車の購入時、色あせしにくい色をお客様から訪ねられることがあります。
そんな時は、即答で白とお答えしています。
しかし、車には、白以外にも色あせしにくい車の色や、逆にすぐに劣化してしまう色があります。
今日は、長年の車屋の経験を通して車の色あせについて解説していきます。

案内するのは、新車中古車販売・国土交通省/陸運局認証車検工場を営むオートディラーの「長嶋」です。50年の経験をもと実際に起こったトラブルや解決方法を解説しています。
車の「色あせしにくい色」は何色? 失敗しない車購入時の色選び
車は日々、雨や雪、泥や鳥のフン、熱い日差し、紫外線等、様々な環境にさらされ、塗装の劣化の原因となっています
最近は塗装技術が向上し、品質の良い塗料で処理されているので、すぐに劣化する心配はいりませんがが、
経年劣化には勝てませんし、どんな高級車でも保管、手入れの仕方により色あせてしまうことがあります。
ところが、そんな過酷な環境の中でも長持ちする色もあります。
車の色あせ 白
車の塗装で一番色あせにくい色は白系の色です。
白、ベージュ、クリーム色、シルバー |
車の色あせは、太陽の光(紫外線)の吸収の度合いによって決まります。
太陽光は白色と言われています。
車に光が当たり、反射した光を人間が白として認識するなら、光は全部反射していることになります。
光を吸収ないと紫外線を吸収しないため、色あせ、つやけしなどの劣化がおこりにくいのです。
白に限らず、しろっぽいベージュ、クリーム、シルバー色なども紫外線を吸収しないため、長持ちする色となります。
パールなどの塗料は上層にクリアが加わるので、さらに長持ちすると言われています。
ところが白でも劣化してしまうこともあります。
色あせをするわけ
白でも色あせしてしまうのには、訳があります。
クルマの塗料の主成分は、樹脂でできていて紫外線に弱いからです。
青空駐車で、雨や鳥のフンで酸性化した車体をマメに洗車しないと当然白い車でも色あせします。
洗車後に車を拭いたら、
◆雑巾の滑りが悪い |
などの場合は色褪せや劣化が進んでいるので注意が必要です。
ネットオークションなどで車を購入する場合は、写真だけでは判断できませんので実車を見て輝きを確かめてから購入することをお勧めします。
車 色褪せ 復活
すでに自分の車に劣化が始まっている場合は、ワックスをかけたり業者にガラスコーティングを頼みましょう。
しかと、業者のガラスコーディングは2万円~10万円もします。
比較的安価で簡単なのは、自宅で出来るプロ仕様のガラスコーティング剤などです。
早めにコーティングを行うことで、劣化を止め、輝きを取り戻し復活することができます。
下記記事では、洗車などの車の手入れ方法やコーティングなど車の色別に解説しています。
車の色あせ 黒
黒は、車の色で一番、色あせて長持ちしない色と言われています。
黒は、紫外線や赤外線を吸収しやすく高温になりやすいため、化学変化を起こし長持ちしません。
特にメタリック塗装の場合、最上層のクリアが剥がれてしまうととりかえしがつきません。
また、黒色の車は、もともと傷や汚れがとても目立つという特性があります。
ほこりだけでも、すぐに真っ白くなってしまいます。
洗車、ワックス、コーディングなどの手入れを頻繁に行い、きれいな状態を保つ必要があります。
黒い車を購入するのはマメな人が多いので、普段から手入れを行っていれば色あせの心配はないかもしれません。
車の色あせ 赤
黒に続き赤も、色あせて長持ちしません。
東京タワーの赤色でも5年に1回は塗り替えるくらい、赤は劣化しやすい色なのです。
最近の車は塗料の改良で、劣化の進行や色変わりが抑えられるようになりました。
例えばマツダの「ソウルレッドクリスタルメタリック」です。
マツダ独自の塗装技術「匠塗 TAKUMINURI」で新開発の高彩度な赤色の顔料を使用し、色あせを防いでいます。
当社のお客様でマツダCX-5を新車から5年乗られている方がいますが、確かに今のところピカピカ。色あせは見受けられません。
ところが、年式の古い赤い国産車は、同じ年式や保管状態でもみすぼらしく色あせている車が多いです。
色がぬけて朱色っぽくなっる車もありますから、赤い中古車を買う場合にはなるべく日光に当てないこと、車庫保管がおすすめです。
車の色あせ 紫
自動車業界では紫は、赤の次に色あせしやすい色と言われています。
赤みの多い紫だとなおさらです。
色あせは、可視光線の中の赤が青をどれだけ吸収するかで決まります。
赤紫の車は色あせが早く、青紫色の車の方は長持ちするということになります。
車の色あせ 青
明るい青は、黒や赤色と違って紫外線を反射し赤外線を吸収します。
赤外線は紫外線よりエネルギーが低い為、青い車は色あせや劣化がおこりにくいと言われています。
トヨタでは、色を持たないモルフォ蝶の羽が青く見えるメカニズムを調べ、青色を使っていないのに青く見えるという構造発色性顔料を開発しました。
「Structural Blue」としてレクサス「LC500h」と「LC500」の特別仕様車に使用しています。
これから未来の車は、様々な技術で色あせや劣化を防いでくれそうですね。
まとめ 車の「色あせしにくい色」は何色? 失敗しない車購入時の色選び
車の色は、経年によりどうしても色あせが起こってしまいます。
同じ日に同じ車種の車を色違いで2人のお客様に納車したことがありますが、5年経ち赤い車の方は色あせて7万円もするガラスコーティングを行いました。
保管状態や手入れが悪く色あせてしまったのかもしれませんが、白い車の塗装は何もせずに長持ちしています。
つまり、白などの薄い色は長持ちし、黒や赤などのソリット色(原色)は濃くなるほど早く色あせやツヤが落ちてしまいます。
お客様の色の好みもありますが、車購入時にはなるべく色の状態が長持ちするカラーをお勧めしたいものです。
ワックスなどこまめな手入れが苦手な方、車庫保管が出来ない方などは、車購入時になるべく色落ちし薄い色のクルマ選ぶ事をお勧めします。
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