子供の自転車事故!! 「自転車保険以外に使える保険」特約・過失割合・賠償金額など解決事例を解説

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自転車

子供が自転車で事故を起こしたら、あわててしまいますね。相手に損害を与え「加害者」になってしまった場合はもっと深刻です。

怪我は大丈夫?
相手は?
損害は?
自転車保険に入っていたかな?
自転車保険に入っていないけれどどうしよう??

などと頭を抱えている方むけに、今回は実際に起こった「自動車×自転車事故」の実例をあげて解説します。

・自転車保険ってどんな保険?
・自転車保険以外にどんな保険を使えるの?
・自転車事故に「車の保険」は使えるの?
・どっちが悪いの?過失割合はどのくらい?
・子供の過失割合は?
・個人賠償責任保険は使えるの?
・個人賠償保険からは何がおりるの?金額は?
・自賠責保険からは何がおりるの?
・任意保険(人身傷害保険)の賠償額はいくら?

案内するのは、保険代理店・運輸局認証車検工場を営むオートディラーの「長嶋」です。自動車損害保険募集人資格の他、傷害・火災・生命保険募集資格を持つ保険のエキスパートです。50年の経験をもとに実際に起こった事故トラブルの解決方法を解説しています。

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子供の自転車事故!! 「自転車保険以外に使える保険」特約・過失割合・賠償金額など解決事例を解説

自転車事故で使える保険

近年、自転車事故で他人を死傷させ数千万円の賠償責任を負ったという事例が報道され、それから自転車の保険加入の意識が高くなりました。でも、自転車事故で使える保険は「自転車保険」ばかりではありません。自転車事故で使える保険は以下の通りです。

◆自転車事故で、使える保険

・自転車保険
・個人賠償責任保険
・相手の自賠責保険
・相手の自動車保険
・自分または、家族の自動車保険(人身障害)
・自分の生命保険、または傷害保険

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自転車保険

自転車保険証券

上の写真は、娘が高校で加入した自転車保険の証券(カード)です。自転車通学をしている学生は「学校で強制的に加入」させられている場合があるので確認してみましょう。

自分が自転車保険に加入しているか解らない場合は、「自転車を購入した時」に販売店で加入している可能性もあります。購入時の領収書や保証書と一緒に保存していないか確認してみましょう。

「自転車保険」は、個人賠償責任保険と傷害保険を組み合わせたものが多く幅広い保障が得られます。手術代や示談交渉も付いているものもありますが、物の保障は付いていないことが多いのが特徴ですです。

☘️今回の自転車事故では、自転車保険に加入していなかったので、父親の自動車保険についていた人身障害保障と個人賠償責任保険(日常生活賠償特約)を使うことにしました。

自転車保険以外で使える保険

自転車事故/自転車保険は使えるの?

スマートアシスト4

「自転車だから自動車保険は使えない」と勘違いして保険を使わない方もいますが、「人身傷害補償」や「個人賠償責任特約」が付いていれば自転車でも自動車保険は使えます

お客様から事故の連絡を受けたのは、夜7時を回ったあたりでした。最初は自動車事故かと思いましたが、高校生の息子さんの「自転車」の飛び出しによる接触事故だと解り、あわてて現場に駆け付けました。

お客様は「自転車だけど自動車保険は使えるの?」しきりに気にしていて
「大丈夫ですよ。「人身傷害補償」や「個人賠償責任特約」も付いているから使えますよ。」と言うと安心してくくださいました。

お客様は「自転車事故でも使えるので万が一の時は連絡してくださいね」と保険加入の際に説明していたのを覚えていて、事故連絡をくださったようです。

事故の状況

現場は、すでに警察の方や救急車が到着していて現場検証をしていました。救急車がきていたものの当事者の息子さんはとても元気そうで安心しました。(あとで聞くと足のねんざ・打撲との事でした)

お客様(父親)によるとと、停車中の渋滞の車をすり抜けて道路を渡ろうとしたところ、反対車線からやってきた車にはねられたとの事でした。

つまり、自転車側は「飛び出し」・車側は「前方不注意」です。息子さんは学校帰りで急いでいたのでしょう。自転車の前輪はぐにゃっと折れ曲がり、一目で廃車になると解るくらいひどい状態でした。相手の車は高級外車でしたが、それほど被害はなさそうでした。

どっちが悪いの? 自転車×車の過失割合

後日、過失割合をお客様に聞いたところ6:4で自転車の過失のほうが大きくなったとの事でした。やはり飛び出しの方が悪いとみなされたようです。

昔は、どんな状況でも大きなもの(車)が悪いと言われた時代がありました。歩行者や自転車などの弱者は守られるというイメージでしたが、今では過失は平等に評価されるようですね。

