中古車購入時の「現金一括払いは嫌がられるのか?」「ディーラーでは一括払いを嫌がるのか?」車屋さんが、本音を解説しています。
案内するのは、新車中古車販売・国土交通省/陸運局認証車検工場を営み、中古車販売士の資格を持つオートディラーの「長嶋」です。50年の経験をもと実際に起こったトラブルや解決方法を解説しています。
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中古車★現金一括払いは嫌がられる?車屋さんが本音を解説
先日、当店で中古車を購入していただいたお客様から
と聞かれて、戸惑いました。
中古車を購入していただいて、ポンっと現金一括払いをしてくださるのは嬉しいのですが、確かに、現金一括払いだと「残念!!」と思う事も事実だったからです。
中古車を現金一括で、買う人の割合
昔にくらべて、現金一括で中古車を買う人は少なくなりました。
ローンやリース残価設定、サブスクなどにシフトしていますが、当店では5~6割ほどのお客様に現金一括で購入していただいています。
一般社団法人日本自動車工業会が発表した、全国の乗用車市場動向調査によると、「現金一括払い」をする人は、全体の68%にも及ぶことが解ります。
保有車の支払い方法 | 全国調査数 | 割合 |
---|---|---|
現金一括 | 1066 | 68% |
一般のローン・クレジット | 403 | 26% |
残価設定ローン | 80 | 5% |
リース | 19 | 1% |
合計 | 1568 | 100% |
現金一括払いが嫌がられる理由
私たち中古車販売業者が「現金一括払い」を嫌がるのは、次の4つの理由が挙げられます。
ローン会社のキックバックが入らない
中古車の購入時、現金一括払いが嫌がられる理由の1つに、「現金だとローンのキックバックが入らない」事が挙げられます。
私たち中古車販売店は、お客様にオートローンを勧めますが、ローンの契約が決まると信販会社からキックバックが入るのが一般的です。
ローン契約手数料、お礼、見返りみたいなものですね。
キックバックの還元率は、契約数が多い販売店ほど高く、金利が高い契約や、高額車両、ローン年数が増えるほど多くなります。
つまり、ローン契約のお客様からは「車両の儲け+キックバック」の2重の利益が得られるわけです。
ですから、「現金一括で買います!!」といわれると、車が売れてうれしい反面、ちょっとがっかりしてしまうのも本当なんです。
銀行ローンの場合も同じです。
「銀行でローンを組むから、見積もりを書いてもらえますか?」なんて言われると、
「うちでローンを組んでくれたら、キックバックが入るのになぁ~ちょっと残念」
と思うわけなんですね。
特に、ディーラーは現金一括払いを嫌がる
特に、ディーラーの営業マンは「現金一括払い」を嫌います。
ディーラーでは、店舗や営業マンに「割賦契約件数のノルマ」があるからです。
ノルマが達成できず焦っている時にかぎって、「現金一括」のお客様ばかりだったり、
同期のライバルに「高額ローンの上客」がついている時は、「自分はハズレだなぁ」なんて失礼なことを思っちゃうわけです。
また、同じ販売車に「現金一括払い」と「ローン払い」のお客様2人が同時についたとき、やはり利益幅の高い「ローン」客を優先してしまうのも真実です。
どうしてもノルマを達成したい営業マンは、現金一括のお客様に30~50万円だけローンを組んでくれと頼み、利息より少し高い値引きをおまけしてくれる場合もありますけどね。
中古車は、売り上げの利幅が必要
中古車は新車と違って、販売後に故障や破損のクレームが入ることがあります。
当社でも、乗り出して数日でエンジン不調になり、修理で数十万の損出を出したことがあります。
このため中古車は、利幅を大きくとるのが一般的です。
さらに、キックバックで売上が加算できれば、販売店は保証にかかる費用の心配が少なくなります。
となると、当然「一括払い」より、キックバックのある「ローン」の方が助かります。
中古車販売後のクレームは、納車整備をしっかりしていればめったにない事です。
