私たちの生活で必須となりつつあるETC。ノンストップで高速道の料金所を通れるのはなぜ?いまさら聞けないETCカードと車載器の仕組みを車屋さんが丁寧に解説しています。
さらに、ETCカードの「3種類のタイプ」や特徴を解説。あなたにぴったりのETCカードを見つけることができます。
案内するのは、新車中古車販売・国土交通省/陸運局認証車検工場を営むオートディラーの「長嶋」です。50年の経験をもと実際に起こったトラブルや解決方法を解説しています。
いまさら聞けない「ETCカードと車載器の仕組み」を車屋さんが解説★あなたにぴったりのETCは?
ETCを利用するメリット
ETCを利用すると、高速道路などの有料道路で車を停めることなく、キャッシュレスでスムーズに料金所を通過できるのでとても便利です。
渋滞時に、ETCレーンがスムースに進むのを見ると羨ましいですよね。
いちいち現金や小銭を用意しなくても良いし、ETC割引で高速代や通行料金が安くなるのでお得です。
では、ETCはどのような仕組みになっていて、どうしたら使うことができるのでしょうか。順に解説していきますね。
ETCの仕組み
ETCを利用するには、「ETC車載器」と「ETCカード」が必要です。
ETCは「Electronic Toll Collection System」の略で、直訳すると「電子料金収受システム」のことを言います。
高速道路や有料道路の料金所で使用され、車に装着された「車載器」と料金所のETCゲートに設置したアンテナを無線でつなぎ自動的に料金を支払えるシステムです。
う~ん、解りにくいわ~!!
ETC車載器
わかりやすく、ETC車載器の実物をお見せしますね。
下の写真は、車に「ビルトインタイプ」のETC車載器です。
車種によって異なりますが助手席のダッシュボードの中につけるタイプもあります。
この車載器の中にクレジット会社から発行された「ETCカード」を入れて使います。
車載器があってもETCカードを差し込まないとETCは使えません。ゲートで現金払いになるので注意しましょう。
ETC車載器のアンテナの仕組み
写真のフロントガラスについているのはアンテナです。
車載器と料金所ゲート間に電波を飛ばす役割をしています。
電波を飛ばすことで、高速道路を使用した区間などが伝わります。
この写真では、車載器とアンテナは別ですが、一体型になっているものもあります。
料金ゲートの仕組み
料金所ゲートに近づくと、料金所はETC車載器から、通行区間と料金などの情報を受信します。
料金ゲートでは、通行区間の料金を瞬時に計算。
車載器の「ETCカード」から自動決済し「通行ゲート」のバーを上げて通してくれます。
「ETCカード」の期限が切れていると、決済ができずゲートが開きませんので注意が必要です。
料金所ゲートの通過は、80km/h程度まで通信可能だと言われています。
このため、ETC装着車は走ったまま「通行ゲート」を通過することができ、渋滞時でもスムースに通ることができるのです。
ただし、ゲートバー衝突防止の為、20km/hの速度での通過がベストといわれています。バーが開かず、突っ込んでも怖いですよね。
私はさすがに20km/h以上のスピードで通過したことがありません。
友人は、速度オーバーで「バー」に衝突、弁償代金は1本6万円とのこと。無茶はやめておきましょう。
ETCトラブル
ETCで多いトラブルは、ETCカードでのトラブルが多いようです。
カードトラブルが起きてバーが開かなくても、ゲートで「現金払い」すれば通過できます
。ただし、渋滞になったり後ろから追突される恐れがあるので、カードの取り扱いには注意しましょう。
ETC車載器は後付けできる
ETC車載器がない車は、「車載器」を購入して後付けが可能です。
こちらの写真は、後付けしたものです。
ETC車載器を購入したら、すぐに使えるわけではありません。
「セットアップ登録」が必要です。
セットアップ登録は個人ですることはできません。ディーラーや販売店などの信頼がおける「登録店」が行っています。
セットアップ内容は以下の通り。
登録後はセットアップ証明書がもらえます。
注意点
証明書の黄色枠(上写真)の中の19桁の証明書番号は、車載器を取り外して再利用する場合に必要になります。
ETC車載器セットアップ「証明書」は大切に保管しましょう。
車載器はどこで買うの?
