第13話では、これまでの戦いの余波が残る中で、長安の異変が一気に広がっていきます。
各地で結界に裂け目が生じ、人間の世界と妖の世界の境が揺らぎ始めます。結界とは両者を隔てる見えない境界のようなもので、これが崩れると得体の知れない怪異が現れるようになり、街には不穏な空気が漂い始めます。
そんな中、武祯(ぶてい)は結界の修復に奔走し、梅逐雨(ばい・ちくう)は柳巷(りゅうこう)で起きている異変の調査へと動き出します。一方で无字书(むじしょ)にもこれまでとは違う変化が見え始め、物語はさらに不穏さを増していきます。
それでは、『子夜帰』第13話のあらすじ(ネタバレ)を紹介していきます。
※誤訳があったらごめんなさい。画像出典:公式SNS
『子夜帰 13』主な登場人物
武祯(ぶてい)
演:Tian Xiwei(ティエン・シーウェイ)
妖市の「猫公」です。長安の妖を統べる立場にあります。第13話では、各地で発生した結界の裂け目の修復に追われます。人間が妖の影響を受け始める中でも、無関係の者を犠牲にすることを強く拒否し、妖と人の均衡を守ろうとします。また梅逐雨との関係にも変化が見え始めます。
梅逐雨(ばい・ちくう)
演:Xu Kai(シュー・カイ)
玄鉴司(げんかんし)の司使です。第13話では、朔月の夜の異変に疑問を抱き、霜降とともに柳巷(りゅうこう)の調査に向かいます。面具をつけて潜入し、禁薬や妖の動きを探る中で、武祯と知らぬまま対峙する場面も描かれます。
霜降(そうこう)
梅逐雨の弟弟子です。常曦宫(じょうぎきゅう)の天師です。第13話では梅逐雨とともに柳巷へ向かい、禁薬や異変の調査に関わります。また宗門からの急ぎの知らせを受け取り、長安での妖の動きに大きな変化が起きていることを知ります。
斛珠(こくしゅ)
如意楼(にょいろう)を取り仕切る狐妖です。武祯とともに結界の異常に対応し、各所の状況を確認していきます。武祯を支えながらも、妖市全体の動きを冷静に見守っています。
无字书(むじしょ)
武祯のそばで妖市の運営を支えてきた存在です。第13話では、結界修復を共に行う一方で、梅逐雨に対して敵意を見せ始めます。また、柳巷に関わった人間を排除するという極端な提案を行い、武祯と対立します。さらに無化骨の影響を受けている様子も描かれます。
柳太真(りゅう・たいしん)
妖市の「蛇公」です。武祯と並ぶ妖の管理者です。第13話では結界の異変への対応に追われる中、武祯に自身の過去を語ります。かつて人間に裏切られた経験から、人の心の危うさを説き、武祯に警告を与えます。
黄毅(こうき)
長安の巡防校尉です。第13話では柳巷の治安を守る立場として登場し、禁薬の流行や街の不穏な状況を梅逐雨に伝えます。権力者の関与により取り締まりが難しい現実も明かされます。
无化骨(むかこつ)
強い邪気を持つ存在です。第13話では再び无字书に接触し、共に手を組むよう誘惑します。自身の過去を語りながら无字书の在り方を揺さぶり、不穏な影響を与え続けます。
『子夜帰』第13話 あらすじ ネタバレ
梅逐雨(ばい・ちくう)は机に向かい、街で流行している話本を静かに読み進めている。眉をひそめながら、物語の中ではなぜ女性の結婚ばかりが「幸せな結末」として描かれるのか、そして結婚後の苦労や、それ以外の生き方については一切語られないことに疑問を抱いていた。
その言葉を聞いた武祯(ぶてい)は、思わず口元をゆるめる。梅逐雨の考え方に、どこか嬉しさと感心が混じった表情を見せる。
ふと、武祯の体調が気になった梅逐雨は、熱が下がったか確かめようとして手を伸ばすが、途中でためらってしまう。
すると武祯はその手を取り、自分の額へとそっと押し当てる。
梅逐雨は少し戸惑いながらも、「熱は下がったようだ」とだけ告げ、どこか照れた様子でその場を離れる。
その後、中庭で二人は並んで食事をとる。
武祯は世話を焼くように梅逐雨の皿へ料理を取り分け、「ちゃんと食べなさい」と促す。その様子に、梅逐雨もどこか穏やかな表情を見せていた。
そんな静かな時間の中、斛珠(こくしゅ)と无字书(むじしょ)が慌ただしく現れる。
結界に異変が起きているという知らせだった。
武祯が席を外した後、无字书は梅逐雨に話しかける。
