ここ数年で、利用者数が急激に増加したカーリース。
などの声にこたえて、カーリースを検討する際に役立つ情報、失敗しない知恵袋を車屋さんが教えます。
案内するのは、新車中古車販売・国土交通省/陸運局認証車検工場を営むオートディラーの「長嶋」です。50年の経験をもと実際に起こったトラブルや解決方法を解説しています。
カーリースの失敗しない知恵袋/買うよりメリットあるの?
車は買うのと借りるのと、どちらがいいの?
「車を買うか、カーリースで借りるか」と聞かれたら・・・
車屋さんの私なら、迷わず「買う」と答えます。
なぜなら車屋さんは、車の修理・点検のスキルを持ち、故障リスクを最小限に抑える知識を持っているからです。
車にかかる面倒な経費を熟知し、車にかかるトータルコストも瞬時に把握できます。
でも、ぶっちゃけ、車のことがあまり解らない人は「リース」を選択枠にいれて良いと思うんですよね。
でも「カーリース」はトータルすると高くなるって聞いたけど?
そのとおりです。
確かに、カーリースは、購入して自分で管理するより、トータルで高くつきます。
その訳は、一言でいうと手数料・整備代が高額だからです。
車両代金も高めですが、オイル交換、タイヤ交換、車検等、メンテナンス1つ1つに高額な手数料が含まれているのです。
それでも買うより、カーリースが人気なのは、少し高くても、手に入るメリットがあるからなのです。
どんなメリットがあるんだ?
カーリースのメリット
それでは、カーリースのメリットを解説していきますね。
メリット1.初期費用が0円
車購入 | カーリース |
---|---|
頭金・手付金 10万円~ | 0円 |
カーリースは初期費用が0円です。
車を購入する場合、頭金や手付金など多額のお金が必要になります。
頭金は「重量税・環境性割・自賠責保険代金・印紙代・リサイクル委託金・登録代金」などの諸費用で、10万円以上支度しなければなりません。
一方リースは、リース会社が車を買ってきて貸すので、初期費用がありません。ほとんどのリース会社で初期費用が0円です。
0円で新車に乗れるって、すごいメリットじゃないですか?
初期費用を抑えたい人はカーリースを選ぶことで、「新車=高くて買えない」というハードルを越えることができるのです。
メリット2.キャッシュが手元に残る
車を貯金で購入した場合、手元にキャッシュが残らないという大きな問題があります。
病気、結婚、子供の誕生、教育費、新築改築など、人生にはお金が必要な時があります。
あわてて、購入した車を売却しても、価値が落ちて十分な資金が用意できなかったり、手続きも複雑で時間がかかります。
手元にキャッシュがない不安を抱えるなら、無理して車を購入しなくても良いはず。カーリースにしてキャッシュを手元に残した方が、万が一の時に安心です。
メリット3.毎月定額料金。家計の管理がしやすい
車を購入すると、車検、自動車税、オイル交換、タイヤ交換など、維持費がかかります。
不定期に起こる故障+修理代+部品代なども加わります。
つまり、車購入は、いつどんなタイミングで出費があるか見えにくく、トータルコストが計算できまないのです。
その点、カーリースは月額利用料に維持費が含まれるので、毎月一定額の支払いになります。
つまり、トータルコストが計算できるので、家計の把握がしやすくなるのです。
突発的な支出や想定外の支出に振り回されることもありません。
毎月決められたリース料を振り込むだけ、車の管理も、税金、保険手続き、リース期間終了後の手続きもすべてしてくれるから、楽ちんなんです。
メリット4.価値が落ちても、乗り換えるだけ
車は、購入した時点で市場価値が落ちます。
新車を登録しただけで「中古車」になり、乗ってなくても20万円~50万円も価格が落ちる車もあります。
車を購入して、動かなくなるまで乗り潰す人は別ですが、合理的な観点から考えると、カーリースでどんどん乗り換えたほうがお得です。
最新の車は性能が向上し、安全装置付きの車、電気自動車、自動運転など、新しい機能が次々に開発されています。
多くの企業が、リース車を採用するのは、「すこし高い手数料を支払っても、今より良い車に乗り換えた方が良い」と判断しているからです。
