廃車した車を「復活」させる方法を車屋さんが詳しく解説します。
復活の条件、必要書類、費用、「中古新規登録」の手順、復活に必要な「一時抹消登録の証明書」を紛失してしまった場合、復活できない場合の対処法なども解説しています。
案内するのは、新車中古車販売・国土交通省/陸運局認証車検工場を営むオートディラーの「長嶋」です。50年の経験をもと実際に起こったトラブルや解決方法を解説しています。
廃車を復活させる方法・必要書類・費用を車屋さんが詳しく解説
廃車を復活できる条件
1.一時抹消された車であること
廃車手続きしてある車は、どんな車でも「復活」できるわけではありません。
・転勤になり車に乗らないから、一時的に廃車にした。 ・病気になり、1年間車に乗らない ・財産分与で車をもらったが、息子が免許を取るまで車庫保管 |
などで、「一時的に乗らない」という理由で廃車(一時抹消登録)した車だけが復活ができます。
「永久抹消登録」した車は、解体届出を同時に行うタイプの廃車なので復活はできません。
2.一時抹消登録の公的証明書があること
廃車の復活には「一時抹消登録の公的な証明書」が必要です。
この証明書の正式名称ですが、
◆普通車の場合は「登録識別情報等通知書」
◆軽自動車の場合は「自動車検査証返納証明書」です。
普通車 | 軽自動車 |
登録識別情報等通知書 | 自動車検査証返納証明書 |
車検証に似ていますが、これは「一時抹消登録」を行った後に発行されます。
大切な証明書なので、保証書、取扱説明書、整備記録簿、リサイクル券などと一緒に大切に保管されているはずです。
一時抹消登録の証明書を紛失した場合
一時抹消登録の証明書は、基本的に再発行はできないので、なくしてしまった場合は「復活」することはできません。
奥の手として、一時抹消した年月日が解ると過去にさかのぼって検索、再発行してくれる可能性があります。
といっても、再発行の可能性は薄いですが、陸運局または軽自動車検査協会に相談してみましょう。
3.譲渡証明書があるか
普通車の場合、譲渡証明書が必要です。
譲渡証明書は「私はこの車を譲ります」という意味の書類です。
車検証の所有者本人が「廃車を復活」させる場合は、いりません。
廃車した車をもらった場合などね。
4.車検が合格する車であること
廃車の車を復活させるには、同時に「車検」を受けることになります。
ボロボロになってしまった車、違法改造の車などの保安基準に適していない車は、車検が通りません。
鈑金や車検整備が必要になります。
5.経費や維持費に損はないか
新しい車を買ったほうが得かな?
廃車を復活させるには、車検をとるので諸費用や整備代に加えて「自動車税」も支払わなければなりません。
13年以上経った古い車は「重量税」も高額です。燃費が悪い車は「環境性能割」も支払う必要性があります。
廃車を復活させる場合は、経費や維持費等もよく考えてから復活させましょう。
廃車を復活させる方法と手順/中古新規登録
廃車を復活させる手続きのことを、自動車業界では「中古新規登録」といいます。
中古新規登録に必要な書類と、手続きの手順を解説します。
1.車庫証明をとる
まずは、復活させる車の車庫証明を取りましょう。
車庫証明がなければ、登録ができません。
管轄の警察署に行って、自動車の保管場所を証明する車庫証明(自動車保管場所証明書)の申請をします。
車庫証明は3~4日かかります。車検整備と同時進行で進めていきましょう。
車庫証明の有効期間は、発行されてから3カ月です。
軽自動車は車庫証明がいりませんが、人口が多い都市では必要な場合があります。
こちらのページで確認してください。
2.車検整備をする
廃車(一時抹消)になっていた車の、車検整備をしましょう。
3.仮ナンバー・印鑑証明等を取得する
車検整備が整ったら、仮ナンバーを用意します。
車検と登録は、軽自動車検査協会または陸運局で行います。車検切れの車は公道を走ることはできないので、仮ナンバーが必要になります。
仮ナンバーは自賠責保険があれば、市町村役場で借りることができます。自賠責保険に加入後、保険証券と車検証を持って市役所に行きましょう。仮ナンバーの有効期限は5日です。
