車のヒーターが効かない!!いくらかかるの？ 症状別原因と修理金額

お客様から、車のヒーターのスイッチをONにしても効かない。
寒くてたまらないから早くなおして～とのご依頼。

でもいくらかかるの？と不安げな様子。

車のヒーターが効かない場合、別の症状からも原因を探り、修理金額はどのくらいかるのか予想できる場合があります。

そこで今回は、症状別にヒーターが効かない原因と「修理にかかる金額」を解説していきます。ぜひ参考にしてください。

車のヒーターが効かない!!　すぐに暖まらないのは、故障ではありません

すぐに暖まらないけど壊れてる？と質問を受ける事がありますが、

寒い日にすぐに暖まらないのは、決して壊れているわけではありません。

なかなか温風が出てこないのはエンジンがあたたまっていないからです。

では、なぜエンジンがあたたまらないと温風が出ないのでしょうか。車のヒーターの仕組みを簡単にお話しますね。

車のヒーターのしくみ／ガソリン車

車のヒーターは冷却水を使って行います。

そうそう。本来、冷却水はLLC(ロングライフクーラント)と呼ばれエンジンを冷やす役目をしています。

昔の車やアメ車は、長時間の運転をすると冷却水がエンジンの熱であたたまり、100度を超えてしまうとオーバーヒートしたものです。

よく、映画などでボンネットから白い煙が上がっている風景は見たことあるでしょう。あれがオーバーヒートです。

今の車は技術が進んで、めったにオーパーヒートはしませんが、エンジンの熱によって冷却水があたたまる仕組みを使って、ファンモーターで温風にして室内を暖かくしているのです。

そうです。すぐに暖かくならないので、ヒーターが故障していると勘違いされる人がいます。

冬の寒い朝は、ちょっと辛いですが、しっかりエンジンか暖まり水温計が上がるのを待ってからスイッチを入れましょう。

※ 最近の車は、冷間始動時などにエンジンがまだ暖気されていない状態だとオーバークールになるため、エンジンが暖まるまでヒーター循環を止める仕組みになっている車種もあります。

車のヒーターのしくみ／電気自動車・PHV

エンジンを積んでいない電気自動車や、エンジンを停止させて走るPHV(プラグインハイブリッド)などは、ヒートポンプ式のヒーターを使っています。

簡単に言うと家庭用のエアコンなどと同じで、エアコンの中にある冷媒を圧縮して温度を高める方式です。

プリウスのPHVには、世界初となるガスインジェクション機能を備えた(氷点下10度の外気を取り入れて温められる)最新のヒートポンプ式のエアコンが搭載されています。

車のヒーターが効かない!!いくらかかるの？ 症状別原因と修理金額

冷却水に関わる故障／金額／症状

ラジエーターなどに冷却水が入っていない場合、ヒーターは効きません。経年劣化により冷却水を循環させるホースが破れてしまい、冷却水が全部漏れてしまった場合です。

お客様の中には、山を走行中、木の枝がラジエーターが刺さって穴が空いて冷却水が漏れてしまったというトラブルもありました。

また事故後の鈑金でラジエーターなどを外した場合、エア抜きが不十分で冷却水の循環が悪くなっている可能性も考えられます。

症状

冷暖房が効かない
ボンネットを開けて臭いを確かめます(冷却水が漏れていると甘いにおいがします)
冷却水のリザーブタンクの容量が少ない

修理代金

◆冷却水関係の修理代金 どの部分が破損しているかより大きく金額が変わります。どこのホースの破損かで、周辺部品をはずす手間が全く違うので工賃が異なります。他の部品が壊れていた場合は車種によって高額な部品代になります。  ◆数千円～100,000円超

サーモスタットの故障／金額／症状

サーモスタットの故障

ヒーターの故障のほとんどが、サーモスタットの故障です。

サーモスタットは冷却水やラジエーターに取り付けられていて、これを開閉することで冷却水の温度調節をしています。

サーモスタットを閉める事で、冷却水が暖まりヒーターとして活用できるのですが、故障して開きっぱなしになると冷却水は冷えたままで温風の熱源として取り入れる事が出来ないのです。