結婚、子育て、介護など家族構成やライフスタイルの変化に応じて、3年、5年などの契約で返却、乗り換えができるメリットがあります。
「お金が貯まるまで乗り替えられない」という事はないのです。
洋服や、家具のサブスクがはやる時代です。車屋をしてして「カーリースの時代がきたな」と肌で感じるのはこのあたりです。
カーリースのデメリット
ここまでで、カーリースのメリットを紹介してきました。
カーリースには、車屋さんでも契約したくなるような魅力がいっぱいですが、デメリットや注意点も沢山あります。
CMで聞く「0円で新車に乗れる、月々10,000円♪」なんて、そそられますね。
でも、うわべだけの魅力ですぐに飛びつくと、大失敗します。
カーリースの仕組みや対処法を知り、自分に合ったリース契約することで、デメリットを克服し、失敗を事前に防ぐことができるのです。
カーリースのデメリットと、失敗しないための対処法
デメリット | 対処法 | |
---|---|---|
1 | ユーザーに所有権がない ・改造、パーツ取付禁止 ・指定距離がある | リース会社の規定に従い車を大切に扱う 長距離走行をしない事 |
2 | 中途解約ができない | リース期間を短くする 解約金不要のリース会社を利用する |
3 | すべてのカーリースには、審査がある | 審査が通りやすい、リース会社を利用する |
4 | リース料が高め | 無駄を省いたプランを選べるリース会社を利用する 「自動車保険」込みのリース会社を利用する |
5 | リース終了後に清算がある | 距離清算・原状回復費用・残価清算を熟知して利用する 残価設定がないリース会社を利用する |
それでは1つずつ解説していきます。
1.車を大切に扱う
カーリースでは、車を大切に使用することが必須です。
カーリースでは、車の所有権はリース会社が持つので、ユーザーには所有権はありません。
もちろん勝手に車を改造してはいけませんし、パーツ取付も禁止です。もし許可が下りても必ず原状回復して返却しなければなりません。
決められた走行距離を守らず、ひどい消耗やダメージを与えると、返却時は高額な費用を支払わねばなりません。
借りている車ですから、車を大切に扱うのは当たり前ですね。
2.リース期間を短くする
リースの契約期間は、なるべく短期間の契約を選びましょう。
なぜなら、ほとんどのリース会社で、リース期間中は解約ができないからです。
中途解約金は高額
ただし、病気や死亡、免許取り消し・返納など、やむをえない事情が発生した場合は「中途解約金」を払って解約ができます。
「中途解約金」は、「残りのリース料+車両の残価」になります。
え~車を買うほどの金額にならない?
最終的に、解約金から「リース車の査定価格」を引くので、車を買うほどの金額にはなりません。
でも、長期リースの場合、車の価値が下がるので「査定価格」が低くなってしまいます。
結果、高額な解約金を払う羽目になるので注意が必要です。
結婚、子育て、介護など家族構成やライフスタイルの変化で、急な乗り換えに対応できるよう、リース契約は短いものを選びましょう。
➡トヨタの ★KINTO は、契約時に定められた数カ月の利用料金で解約できるので、一般的なリースと比べて安心・明瞭会計です。海外転勤や免許返納時は中途解約金不要としています。
人気のカーリース 「リース期間」一覧
リース会社 | リース期間 | リース会社 | リース期間 |
カルモくん | 1~11年 | リースナブル | 3.5年 |
トヨタ KINTO | 3.5.7年 | SOMPOで乗ーる | 3.5.7年 |
コスモMyカーリース | 3.5.7年 | MOTA | 5.7.11年 |
定額ニコノリパック | 3~9年 | カーコンビニ倶楽部 | 3.5.7.9.11年 |
3.審査が通りやすいリース会社を利用する
カーリースの契約には「審査」があります。
「審査!!?」 なんてびっくりしないでくださいね。
高価なものを借りるのですから審査は当たり前で、すべてのカーリースで審査があります。
でも、安心してください。
カーリースは、一般的に「車のローンより審査が通りやすい」です。
当社でも、ローンが無理と言われたお客様でも、大勢の人がカーリースの審査に通りました。
なぜ、リースは審査が通りやすいの?