現金一括払いでも、しっかり儲けが出て損はしません。
でも、中古車販売のリスクを考えると、利益幅が大きいローン客の方が、よりありがたいと言えます。
ローンの方が「値引き」がしやすく、契約が決まりやすい
中古車は、一般的に「値引き」をしないと言われてています。
ところが、ローン販売ではキックバックが入る分、中古車でも、お客様に「値引き」で還元することができます。
「値引きしますよ~」となると、お客様は契約に前向きになりますし、「値引き」が契約の決め手となるんですね。
営業マンとしては「売りやすい」という事です
反面、現金一括払いのお客様は「値引き」をしたくてもできません。
営業マンの中には「値引きがどうしてできないの?」と攻め立てられ、現金一括のお客様に苦手意識を持つ人もいます。
だからといって、現金一括のお客様が、すべて「値引きなし」になるわけではありません。
ディーラーの値引き額決定は、もうちょっと複雑です。
上記すべてを加味して、値引き限度額が決まります。
条件次第では、現金一括払いを予定している人でも十分な「値引き」を受けられます。
無理にローンを組まなくても大丈夫ですので、安心してくださいね。
中古車販売店の場合
大手中古車販売店のオートローンの金利は9~10%と高額、そのため、キックバックも大きいです。
信販系 | 年利 | ディーラー系 | 年利 |
---|---|---|---|
ガリバー | 9.8% | トヨタ | 4.8~7.8 |
ビックモーター | 9.9% | ニッサン | 4.9% |
ネクステージ | 10% | ホンダ | 3.5% |
私のような、個人経営の中古車販売店は、良心的な金利でオートローンを勧めるのでキックバックはわずかですが、大手中古車販売店は、驚くほど沢山のキックバックをもらっています。
あれだけ大所帯で経営していますし、広告、宣伝料、管理費などを考えれば仕方がないですよね。
ローンを組む人は、値引きを大きくしてもらえる可能性があるので、頑張って値引き交渉をしてみてくださいね。
裏技として、いったん、中古車ローンを組んで「値引き」や「オプションサービス」を受け、半年ほどでローンを解約したお客様もいます。
しかし、信販会社によっては「解約違約金」を支払うタイプのローンもあるので要注意です。
「解約違約金」は、車屋さんが代わりに支払う場合があります。
キックバックの返金ですね。
ローンの見返りにサービスや値引きを約束したにもかかわらず、途中解約したお客様は販売店のブラックリスト入りになり、これこそ本当に嫌がられます。
即金、現金一括払いの利点はないの?
とはいっても、お客様の立場からすると、
「即金で一括払いするんだから、利点ぐらいないの?」
車屋さんの立場に立っても、
「ローンで分割で代金をもらうより、一括払いでもらった方が得なんじゃないの?」
と聞かれることがあります。
ローン契約が決まると、信販会社はキックバックを含めた車両代金を、一括で車屋さんに振り込んでくれるんですね。
ですから、現金一括もローンも、結局、一括で集金できますし、ローンの方がキックバック分売り上げが多くなるというわけです。
残念ながら「一括払い」より「ローン」に軍配が上がるんですよね。
中古車★一括払いは嫌がられる?車屋さんが本音を解説
どんな形でも、お客様からお金を受け取るのはありがたい事です。
車屋さんは、現金一括払いが、絶対に嫌だというわけではありません。
一方お客様は、
「中古車一括払いは、車屋さんが嫌がるからローンにする」とか、
「値引きや、サービス」を狙って無理にローンを組む必要はありません。
ローンの金利の方が「値引き額」より上回り、損をすることがほとんどだからです。
「現金一括払い」ができるのなら、それに越したことはありません。
嫌がられることなんか気にせず、どんどん現金一括払いでいきましょう。
でも、やっぱり「現金一括で」と言われると、ちょっと「残念」な気持ちになってしまう車屋さんは、私だけではない理由をお話をしました。
現金手渡しでも大丈夫?現金払いのメリット/デメリットも参考にしてください。
それではまた。素敵なカーライフを送ってください(^^♪