宴の場に琉璃花灯(るりかとう)が持ち込まれ、再び影妖(えいよう)の気配が現れます。華やかな宴の裏で、梅逐雨と武祯は密かに妖の行方を追うことになります。
それでは、『子夜帰』第3話のあらすじ(ネタバレ)を紹介していきます。
※誤訳があったらごめんなさい。
『子夜帰 3』主な登場人物
梅逐雨(ばい・ちくう)
演:Xu Kai(シュー・カイ)
玄鉴司(げんかんし)の役人。
妖怪事件を調査する役所に勤めています。
冷静で真面目な性格で、除妖の術にも長けています。
両親を天火の事件で失っており、その真相を調べるため玄鉴司に入った人物です。
武祯(ぶてい)
演:Tian Xiwei(ティエン・シーウェイ)
清河県主(せいがけんしゅ)。
名門の出身で、姉は当朝の武皇后。
自由奔放な貴族の女性として知られていますが、
実は妖を取り締まる存在「猫公」として長安の妖を管理しています。
无字书(むじしょ)
武祯の副手の一人。
姿を消したり煙のように現れたりする不思議な存在で、情報収集を担当しています。
妖に関する情報を武祯に報告し、事件解決を手助けしています。
梅四(ばい・し)
梅逐雨の兄。
絵を描くことを得意としており、柳太真の肖像を描いています。
かつて柳太真に求婚しましたが、断られた過去があります。
柳太真(りゅう・たいしん)
柳家の娘。
第3話では、影妖に襲われた梅四を助ける場面があります。
その際、本来の姿で現れる描写があります。
謝娄柏(しゃ・ろうはく)
名の知られた才子。
柳家の宴で使われる琉璃花灯を宝石工房から受け取る人物です。
武淳道(ぶ・じゅんどう)
武祯の父。
かつて常曦宮と関係があった人物で、現在もその外伝弟子と名乗っています。
『子夜帰』第3話 あらすじ ネタバレ
2話の続き
玉真坊(ぎょくしんぼう)で
谢娄柏(しゃ・ろうはく)が
梅逐雨(ばい・ちくう)をからかい、嘲笑しています。
それを見た武祯(ぶてい)は、梅逐雨をかばい、
2階から水をあびせます。
水に見えたこれ、
香露(こうろ)と水を混ぜたものだったようですね。
武祯(ぶてい)は謝娄柏(しゃ・ろうはく)を冷ややかに見据え、その名声が実力ではなく家柄によるものだと公然と指摘する。
学問で人を導く徳も、世の役に立つ志もなく、風雅を気取って噂話に興じているだけだと痛烈に言い放つ。
人前で面目を潰された謝娄柏は顔色を変え、その場を立ち去るしかなかった。
梅逐雨も、やるな~という目で見上げてましたね笑
その後、梅四(ばい・し)は梅逐雨(ばい・ちくう)に十八年前の出来事を語る。
かつて天火が都を焼いた際、武祯は重傷を負い三か月ものあいだ昏睡状態だった。命も危ぶまれたが、ある朝突然目を覚ます。
しかしその後、彼女の性格は以前とは大きく変わり、奔放な振る舞いを見せるようになったという。武家の人々も以前より彼女を甘やかすようになったと梅四は話す。
梅逐雨はそれを聞き、思案する様子を見せる。
やがて梅逐雨は、宝石店の店主に頼まれていた調査を思い出し、その場を辞する。
いっぽう、宝石工房の異変の知らせを受け取った武祯は
猫に変身して宝石工房を訪れる。
その夜、同じく
梅逐雨は約束通り宝石工房を訪れる。
宙に浮く宝石の謎を調べるためだった。
扉を開ける梅逐雨に気づかれないよう、
武祯は暗がりに身を隠し、梅逐雨は部屋を調べながら奥へ進む。
誰かがいる?
と感じ梅逐雨は部屋を探す。
外で待っていた店主が待ちきれずに、扉を開けると
突然、縞模様の猫が扉の隙間から飛び出し夜へ消えていった。
店主の帽子には、猫の毛がついている
猫だったの?