カーリースが、審査に通りやすい理由は、
などが理由です。
このため、カーリースは「ローン審査」に失敗した人の「1つの救世枠」になっています。
※残価設定とは契約時に「下取り価格」を前もって決めておき、その価格を差し引いた金額についてリース設定を行うことです。
でも、できれば審査が甘く、通りやすいローン会社を選ぶと楽ですよね。
カーリースの審査に通る方法や、審査に通りやすいリース会社は別ページで詳しく解説しています。
4.無駄を省いたプランを選び、リース料を安くする
カーリースは、毎月決められたリース料を振り込むだけで、税金、保険手続き、車検メンテナンス、リース期間終了後の手続きも全部リース会社がしてくれます。
カーリースは、便利でサービスが充実している分、リース料が高く無駄も多いのです。
おいらは、月々4万円になっちまったワン!!
月々10,000円という広告文句につられて、勧められるまま契約したら、メンテナンス代込みで毎月30,000円以上の支払いになっていた!!!
なんて人も沢山います。
リース料金を抑えるには
リース料を抑えたい方は、価格が安い
などを扱うリース会社を選べば、リーズナブルに利用することができます。
でも、メンテナンスを抜いちゃって大丈夫なの?
車屋さんから見て、カーリースのメンテナンスは「超!! 過剰」で、「超高額」です。
過剰な数で、オイル交換やワイパー交換が組み込まれています。
ところが、メンテナンスを忘れても返金してくれません。
当社は、市役所のリース車のメンテナンスを請け負ってますが、管理者がルーズなため、メンテナンスせずにリース期間が終了することがあるんです。
市役所職員➡オイル交換忘れた
リース会社➡忘れてくれると、何もせずにリース代が儲かる
当社➡請負人なので口出せない
これじゃあ、リース会社が儲かるばかりです。
メンテナンス料に、自動車保険で賄えるロードサービスまで付いているパックもあるので呆れるくらいです。
リース料を安く抑えるには、
などの工夫が大切です。
契約時には、プランに重複や無駄がないか精査し、安易に高額なリース契約を結ばないよう注意しましょう。
メンテナンスプランを選べる主なリース会社一覧
人気のリース会社 | メンテナンスプラン | 特徴 |
コスモMyカーリース | 3つのプランから選べる | ゴールドプランは、ガソリン5円/ℓ割引 |
カルモくん | 3つのプランから選べる | メンテはディーラーでも可能 中古車リース可 |
MOTA オリックス | 車検整備費用を外せる | 全国5500拠点の工場ネットワーク |
リースナブル | 2つのプランから選べる | メンテはディーラー可能 車検・点検に重点を置いたプランで価格が安い |
定額ニコノリパック | 2つのプランから選べる | 条件担保で値引きあり |
5.清算方法を熟知して借りよう
カーリース契約終了時には、残価設定清算のほかにも「清算」があります。
当社のお客様でアウトドア好きのお客様がいましたが、リース車でキャンプに行く事が多かった為か、かなり清算料金が発生しました。
リース車を傷をつけてしまった、汚してしまった場合、回復費用を支払わなければなりません。契約した距離を超過して乗ってしまった場合も、1kmあたり3~10円の清算が必要なんですね。
つまり、長距離ドライブが好きな人や、車の運転が下手でよくぶつける人は、カーリースに向いないんです。
車はあくまでも借り物です。自由に乗り回していると高額な金額を請求される羽目になります。
車を手に入れる事ばかり考えず、将来の清算方法も熟知してから契約する必要があります。
なかでも、クレームの多い「残価清算」の注意点と対処法について、特記しておきます。
これで「残価設定」も安心!! 残価設定の注意点と対処法
カーリースは、ほとんどの契約が「残価設定」になっています。
残価とはリース終了後の「下取り価格」のことで、契約時に設定します。
残価設定型のカーリースでは、設定した残価を車体価格から差し引き、契約月数で割った価格が月々のリース料金となります。
わかりにくいわ~
例えば、「500万円のレクサスを3年契約」で、残価(下取り価格)を300万円に設定すると、差額の200万円分だけリース料を払えばよいことになります。
つまり、購入すれば500万円かかるのに、200万円で高級車に乗れるわけですね。
リースの審査が通りやすい訳はここにもあって、500万円のフルローンより、残価設定の200万円のリースの方が、価格が安く、審査が通りやすいという事なのです。
ところが、この残価設定には落とし穴があります。
1.目先の安いリース料に騙されるな!!