「帰る際は、門の前の二段目の階段に気をつけろ」とわざと告げ、自分が幼い頃に武祯と武芸の稽古をしていた時、その場所で怪我をしたことがあると話す。
それは単なる注意ではなく、
「自分は武祯と昔から深い関係にある」ということを示すような、どこか牽制めいた言葉だった。
梅逐雨はそれを聞き、无字书と武祯の間にある長い関係を感じ取り、わずかに胸の奥に引っかかるものを覚える。そしてその場を離れる。
道中、侍女が薬を持ってくる。
梅逐雨はそれを飲み、いつものように苦味止めの「飴」を一つ口にする。
その飴は、もともと武祯が无字书からもらったものだった。
その様子を、无字书が遠くから見ている。
梅逐雨に向ける視線には、はっきりとした敵意がにじんでいた。
その頃、梅逐雨は霜降(そうこう)を訪ねていた。昨夜の朔月の異変に違和感を覚え、何か裏があると考えたためだ。二人は長安の花街・柳巷へ向かう。
そこでは巡防校尉の黄毅と出会う。梅逐雨は従弟を長安見物に連れてきたと嘘を言う。
黄毅は、最近この一帯では、人間を害する禁薬が出回っており、取り締まりが続いているものの完全には止められていないという。さらに柳巷には権力者の子弟が多く出入りしており、強制的な封鎖も難しい状況だと説明。
この場所は危険だから、別の場所に行けと言う。
梅逐雨は応じたふりをして一度その場を離れるが、密かに引き返す。
面具をつけて顔を隠し、霜降が出した変音の薬(九音丸)を飲んで潜入しようとするが、思わぬ副作用で声が出なくなってしまう。それでも構わず、霜降とともに内部へ入り込む。
一方、妖市で武祯(ぶてい)は、結界の修復に奔走していた。
結界は、「人間の世界と妖の世界を隔てる境界・仕切り」で、これが崩れると、人と妖の境が壊れ、異形の存在が人の世界へと流れ込んでくるので、修復しなければならない。
裂け目の一つは「皮囊(ひのう)」を扱う店舗へと繋がっていた。人の姿を模した皮を売る不気味な店であり、そこにも異変が起きていた。
武祯は屏風に開いた裂け目を封じる呪文を施す。
結界の修復を待つ間、突然、人間界から酔った男が店に迷い込み、武祯は即座に皮囊をかぶって男に変身して気絶させる。
その直後、屏風の裂け目に異常を感じた梅逐雨も侵入。二人は互いの正体に気づかぬまま交戦する。梅逐雨は相手に妖気を感じ取るが、武祯だとは見抜けない。
結界が閉じる直前、武祯は術を使って、梅逐雨と「酔った男」を人間界へ弾き出すと、裂け目(結界)は完全に閉じた。
人間界・・・
はじき出された2人。
女郎たちの声に、慌てて隠れる梅逐雨
酔った男の懐からは「五石散」の薬包が落ちる。介抱する女郎たちは「五石散」を飲みすぎねと言って部屋から連れ去る。
その後、梅逐雨は、不思議そうに結界が閉じた屏風を見る。
妖界・・・
「皮囊の店」では、无字书が駆けつける。
武祯は屛風の結界を閉じたこと、人間が誤って侵入したが記憶を消して追い出した事を話す。
その後、武祯と无字书は一晩中、各地の結界を修復し続ける。夜が明け、黄毅から梅逐雨が柳巷に現れていたことを知らされる。
黄毅は、梅竹玉が前夜遊郭に行こうとしたことを話し、自分が彼を追い払って道を踏み外さないようにしたと自慢した。
呉貞は梅竹玉が遊郭に出入りするようなタイプではないし、行ったとしても理由があると確信し笑った。无字书は武祯が梅逐雨を信頼する姿をみて、呉貞がもはや自分のものにならないことを漠然と感じ取っていた。
一方、无字书は再び無化骨(むかこつ)の影に接触される。共に手を組むよう誘われるが、无字书はこれを拒否する。無化骨は、自らが百年かけて再びこの世に戻った過去を語り、无字书に対して「本来の力を捨てている」と嘲笑する。
同じ頃、霜降は師門からの急ぎの手紙を受け取る。常曦宫(じょうぎきゅう)が弟子たちを招集し、長安に広がる妖の乱れを一掃しようとしているという知らせだった。
昨夜は一時的に妖市に入れたが、今、妖市で何が起こっているかはわからない。
それに、長く世を離れていた常曦宫が現状を理解しているとは思えず、梅逐雨は自分のやり方で調査を続ける決意を固める。
結界の修復は行われたが、裂け目から出た複数の妖が人間に目撃されていた。
この出来事は瞬く間に噂となり、柳巷では妖が現れるという話が長安中に広がる。街はざわめき、人々の不安は増していく。