と梅逐雨は不満そう・・・
舞台は、妖市(ようし)
武祯(ぶてい)は「無化骨」の調査が進まないことに苛立っていた。
そこへ無字書が新しく作った「洗髓伐骨丹(せんずいばっこつたん)」を持ってくる。
それは妖の力を完全に消す薬だという。
武祯が服用すると、突然耳が猫耳のように変化する。
しかし薬効が弱まり、やがて元に戻る。
深夜、武祯が屋敷に帰ると、父の武淳道(ぶ・じゅんどう)が正庁で天師の格好をしていた。
可愛いおじいちゃんって感じですね。
常曦宮はすでに衰退していたが、武淳道は今もその外伝弟子だと名乗っている。
ちょうどその頃、柳公慎(りゅう・こうしん)が吏部尚書に昇任し、柳家では祝いの宴が開かれることになっていた。
武淳道は官職を離れているため、武祯に代わりに、宴へ出席するよう頼む。
翌朝、謝娄柏は宝石工房へ現れ、柳家の焼尾宴のために作られた琉璃花灯(るりかとう)を受け取る。
しかし灯に嵌められていた宝石が一つ欠けていることに気づく。
お詫びに店主は、気に入る宝石を加工して埋め込んで修繕すると申し出る。
すると、店に飾ってあった「赤い原石」が怪しげに光る。
謝娄柏はこれを気に入り
職人に命じ、加工して琉璃花灯にうめ込ませる。
実はこれが「無化骨」だったようです。
小指の爪ぐらいの大きさの、赤い宝石となりました。
職人が試しに灯をともすと、灯の壁に美しい女性の影が映し出される。
その姿はまるで生きているかのようだった。
一人の職人が影が振り向いたと叫ぶが、別の者は見間違いだと笑う。
だが災いの兆しはすでに潜んでいた。
焼尾宴(しょうびえん)の日。
柳府の入口で待っていた梅四。
到着した梅逐雨の、ぼろロバ馬車に乗り込んで愚痴を言う。
梅四はかつて柳太真に求婚し断られた5年前の過去を語り、落ち込んだ様子を見せる。
今回の宴がなければ、柳府に入ることはできなかったと。
そろそろ入ろうと、ぼろロバ馬車を降りると
貴族たちが梅逐雨を嘲笑する。
驢馬の車に乗って来たことをからかい、
かつて武祯に気に入られていたという噂まで持ち出して笑う。
その時、遠くから鈴の音が響く。
武祯の豪華な馬車が通りに現れ、貴族たちをけちらす。
人々は慌てて道を開ける。
武祯は馬車から降り、梅逐雨を横目で見ながら群衆の前に出る。
表向きは謝罪の言葉を述べるが、実際には梅逐雨を嘲った者たちを黙らせる形となった。
陛下から贈られた私の馬車も良いが
私はあの小さい、ロバ馬車が好きなの
武祯と梅逐雨の再会ですね。
私がいるから大丈夫
誰にもあなたをバカにさせない
と優しく微笑みます。
宴の席では、武家からの贈り物が届けられる。
その中の一つの巻物を広げると、柳太真の肖像画だった。
武祯はそれが梅四の描いたものだと気づくが、場では言及しない。
柳太真も表情を変えず、そのまま受け取る。
柳太真が受け取ると思って、前の日に、こっそり梅四が入れた確信犯ですね。
続いて梅逐雨は硯を献上する。
高価ではないが、素朴な彫刻が施された品だった。
それを見た謝娄柏は鼻で笑い、代わりに琉璃花灯(るりかとう)を運ばせる。
琉璃花灯には、あの赤い宝石になった「無化骨」がしっかり付いています。
灯がともると、無化骨が妖しい光を放つ。
武祯、柳太真、梅逐雨の三人はその異変に気づく。
琉璃花灯から、黒い煙のような妖気が出る
おどろいた武祯、梅逐雨はその場に立ち上がる。
互いに見つめあい
言葉には出さないが、二人とも邪祟を見る力を持つことが解った。
武祯と梅逐雨は途中で席を離れる。
影妖は無数の灯の影に紛れており、見分けることができない。
梅逐雨は灯を消して妖を現す方法を提案する。
うーん、2人が出会ってから初めてする長い会話
屋敷の庭で2人きり。
気になります!!
日本語訳がいまいちだったので、
解りやすく翻訳しました。
武祯
「さっき、梅郎君もあれを見たんでしょう」
梅逐雨
「武娘子は、それを探しているのか?」
武祯(少し笑って)
「どうしたの?
