軽自動車の購入時や転入時、「車庫証明」について多くの質問を受けることがあります。
・いつから必要になったの?
・軽自動車は車庫証明はなぜ不要といわれるの?
・軽自動車の車庫証明、出し忘れたらどうなるの?
・どんな時に必要なの?
・車庫証明を出さないと罰則があるの?
・車庫証明がいる地域は?
・いつから施行されたの?
・いつまでに届けを出すの?
・自分で出すものなの?
・なぜ車庫証明をださなくてもいいの?
・車庫証明がいる地域でも出さなくていいの?
今回はこういった疑問にお答えし、軽自動車の「車庫証明」の正しい知識について解説していきます。

案内するのは、新車中古車販売・国土交通省/陸運局認証車検工場を営むオートディラーの「長嶋」が50年の経験をもとに、ご案内いたします。
軽自動車の車庫証明はなぜ不要? 出し忘れたら?正しい知識・適用地域・罰則などを解説
平成3年より「自動車の保管場所の確保等に関する法律」が変わり、軽自動車も地域によって車庫証明が必要となりました。
しかし実際には、義務地域であっても「軽自動車の車庫証明」を出していない方や、出し忘れている方が多いようです。
私達業者も、車庫証明の必要な地域であっても軽自動車の車庫証明を出さない事が多々あります。
ではなぜ車庫証明をとらなくてもよいのでしょう?
まずは正しい車庫証明の知識や、法律、罰則から解説していきます。
軽自動車の車庫証明
どんな時に車庫証明が必要?
軽自動車には、以下の時に「車庫証明」が必要になります。
・軽自動車の車庫を変更した時
・引っ越しや転勤などで、軽自動車を持って県外や管轄外から転入してきた時
軽自動車の車庫証明/法律/罰則は?
「自動車の保管場所の確保等に関する法律」で は以下のように記載されています。
第五条 軽自動車である自動車を新規に運行の用に供しようとするときは、当該自動車の保有者は、当該自動車の保管場所の位置を管轄する警察署長に、当該自動車の使用の本拠の位置、保管場所の位置その他政令で定める事項を届け出なければならない。
やはり、法的には車庫証明が必要なようですね。また以下のように罰則も、しっかりあるようです。
◆罰則
軽自動車の車庫証明に置いて、新規届出・変更届出をしない場合、又は虚偽の届出をした場合は、10万円以下の罰金が科せられます。
軽自動車の車庫証明、出し忘れた場合は?
義務地域と知らずにうっかり「車庫証明」を出していない、出し忘れている場合であっても、上記の罰則が科せられるので注意が必要です。
軽自動車だからといって同一場所に8時間以上路上駐車をすると20万円以下の罰金に科せられます。
必ず駐車場を確保して「車庫証明」を出し、出し忘れに気を付けましょう。
駐車場が見つからないからと虚偽の届け出をした場合でも、10万円以下の罰金に処せられます。
軽自動車の保管場所届出義務/適用地域
普通車ほどではありませんが、軽自動車にも車庫証明を出さなければならない地域が定められています。
保管場所届出を義務付けられている地域は
で、保管場所を管轄警察署に届出しなくてはなりません。(それ以外の地域は必要ありません)
詳しい地域はこちらからご確認ください。🚙 平成23年に施行された最新のものです。
全国軽自動車協会連合会HP

軽自動車の車庫証明はなぜ不要?
義務地域であっても「軽自動車は車庫証明はいらない」と言われることが多く、罰則があるのにもかかわらず実際に不要だと信じている方もいます。
これは、普通車と軽自動車の「車庫証明」の違いを理解することで、なぜ軽自動車が「車庫証明が不要」と言われてしまうのか納得できます。
普通車の場合の車庫証明
普通車は軽自動車と違って「車庫証明」がなければ登録できません(除外地域を除く)。
その為、登録前に「車庫証明」をとる必要があります。
車庫証明をとる為には「自動車保管場所証明申請書」に
・車を停める場所(車庫)の配置図・寸法
・車庫になる土地の寸法や侵入道路の幅など
・使用者住所から車庫までの距離
・借地であれば、持ち主の承諾書
などの細かな情報を書き、地図を添えて管轄の警察署に提出します。すると、警察は実際に現地を訪れて調査し、問題がなければ「車庫証明書」を発行します。これでやっと登録➡納車となるのです。
しかし、軽自動車の場合は違います。
軽自動車の場合の車庫証明
軽自動車の場合は普通車と違ってとても簡単です。
上は、軽自動車の車庫証明の「届出書」です。これを見ると解るように、「軽自動車の「車庫証明」は、単なる「届出書」で普通車のような「証明申請書」ではないのです。
つまり軽自動車の車庫証明では「この場所に車を停めますよ~」と届けを出すだけ➡警察署は受領のみで、普通車のように現地調査を行い証明書を発行することはありません。
さらに、普通車と大きく違う点は「車庫証明」がなくても登録ができるという点です。
➡軽自動車は「車庫証明」がいらない・不要
ここが、「軽自動車は車庫証明はいらない・不要」と勘違いされる由縁になっているのですね。
もちろん全国どこでも・・・たとえ車庫証明が必要な地域であっても「車庫証明なし」で登録ができるのです。
普通車 | 軽自動車 |
![]() 北海道県警HPより |
![]() |
軽自動車の車庫証明はいつまでに出すの?