「飛び出したのも悪いけれど・・・・」と言いながら、お父様は納得されずに不満に思っているようでした。どうやら相手の方の態度が悪かったようですね。

相手の方が「突然飛び出してきたから、こちらは迷惑。自分は悪くない」と警察官に話をしていたようです。

警察官も「今では車だけが悪いという評価はしないんですよ。歩行者も・自転車もきちんと過失をとられるんですよ。」と、お父様をなだめたそうです。

子供の過失割合

子供の過失割合は裁判事例では大人より5~20%減らされます。ただし、物事の認識能力がまだ乏しい5歳以上13歳未満の子供とされています。

また、5歳未満の場合は子供自身の過失割合が問われず、保護者に監督責任が問われます。つまり保護者に賠償責任が加わるということになります。

今回の場合、17歳の高校生ですから過失が減らされるという事はありませんでしたし、お父様の保険で全てまかなうことになりました。

過去の自転車裁判事例

個人賠償保険(日常生活賠償)

自転車事故で使える保険に個人賠償保険があります。個人賠償保険は、自分が相手に与えた損害を賠償するもので自分の損害への賠償は出ません

自転車は、「自賠責保険」のような強制加入保険に入れないので、相手の治療費はこの保険で賠償することになります。

また、相手の車などに損害を与えた場合もここから修理費が支払われます。

今回の場合、相手の方は怪我はありませんでしたので治療費はありませんでしたが、高級外車の修理費用はこの保険から賄う事が出来ました。

個人賠償責任保険/加入の確認方法

個人賠償保険は、クレジットカード、生命保険、傷害保険、自動車保険、アパートなどの賃貸契約に付帯して契約している事が多いので、証券、契約書などに加入の記載がないか確認してみましょう。

下は、自動車保険に付帯しているものです。証券の裏側に小さく書かれています。

自動車保険証

自動車保険に付帯してなくても、次の3つのクレジットカードを使っている場合は個人賠償責任保険に加入している可能性が高いです。

・三井住友カード
・JCBカード
・セゾンカード

個人賠償保険に加入している場合は、160円/月くらいの引き落としがあるはずなので、カードの明細書で確認してみましょう。

 

☘️今回の事故の、個人賠償責任保険の支払い内訳。

損害額
自転車が相手の車のバンパーを傷つけ、修理代20万円

◆相手の車の賠償
保険会社同士の交渉で、こちらに過失が6割あると判定されたので
20万円×60%=12万円
が、個人賠償責任保険から相手に支払われます。

自分の自転車の保障はどうなるの?

相手の自動車保険(対物)から、過失分だけが支払われます。相手の過失は4割なので、自転車購入時の価格3万円の4割しか支払ってもらえません。
30000×40%=12,000円、が支払われます。

同じ3万円の自転車を買いたくても、自分の過失分(6割)は保障してもらえないので、残りは自腹で出すしかありません。

同様に、相手も12万円しか支払ってもらえないため、残りのバンパー修理代は、自腹または、自分の車両保険で直すということになります。

➡後日保険会社より連絡があり、12,000円では同等の「自転車の新車」が購入出来ない為、全額の30,000円が支払われるとの連絡が入りました。

自動車保険/人身障害保障

自動車保険(任意保険)に付いている「人身障害保障」は、一般的に運転者や等乗者の治療費などに使います。
人身障害保障は車に搭乗中だけではなく、歩行中や自転車の交通事故に対して保障が支払われます。

保障の範囲も広く契約者の「家族」も使うことができ、過失の大小にかかわらず支払われます。保証額は自動車保険の付帯額と同じ金額なので、驚くほど十分な保障を受けとることができます。

ただし、人身障害保障が「搭乗中のみ担保」となっている場合は使うことができません。

☘️お客様の場合、事故後すぐに父親の車の保険会社に連絡。

すぐに人身障害保険と個人賠償責任保険()から保障が支払われると確認できました。

◆お客様の保障内容は、
人身障害保障1000万(自動車事故特約・傷害2倍払い)
◆支払われた金額は、
打撲のだったので、5日通院で10万円、2倍払い特約がついて20万円との事でした。

参考
人身傷害保険の支払い例 三井住友海上

子供が自転車事故を起こした!! 使える保険や特約・過失割合・賠償金額など解決事例を解説 まとめ

長年、保険業務をしてきましたが、自転車事故で人身障害保障を使ったのははじめてのケースだったので記録に残しました。

以前、自転車に乗った小学生が坂道を止まりきれず、相手車両に激突し、怪我はなかったものの車をへこませてしまったケースがありました。

その時も、やはりお母様の自動車保険についていた「個人賠償責任保険」を使って相手の車両を修理したことがありました。

今回のケースもそうですが、自動車保険に付帯している保障は交通事故のプロフェッショナルが過失割合などの示談交渉してくれるのでとても頼もしいです。

ショッピングカードに付帯された個人賠償責任保険なんかでは、こうもスムーズにいきませんよね。また、自動車保険を使っても等級が下がることはありません

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