電車とバスでの通学は時間や行動が縛られてしまい何かと不便。コロナウィルスの感染も心配ですよね。
かといって電車やバスの定期代を大きく上回る費用を親が負担するのは大変です。
そんな車で通学を考える大学生や親御さんむけに「軽自動車にかかる維持費」を計算、「学生にお勧めの軽自動車」の紹介もしています。
◆学生におすすめの軽自動車は何か? ◆ローンで購入すると月の支払いはどのくらいか? ◆毎月の軽自動車の維持費を合わせるといくら必要か? ◆学生の自動車保険はいくらか? ◆学生のアルバイト代でもまかなえるのか? |

解説するのは、新車中古車販売・国土交通省/陸運局認証車検工場を営むオートディラーの「長嶋」が、営業50年の経験をもとにご案内しています。
軽自動車の維持費/大学生の車通学にかかる費用を計算してみた
軽自動車にかかる費用は大きくわけて3つあります。
この3つの費用を合計したものが、軽自動車にかかる費用となります。
1.車両代金 2.ガソリン代、税金、車検代などの維持費 3.自動車保険 |
まずは、車両代金から見ていきましょう。
1.車両代金
学生の通学にお勧めな軽自動車
まず、どんな車が必要か。
学生が通学に使うお勧めの軽自動車はいったい何か?
条件を箇条書きにして車両を検討してみましょう。
学生の通学にお勧め軽自動車 ◆車両本体価格が安い車 |
こういった条件を考えて、私ども車業者がいつも学生に勧める軽自動車の1つにダイハツの「ミライース」があります。
学生がミライースの「新車」を購入する費用
ミライースをお勧めするのは、軽自動車の中では最強のコストパフォーマンスが得られる車だからです。
ミライースの新車は、35.2km/ℓでハイブリッドなみに燃費が良いのでガソリン代がかかりません。
また、車両価格も中級グレードでも車両本体価格は100万円を切る安値です。

え? 新車ですか?
100万円も無理ですよ~。
100万円も無理と考える方は多いですが、大学生時代の4年間だけ乗って、売ってしまうという考えもありではないでしょうか?
燃費の良い軽自動車は高値で買い取りますから、4年乗った後でも50万円以上の価格で買い取ってもらえる可能性が十分あります。
銀行ローンを組めば所有権が付かないので、4年後、自由に販売できます。売ったお金でローンを完済することが出来るのです。