小郎君、私のことが気になり始めた?」
梅逐雨
「長安では、邪な妖怪が現れることは滅多にありません。
ですが武娘子は、ああいうものを見てもとても落ち着いているように見えました」
武祯
「落ち着いている、というほどでもないわ。
滅多にない、というだけで、ないわけではないもの」
武祯
「それに今、小郎君は案牍庫に勤めているのでしょう?
書庫の中で、私に関する記録を読んだことはないの?」
梅逐雨
「武国公府の二娘子、武祯」
武祯
「そうよ」
梅逐雨
「なるほど」
武祯
「多くの妖怪は人の姿に化けることができると聞くわ。
性格や振る舞いも人間とほとんど変わらないとか」
武祯
「もしかしたら、私たちの中にも
妖怪が紛れ込んでいるかもしれないわね」
梅逐雨
「今夜のことですが……
もし私の推測が正しければ」
梅逐雨
「影妖(えいよう)でしょう」
梅逐雨
「おそらく、あの琉璃花灯の影から生まれた妖です」
武祯(驚いたように)
「影妖?」
武祯
「ずいぶん詳しいのね。
そんな聞き慣れない名前、どうして知っているの?」
梅逐雨
「私は幼い頃、田舎で育ちました。
妖怪や精霊の話を聞くのが当たり前の環境だったんです」
梅逐雨
「それに武娘子は長安の名門の出身でしょう。
玄鉴司がなぜ設けられたのか、ご存じのはずです」
梅逐雨
「記録にもはっきり残っています」
武祯
「そういうことね」
武祯
「それで、玄鉴司の役人として
何か対処法はあるの?」
武祯
「妖怪がすぐ近くにいるとなると、
やっぱり落ち着かないものだから」
梅逐雨
「書物で読んだことがあります」
梅逐雨
「影妖は人の影の中に隠れるのを好み、
影そのものの姿で現れることが多い」
梅逐雨
「今夜は客も多く、
夜で灯りも多い」
梅逐雨
「人影が重なり合って入り乱れている」
梅逐雨
「つまり妖怪にとっては、
隠れる場所がいくらでもあるということです」
(武祯が香炉のような物を差し出す)
武祯
「これは?」
武祯
「父が今回の旅で手に入れてきたものよ。
妖を追い払う宝の盅(つぼ)」
武祯
「かなりお金を使ったみたい」
(梅逐雨 心の中)
「また武国公は騙されたのか……」
武祯
「すごいでしょう?」
(梅逐雨、苦笑してうなずく)
武祯
「それで?
あなたには何か考えがあるの?」
梅逐雨
「武娘子は、子供の頃に
影踏みの遊びをしたことは?」
武祯
「影踏み?」
梅逐雨
「部屋の灯りをつけて、
大勢の中で一人が追いかける」
梅逐雨
「追う者が他の人の影を踏めば勝ち。
踏まれた者が次の鬼になる」
梅逐雨
「私は子供の頃、この遊びが大好きでした」
梅逐雨
「ある時、絶対に勝てる方法を思いついたんです」
梅逐雨
「まず灯りを消す。
そうすれば誰の影もなくなる」
梅逐雨
「その暗闇の中で位置を変えてから、
再び灯りをつける」
梅逐雨
「そうすれば簡単に相手の影を踏める」
武祯
「つまり――」
武祯
「灯りを消して、
あの妖怪を正庁から誘い出すということ?」
梅逐雨
「そして人のいない場所に誘導して、
姿を現させる」
武祯
「妖怪を引き出した後は?」
梅逐雨
「そのために、
武娘子の宝物があるんでしょう」
(梅逐雨が香炉を示す)
二人は別々に動き、廊下の灯を次々と消していく。
正庁は徐々に闇に包まれていく。
すると灯の中から幽かな影が飛び出し、
祝いの品が積まれた偏庁へと逃げていった。
2が目と目を合わせ
最後の灯を消すシーンが良いですね。
その後、武祯は梅逐雨の手をにぎり、宴会場を後にします。
一方その頃、梅四は机で柳太真(りゅう・たいしん)の肖像画を描いていた。
突然、黒い影が現れ首に絡みつき、首を絞める。
危機の瞬間、柳太真が白大蛇の姿で現れ影妖を追い払う。
趙かっこいいです!!