カーリースをよく知らずに契約すると、ほとんどの人が、残価設定で失敗します。
リース業者の中には、残価設定を高くして安い月額料金でお客を引きつけたり、清算時にわざと残価を安くして儲けるので注意しなければなりません。
業者のうまい話に乗らずに「残価設定を制する者こそ、カーリースの失敗を防ぐ」とも言えます。
当店に相談に来るお客様の中には、
契約時は「300万円の残価設定」をしたのに、リース終了後、リセールバリュー(中古車の市場価格)が270万に下がったから、差額の30万円の清算しろと言われた。
これで、みんな揉めるんですよね~
契約時に設定した残価とは、あくまでも「見込み価格」なんです。清算は必ずしなければなりません。
ネットを見ると、残価設定の愚痴をたくさん見かけますね。
残価設定を高くすると、その分支払い額が減るので、リース料が安くなるんですよね。
目先のリース料の安さをちらつかせ、清算時を考えてくれないリース会社での契約は絶対やめましょう。
2.残価設定のないリース会社を選ぼう!!
残価設定で失敗しない為には、そもそも「残価設定のないリース会社」を選べばいいんですよね。いわゆるクローズドエンドのリース会社です。
最近では、清算を気にせず安心して乗れる「残価設定のないリース会社」に人気が集まり、「最後は車がもらえる」カーコンカーリース SOMPOで乗ーる、「契約終了時に差額清算がない・中古車リース」カルモくんなどが有名です。
また、トヨタのKINTO は、 一般的なリースと異なり 車のサブスクなので、契約終了時に残価清算はありません。 清算時の支払いで心配をすることはなく、安心して利用できます。
KINTOの利用料は、お得な自動車保険込みです。
車両保険も付いていて、事故をおこしても等級や、保険料が変わらない特殊な保険なので、「保険料」が高い若年層の方や高齢者の方はKINTOを利用するとお得です。
2.リセールバリューの高い車を選ぶ
どうしてもリース料が安い「残価設定」タイプを選びたい場合、価値が下がらないリセールバリューの高い車を選ぶという手もあります。
リセールバリューの高い車とは、人気の車種で、年数がたっても市場価格が落ちにくい車です。
自分の好みだからといって、人気のない車を契約してしまうと、清算時に車の価値が落ちて高額な差額の清算をしなければなりません。
リセールバリューが落ちにくい車は、トヨタブランド・軽自動車・ハイブリッド車・白黒カラーなどです。
詳しくは、こちらの記事で紹介しています。
最近では、リース終了後の清算時に備えて貯金する「残価貯蓄」をトッピングできるリース会社もあります。
ただし、リース終了後、予測される精算額を毎月貯蓄するので、結局、リース代が高くなってしまいますが、将来に備えて「残価貯蓄型リース」を選んでおいても良いですね。
「残価貯蓄」ができるリース会社は次の2つ
SOMPOで乗ーる
リースナブル