症状

ヒーターが効かないという症状もありますが、水温計のメーター警告灯が点滅する場合があります。

また、サーモスタットが閉まらずエンジンが冷えたままなのオーバークール状態になると、燃料を多く噴射し燃費が悪くなります。

サーモスタットの寿命は10年もしくは10万キロと言われています。

車がなかなか暖まらないと感じ、自分の車の年式や走行距離が当てはまる場合は、早めに修理工場で見てもらいましょう。

修理代金

◆サーモスタット修理代金 ・部品代2000円～ ・修理代金10,000～30,000円 合計　12,000円～32,000円

エアコンワイヤーの破損／金額／症状

エアコンワイヤーの破損

手動式のマニュアルエアコンに多い修理です。オートエアコンには取り付けられていません。

ダイヤル式などのエアコンスイッチをガチャガチャ動かすと、エアコンワイヤーがヒーターコントロールの部分に連結していて温度調節を作動させます。

このエアコンワイヤーが外れたり、破損してしまうと温度調節が出来ずヒーターが効きません。

症状

ヒーターが効かない。
風向きを切り替えるダイヤルの動きが悪い・エアコンダイヤルが空回りする・カリカリ音がするなどの症状が出る事があります。

修理代金

◆エアコンワイヤー修理代金 ・部品代2000円～ ・修理代金5,000～10,000円 合計　15,000円～12,000円

ブロアモーターの故障／金額／症状

ブロアモーターの故障

ブロアモーターとは、温風を送る扇風機のようなものです。この扇風機が壊れると温風を送る事が出来ないのでヒーターは効きません。

症状

エアコン・ヒーターが効かない。
破損しているにもかかわらず、ファンが回ってると異音がする(ブーン・カリカリなど)ことがあります。

修理代金

◆ヒーターブロアモーター修理代金 ・部品代7,000円～ 車種によっては一体型になっている為30,000円以上と高額 ・修理代金5,000～10,000円 合計　12,000円～40,000円

オートエアコンの不具合

オートエアコンの場合、エアーミックスダンパーなどのエアコンシステムが壊れている可能性があります。

エアーミックスダンパーは、ヒーターコアを通過する風量を変化させることで、運転手が設定した温度に風を出せるようにしている部分です。

各部の水温センサーにより、暖気開始する車種もあり複雑な構成となっていますので、オートエアコンが壊れると修理代が高額で時間もかかる場合があます。

症状

エアコン・ヒーターが効かない
autoの文字が点滅
異音がする
風だけでる

修理代金

オートエアコン修理代金 ◆修理代金１０,000～100,000超

その他の修理・代替え方法

車載できる暖房器具で代用

車のヒーターの修理代がけっこうかかってしまう、古い車なので修理したくない、などの場合、修理せずに、簡易式の車載コンパクトヒーターを購入し代用する人もいます。

夏はクーラー、冬はヒータの物が人気で、こちらは楽天ランキング1位の商品です。

また、シガーソケットにつないで使用できるシートヒーターは、あっという間に暖かくなりますし、こちらも、HOTと、COOLの切り替え付きです。

車の買い替えを検討する

ヒーターの修理に沢山お金がかかるなら、今の車を売って、新しい車に「買い替える」事を視野に入れてもよいですね。

テレビCMでお馴染みのカーネクスト では、事故車や不動車でも買い取りOK。廃車だと思っていたボロボロの車でも、思わぬ高値が付くことも。

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まとめ　車のヒーターが効かない!!いくらかかるの？ 症状別原因と修理金額

車のヒーターの修理代は、修理箇所によって数千円か10万円以上します。

年式が新しく、この先も使用する年数が多い車は修理代金をかけても良いですが、年式が古く故障が多い車は買い替えも視野に入れたほうが良いでしょう。