意識を失う直前、梅四は彼女の体から白い光が広がる様子を見る。
柳太真は倒れた梅四を武祯のもとへ運ぶ。
その間、梅逐雨は一人で偏庁に入り、
術で影妖を琉璃灯の中に封じ込める。
その際、灯の覆いに埋め込まれていた「無化骨」を見つけ、密かに袖へ隠す。
そこへ武祯が駆けつける。
梅逐雨は平然とした様子で、異常のない琉璃灯を武祯へ返す。
武祯は「無化骨」がないことに気付いたが
知らぬふりをして
灯に刻まれた詩句を見る。
その作風が謝娄柏の普段の詩とは大きく異なることに気づき、
この灯の詩が謝娄柏の作ではないと推測する。
つづく
予告を見ると、この詩を書いたのは琉璃灯に関わる女性で、
意に介せず殺され、恨みに思っていた。
「無化骨」の力で、影妖となり
自分を殺した人物と似ている人を襲ったような感じです。
『子夜帰』第3話 の感想
うーん、おもしろかった回でした。
第3話は、武祯(ぶてい)の強烈な存在感から始まります。
謝娄柏(しゃ・ろうはく)を人前で容赦なく言い負かす場面は、見ていてすかっとしました。さりげなく梅逐雨を守っているようにも見えて、武祯の気の強さや遠慮のなさがよく分かるシーンでした。
一方で、この回では十八年前の「天火」の話も出てきます。武祯が重傷を負って三か月も昏睡していたこと、そして目を覚ましたあとに性格が変わったという話から、武祯の過去にはまだ大きな秘密がありそうだと感じました。
梅逐雨(ばい・ちくう)と武祯の関係も少しずつ面白くなってきています。庭での会話ではお互いを少し探るようなやり取りが続き、相手が普通ではないことに気づいていそうな雰囲気。でもまだ本当のことは明かさない、この微妙な距離感がこの二人らしいなと思いました。
シューカイの梅逐雨もとても良いです。彼の作品では体つきがしっかりして、たくましい印象がありますよね。いたずらっぽい演技も可愛い俳優です。
でも今作ではかなり雰囲気が違います。役作りのために痩せたのかな?と思うくらい、ほっそりとした色白の顔が印象的でした。田舎で育った素朴で賢い青年という梅逐雨の人物像に合わせて、しっかり役作りをしていることが伝わってきます。すらっと微動だにせず立つ姿は凛として素敵だった~!!
そして武祯は、梅逐雨に少しずつ興味を持ち始めているように見えます。この二人の関係がこれからどう変わっていくのかも楽しみです。
華やかな宴の裏で影妖(えいよう)を追い詰めていくシーンも良いですね。
2人が息を合わせて、灯を1つずつ消していきます。
最後の、シャンデリアのようにろうそくが円形に並んだ大きな燭台も印象的でした。
紐を引くと上から皿のような蓋がかぶさって、
一度に灯りを消せる仕組みになっていて、
「こんなふうに消すんだ」とちょっと面白かったです。
琉璃花灯(るりかとう)と「无化骨(むかこつ)」がどう関わってくるのか、ここから事件がどう広がっていくのかも気になるところです。
いろいろな要素が少しずつ動き始めた、第3話でした。
『子夜帰』用語解説
影妖(えいよう)
影の中に潜む妖。灯の影などに紛れて姿を隠す。
無化骨(むかこつ)
琉璃花灯に嵌められていた石。冤罪などで命を落とした人の骨が変化したものとされる不気味な石。強い怨念を持っており、その近くにいる者を狂わせてしまうと言われている。
焼尾宴(しょうびえん)
官職昇進などを祝う宴。
常曦宮(じょうぎきゅう)
武祯の父、武淳道が関係していたとされる宗門。現在は衰退している。
焼尾宴(しょうびえん)
中国の歴史に由来する言葉で、
官職に就いたときや出世したときに開く祝宴のことです。
由来
もともとは唐の時代の風習とされ、
役人が出世したときに友人や同僚を招いて宴を開き、祝う習慣がありました。
「焼尾」という言葉の由来にはいくつか説がありますが、
よく知られているのは次の説です。
- 鯉が竜門を登って竜になるという伝説
- 竜になるとき尾が焼けると言われた
- 出世した人がその「尾を焼く祝い」をする
そこから
出世祝いの宴=焼尾宴
と言われるようになりました。
『子夜帰』第4話 あらすじはこちら