妖市では緊急の会議が開かれるが、有効な対策は出ない。そこで无字书は、柳巷に関わった人間をすべて排除することで噂を断つべきだと提案する。しかし武祯はそれを強く拒否する。灰長老の罪を理由に、無関係の人間を傷つけることは許されないと主張する。
二人は激しく対立し、武祯は无字书の変化に違和感を覚える。
その後、柳太真が武祯のもとを訪れる。彼女はかつて人間と恋に落ちた過去を語る。愛し合い、未来を約束した相手は、彼女の正体を知ると恐れて逃げ出し、後に戻ってきたかと思えば毒を盛って命を奪おうとした。
柳太真は静かに告げる。
人の心は計り知れず、近づけば近づくほど、その危うさを知ることになると。
武祯はその言葉を受け止めながらも、自分の選ぶ道を見失わずにいようとしていた。
つづく
『子夜帰』第13話 の感想
第13話は、これまでの戦いの余波が残る中で、物語の不穏さが一気に広がっていく回でした。
无字书(むじしょ)の変化がかなり気になります。
無化骨(むかこつ)の影響もあるのでしょうか。
これまでずっと武祯を支えてきた存在なのに、梅逐雨に向ける視線にははっきりとした敵意が見えるようになってきました。薬と蜜糖のくだりもそうですが、「自分の場所が奪われた」と感じているように見えて、少し切なさもありつつ、同時に不穏さも強く感じます。
そして武祯と无字书の対立。
「関わった人間を全て消す」という無字书の提案は、かなり衝撃的でした。
これまでの彼からは想像できないほど極端で、明らかに何かに影響されているように見えます。
それに対して武祯がはっきりと拒否するのも印象的でした。
どんな状況でも無関係の人を犠牲にしないという姿勢は、やはり猫公としての強さだと思います。
そして最後の柳太真(りゅう・たいしん)の悲しい過去。
人間と愛し合ったはずなのに、正体を知られた途端に裏切られ、命を狙われる。
とても重い話でしたが、この作品のテーマでもある「人と妖の関係」を強く感じさせる場面でした。
「人の心は読めない、近づくほど危うい」という言葉も、とても印象に残ります。
梅逐雨との関係にもどこか重なって見えてしまって、少し不安になりますよね。
全体として今回は、
・无字书の変化
・人間側の混乱
・妖側の秩序の揺らぎ
この三つが同時に進んでいて、物語が大きく動き出しているのを感じる回でした。
ここからどう繋がっていくのか、かなり気になります。
『子夜帰 13』用語解説
結界(けっかい)
人間の世界と妖の世界を隔てる見えない境界のことです。第13話ではこの結界に裂け目が生じ、人が迷い込んだり妖が外に出たりする異変が発生します。境が崩れることで、得体の知れない怪異が現れる原因となります。
柳巷(りゅうこう)
長安の中でも特ににぎわう歓楽街です。多くの人が出入りする場所で、第13話では禁薬が出回っている危険な地域として描かれます。噂や怪異の広がりの中心にもなっています。
禁薬(きんやく)
人間に害を及ぼす危険な薬です。第13話では柳巷を中心に「五石散」が流通しており、使用した者が異様な体験をしたり、妖の影響を受けやすくなる原因となっています。
皮囊(ひのう)/寄附铺(きふほ)
人の姿を模した“皮”を扱う妖の店です。寄附铺はその皮囊を売買・管理する場所で、妖が人間の姿に化けるために使われます。第13話では結界の裂け目がこの店へと繋がり、重要な舞台となります。
変音の薬(へんおんのくすり)
声を変えるための薬(九音丸)です。第13話では梅逐雨が潜入のために使用しますが、副作用で声が出なくなるという思わぬトラブルに見舞われます。
朔月(さくげつ)
月が見えない新月の夜のことです。陰の気が強まるとされ、妖の活動が活発になる時期とされています。第13話の異変の背景にも関わっています。
无化骨(むかこつ)
強い邪気を持つ存在です。第13話では无字书に接触し、協力を持ちかけて誘惑します。過去の経緯や執念を語りながら、无字书の心を揺さぶる存在です。
妖市(ようし)
妖たちが暮らし、秩序を保っている場所です。武祯や柳太真が管理しており、人間の世界とは結界によって隔てられています。今回の異変により、その均衡が揺らぎ始めています。
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