ETC車載器は、ネットで安く購入する事ができます。
でも「取付費用」や「セットアップ」を考えると、自動車用品店などで車載器を購入し、取付+セットアップをしてもらったほうが安いです。
ネットで買って、私たちのような車屋さんに取付け依頼すると「持ち込み料金」がかかるので、かえって高いものになってしまいます。
調べたところ、オートバックスでは「車載器+取付+セットアップ料金」で13,000円前後で販売、持ち込み料金は倍額かかります。
ETCに必要なもの | オートバックス |
車載器 | 5,000円~ |
取付工賃 | 5,000円 持ち込みは10,000円 |
セットアップ | 3,000円 |
もっと格安なものが欲しいなら「中古の車載器」をセットアップ店から購入してもお得ですね。知り合いの車屋さんや整備工場で中古品がないかあたってみましょう。
ETCカード「3種類のタイプと特徴★あなたにぴったりのETCは?
ETCを利用には、ETCカードが不可欠です。
ETCカードの特徴と種類を見て、あなたにぴったりのETCカードを見つけましょう。
ETCカードは3種類のタイプあり、それぞれの特徴があります。
ETCパーソナルカード(パソカ)
ETCパーソナルカード(パソカ)は、高速道路6社が発行しています。
ETCパーソナルカード(パソカ)は、クレジットカードを持たなくても保証金(デポジット)さえ払えば、ETCカードを持つことが出きます。
何らかの理由で、審査が通らない人にもETCパーソナルカード(パソカ)はおすすめです。
保証料(デポジット)はチャージと違って、保証金から通行料金を全額引いてくれません。
デポジット額の80%を超えると利用停止となり、ETCバーが開きませんので注意が必要です。
毎月の利用平均額 | 保証料(デポジット) |
5000円 | 20,000円 |
1万円 | 40,000円 |
1万5000円 | 60,000円 |
2万円 | 80,000円 |
法人向けETCカード
法人用ETCカードは、「クレジットカード会社が発行するもの」と、「高速道路各社、高速道路共同組合などが発行するカード」があります。
「クレジットカード会社が発行するカード」は、個人では簡単に作れますが、会社(企業)となると簡単に保証を出さない為、なかなかカードを発行しないことが多いです。
その点、高速道路各社、高速道路共同組合などが運営するETCコーポレートカード なら、新会社でもすぐに発行してくれます。
3つのカードの中で「割引き率」が最も優秀なので会社経営者には嬉しいカード。もちろん、当店でも使っています。
「ETCコーポレートカード」は、「法人」に限らず「個人事業主」でも申し込めます。
入会時に出資金10,000円かかりますが、脱退時には「返金」してもらえるので安心です。
個人向けETCカード
一般向けに多く使われているのが「個人向けETCカード」です。
このカードは、クレジットカードを新規で作る際に「ETC専用カード」を同時に申込みます。
つまり「クレジットカード1枚」+「ETC専用カード1枚」のセット申し込みとなるわけです。
「ETC専用カード」はETCでしか使用できず、買い物などの支払いはできません。(クレジット機能と一体型になっているものもあるが差し忘れ防止があるため不人気)
ETCは、クレジットカードの限度額内で利用できます。通行料金は普段のお買物等の利用額と合算してクレジットカード会社から請求されます。
申し込み後、審査が通ると1~2週間後にクレジットカード会社からETCカードが郵送されます。
審査は、職業や年収、勤務年数、持ち家、家族形態などの「簡単な入力」だけで審査されます。
こんな人はETCカードを作っておこう
2台目を購入する人は、いちいちETCカードを入れ替えるのは面倒ですし、家族間の貸し借りは大変です。
車を持ってなくても「車載器」が設置されていれば、「レンタカー」や「カーシェアリング」でも利用することができます。
ドライブに誘われ、ETC料金はこちらが支払いたい場合、ETCカードをさっと出せたらかっこいいですよね。
すぐにETCカードを発行してもらいたい場合は、申込み受付後、最短で翌日に発送してくれるイオンカード が便利です。
この機会にETCカードを作っておくとよいですね。