また、同時に新所有者の印鑑証明・住民票等も取得しておきましょう。
仮ナンバーの借り方は、こちらのページに詳しく解説してあります。
4.車検+中古新規登録をする
復活したい車の車検と、中古新規登録は、新所有者の住所管轄の軽自動車検査協会または、陸運局(普通車)で行います。
車検に合格したら、いよいよ中古新規登録を行います。
書類に必要事項を記入します。必要書類は以下の通りです。
中古新規登録の必要書類 | |
普通車 | 軽自動車 |
・検査に合格した書面(下記のいずれか) 自動車検査票 ・保安基準適合証(発行後15日以内のもの) ・予備検査証(発行後3ヶ月以内のもの) ・完成検査終了証(発行後9ヶ月以内のもの) ・OCR第1号様式 (実印が必要) ・手数料納付書 ・登録識別情報等通知書 ・譲渡証明書 ・新所有者の印鑑証明書 (発行3ヶ月以内) ・委任状 ・保管場所証明証 |
・検査に合格した書面 自動車検査票 ・保安基準適合証(発行後15日以内のもの) ・予備検査証(発行後3ヶ月以内のもの) ・完成検査終了証(発行後9ヶ月以内のもの) ・軽OCR第1号様式 (法人のみ実印) ・自動車検査証返納証明書 ・新所有者の住民票 または印鑑証明書 (発行3ヶ月以内) ・委任状 ・保管場所証明証 |
5.経費の支払い
印紙や税金等の支払いをし、書類と一緒に提出します。
廃車復活にかかる費用を表にまとめてみました。
普通車 小型1500~200ccクラス |
軽自動車 |
・車庫証明 3,000円前後 ・仮ナンバー750円 |
・車庫証明 3,000円前後 ・仮ナンバー750円 |
・重量税 32,800円 ・自賠責保険 20,010円 ・印紙 2,000円+700円 ・自動車税(月割り) 34,500円 ・ナンバー代金 2,000前後 ・環境性能割(必要な場合) |
・重量税 6,600円 ・自賠責保険 19,730円 ・印紙 0円 ・自動車税(月割り) 0円 ・ナンバー代金 2,000前後 ・環境性能割(必要な場合) |
車検業者に依頼する場合は、これに 部品代+3万円~7万円かかります。
安くて品質の良い車検工場を探すなら、郵便番号の入力だけで自宅の近くの「車検店舗」が探せる【楽天車検】 が便利です。
5.ナンバーと封印
書類に不備がないと、新しい車検証が発行されます。同時に新しいナンバーを受け取りましょう。
軽自動車はナンバーを取り付けて終了。普通車の場合は、ナンバー取り付け後、封印をしてもらって終了です。
廃車を復活できない場合の対処法
・車がボロボロすぎて修理がむずかしい ・修理・鈑金代金がかかりすぎて、別の車を買ったほうが安い ・廃車の証明書類をなくした |
など、廃車を復活できない場合は、解体業者や廃車専門業者にお願いすることができます。
廃車を復活できない場合は、無料ですべての手間を代行してくれ、買い取りもしてくれる「廃車買り専門業者」がおすすめです。
解体業者は解体費用やレッカー代として数万円請求されることがあります。
その点、全国規模の「廃車買り専門業者」なら、ボロボロの不動車でも買い取ってくれてレッカー代も無料です。
独自のルートでパーツをリサイクルし輸出もしているから、むしろ思わぬ買取価格がつくこともあります。
解体費用にお金をかけたくない、このまま放置して価値が下がるのが嫌だ、と考える人は早めに「廃車買り専門業者」に無料査定してもらいましょう。
まとめ 廃車を復活させる方法・必要書類・費用を車屋さんが詳しく解説
・廃車を復活させるには、一時抹消登録の証明書が必要。 ・廃車を復活させる場合は、車検代や整備にかかる経費や維持費等を計算し、別の車を購入したほうが良いかなども考えてから復活させる。 ・廃車を復活させるには、中古新規登録をする必要がある。 ・廃車の復活手続きは、車庫証明をとる➡車検整備➡仮ナンバーを借りる➡印鑑証明・住民票取得➡陸運局または軽自動車検査協会にて車検➡中古新規登録書類提出、経費支払い➡ナンバー交付+封印➡復活 ・廃車を復活できない時は、廃車買取専門業者がおすすめ |