そうか~
卒業して必要なくなったら売ればいいんだね。
新車を購入するメリットは、そのほかにも沢山あります。
新車を購入するメリット ◆エコカー・安全装置付きの車がほとんどなので、様々な免除が受けられる。(環境性能割(以前の取得税)が無税・重量税免除・取得税免除・自動車税減免/自動車保険も安全装置装置割引) |
ミライース | 新車購入価格 |
グレード | L SAⅢ |
本体価格 | 957,000円 |
ナビTV | 165,484円 |
自賠責保険 | 35,610円 |
重量税 | 免税 |
環境性能割 | 免税 |
合計 | 1,158,094円 |
ローン/月 | 15,327円 /月 銀行金利3% 7年ローン |
ミライースについての詳細は下記事参照
学生がミライースの「中古車」を購入する場合
ミライースは2011年から発売されていて発売当初から30km/ℓの低燃費走行なので中古車でもガソリン代が安く抑えられます。
ミライースは新車・中古車ともにとてもコンパクトです。
大きく空間をとったハイトール軽自動車と違い、運転が未熟な大学生にとって扱いやすく小回りが効くので、ぶつけて余計な出費がかさむ心配がありません。
中古車のミライースを買うなら、ちょうど2度目の車検をとった後の5~6年落ちの中古車がお勧めです。車検が1年以上付いていて半額の50万円前後で手に入ります。修理や故障が少ない走行3万キロ~4万キロの車がお勧めです。
車検は2年に1度ですから車検付きの車を購入すれば、4年生の大学なら在学中に1度だけの車検ですみます。
ミライースは2017年からフルモデルチェンジをしているので、それ以前の中古車は比較的安値で価取引されています。低価格な割に、性能も良く人気も高いので大学生には「ねらい目の軽自動車」と言えます。
また、中古車を購入するメリットは他にもたくさんあります。
中古車のメリット ◆最初から車検・ナビなどの装置が付いているので価格が安くお買い得 ◆車の運転が未熟なので新車だと高額な自動車保険をかけなければならないが、中古車だと掛け金が安い。 |
下の表は大学在学中の4年ローン、銀行金利3%で計算しています。
ミライース | 中古車 6年落ち購入価格 |
グレード | SAXリミテット |
車両価格 | 500,000円 |
ナビTV | 付き |
自賠責保険 | 車検1年付き |
重量税 | - |
環境性能割 | 免税 |
合計 | 500,000円 |
ローン/月 | 11,067円/月 銀行金利3% 4年ローン |
2.ガソリン代、税金、車検代などの維持費
軽自動車の維持費を新車と中古車で計算してみました、以下の通りです。
ご自宅に駐車場がない場合は駐車場代金を加えてください。
中古車に比べ新車の方が燃費が良いため、維持費が安くなるのが特徴です。
中古車の場合、これに加えて故障修理や消耗部品の交換リスクが伴います。
1年間の維持費 | 新車 | 中古車 |
自動車税 | 8,100円 | 7,200円 |
車検 整備+基本代金 | 30,000円 | 40,000円 |
車検 自賠責保険 | 25,070円 | 25,070円 |
車検 重量税 | 6,600円 | 6,600円 |
メンテナンス オイル交換 | 10,000円 | 10,000円 |
ガソリン | 133,714円 | 156,000円 |
スタットレスタイヤ | 60,000円 | 60,000円 |
合計 | 計273,484円 車検がある年 22,790円/月 車検がない年 12,651円/月 4年間平均15,185円/月
| 計304,870円 車検がある年 25,405円/月 車検がない年 14,433円/月 4年間平均17,176円/月 |
ガソリン代は片道60kmを往復300日まで往復36,000km/1年として計算、新車35.0km/ℓ 中古車30.0km/ ℓ 1ℓ130円で計算。メンテナンス料は、1年に2度オイル交換・スタットレス⇔ノーマル交換代金の合計金額。オイル交換は3,000/1回で計算。車検は在学中4年間に1度。スタットレス購入は1度。 |
3.学生の自動車保険料
さて、残りは自動車保険になります。
ミライース | 新車 | 中古車 |
車両購入費用 | 15,327円/月 | 11,067円/月 |
1カ月の維持費 | 15,185円/月 | 14,433円/月 |
合計 | 30,512円/月 | 25,500円/月 |
と学生が自動車保険に新規で加入するととても高額です。一般的に18歳~21歳の学生が「通学で使う自動車保険料」は年間20万円~25万円と言われています。
保険料が安い農協などの共済でも17~18万円/年額の保険料がかかってしまうので、月払いに換算すると15,000円~20,000円かかってしまう計算です。
しかし、軽自動車は普通車に比べて自動車保険が安いですし、下記事で説明した方法ですとほぼ半額に保険料を抑え、予算内に抑える事が出来きます。
参考記事はこちら
この方法は、簡単に説明すると
・親の良い等級の自動車保険を子供に譲渡する ・親は、新規で入り直す |
という裏ワザ的方法です。裏ワザと言っても正規の方法で、これは子供が運転免許をとってはじめて自分の車を持つ時によく行われるお得な保険の入替方法です。
この方法は、ネットで自分で加入している人や、農協などの共済保険のように、アドバイスしてくれる代理店がない場合、知らずに新規で高額な保険に加入してしまう人が多くもったいないです。
割引率の良い親の保険を子供に譲渡することで、若い人でも低価格で自動車保険に加入することが出来ますので、加入の際は保険会社や代理店に申し出てみましょう。
実際の自動車保険料金
下は、あいおいニッセイ同和損害保険での実際の見積もりです。親の保険をもらわずに新規で入ると自動車保険は月払いで15,220円(173,930円/年間)、110万円の車両特約を付けると年間394,710円にもなってしまいます。
ところが、親の20等級の保険をもらって加入すると、一般的な補償内容で6,750円/月払いになりとても安くなります。さらに車両保険を110万円付けた場合は14,080円/月です。
シュミレーション結果
ミライース | 新車 | 中古車 |
1.車両購入費用 | 15,327円/月 | 11,067円/月 |
2.維持費 | 15,185円/月 | 14,433円/月 |
3.自動車保険 | 6,750円/月 | 6,750円/月 |
総合維持費 合計 | 37,262円/月 | 32,250円/月 |
このように保険料を抑えることで、32,000円~37,000円で車通学が可能になりました。
上記の見積もりは、大手損害保険の見積もりですが、農協などの共済自動車保険や、ネット通販の自動車保険を利用すればもっと安く保険料を抑える事が出来ます。
新車の場合、ローン年数を長くすればもう少し月払いを抑える事が出来ます。余裕があるのであれば、1万円くらい足して維持費がほとんど同じアクアなどのコンパクトカーを購入することも夢ではありません。
また、計算には60,000円のスタットレスタイヤ代金を組み込んでいますが、もっと安価なスタットレスタイヤを購入可すれば維持費をさらに安く抑えられます。
車を購入せずに、親の車を借りたり譲ってもらうッた場合、ローンの支払いがないので、もっと維持費を低額に抑える事が出来ます。
まとめ 軽自動車の維持費/大学生の車通学にはいくらかかる?1カ月にかかる費用を計算してみた
私も経験がありますが、バスや電車を使った遠距離通学はけっこう苦痛です。
時間に縛られ、行動範囲も限られ、乗り換えがあればさらに負担がかかります。1本乗り遅れたら絶対に授業に遅刻します。帰宅時間に縛られ課外ゼミや友人の誘いをいつも断り、悲しい思いをします。
また授業の合間など1人きりになって時間を潰したい時でも、車という自分だけの空間を持つことが出来ます。
人それぞれではありますが、私は50代になった今でも、電車通学で人生の大切な時間を失ったことを後悔しています。
今回、軽自動車の維持費を計算してみましたが、電車やバスの定期代が高額な場合は、車通学の維持費とさほど変わらないことが解りました。
親御さんは、遠距離での車通学は交通事故のリスクも考えてしまいます。しかし、車を持つことでお子様が時間にゆとりを持てる事や、行動範囲が広がる事で得られる多くの人生経験を尊重してあげてください。
すでに遠距離通学をしている大学生の親御さんも、ぜひお子様の車通学を検討してほしいものです。