じゃあ軽自動車は車庫証明はいらないってこと?・・・ではありません。
車庫証明は出さなければなりません。登録時だけではなく納車後に出してもOKと言う意味です。ただし、届け出には期限があります。車庫証明の出し忘れには気を付けましょう。
こちらは2019年度現在の最新情報です。
・ 軽自動車〔新車、中古車〕を購入された方は直ちに行う
・軽自動車の車庫を変更された方は15日以内に車庫の変更届出
・軽自動車を持って、転入された方は15日以内に車庫の新規届出又は変更届出
届出先は車庫の所在地を管轄する警察署です。
(以前の情報では「3カ月以内」とありますが、「直ちに出す事」または「15日以内」です。出し忘れにご注意ください。)
なぜ、業者は車庫証明を出さないの?
「車庫証明届け出代行手数料」
すべての業者が車庫証明を出さないわけではありません。新車/中古車販売時、お客様の代わり車庫証明を届け出する業者は大勢います。
もちろんその際は、しっかりお客様から「車庫証明届け出代行手数料」をいただいています。
「車庫証明届け出代行手数料」の相場は1万円~2万円です。
車庫証明は自分で出すの?
お客様の中には、車庫証明を自分で出すとおっしゃるお客様もいます。
自分で届け出すると標章交付手数料(印紙代)が、たった500円~580円だけで済みます。(県により異なる)
業者に払う「車庫証明取得代行手数料」1万円~2万円が節約できると言うわけですね。
ですから、お客様から申し出があった場合、車庫証明の手続きはいたしません。私達業者は売り上げ減になってがっかりですけどね。
その後、お客様が本当に車庫証明を出されたかどうかは解りません。出し忘れてしまったり、時間が取れないなどの理由で出していない方もいると思います。
また、最初から車庫証明をとらないサービス?をしている業者もいます。「車庫証明は自分でとってね、その分安くするから買ってね」という感じです。
また、車庫証明をとらないほうが、スピーディに納車できるのも事実です。事情があり急いでいるお客様には「車庫証明ナシ」「自己責任で出してね」の対応をする事もあります。
「新車」だから業者にたのむ
「中古車」だから自分でしなければならない・・・などの区別はありません。
車を少しでも安く買いたい/警察署に行く時間がある/書類を書くのが面倒でない/という方は節約の為にもぜひ、車庫証明にチャレンジしてみてください。
ただし、「出し忘れ」にはお気を付けくださいね。自信がない場合は業者に頼みましょう。
まとめ 軽自動車の車庫証明はなぜ不要? 出し忘れたら?正しい知識・適用地域・罰則などを解説
軽自動車の車庫証明は届け出の義務があります。しかし、適用地域なのに届けていない場合も多く存在します。
なぜなら、普通車の車庫証明のように警察が現地調査にくることはありませんし、車庫証明がなくても登録が簡単に出来るからです。これが車庫証明が「不要」と言われてしまう原因になっているようです。
また、実際に届を出さなかったり、出し忘れで10万円の罰金を支払ったという話は聞いたことがないというのも要因になっています。
届けを出さなかった車が盗難等の犯罪に使われたとか、駐車違反を繰り返したなどの場合は違ってくるのだと思いますが、よほどの事がない限り罰金を払う事はないでしょう。
ただそれに甘えず、しっかり自己責任で車庫証明を出したいものですね。最後までお読みいただきありがとうございました。それではまた。