納車予定日が「雨」だった場合、戸惑うお客様が大勢います。
今日はそんなお客様の疑問に答えて、納車日が雨だった場合の対処法を教えます。
案内するのは、新車中古車販売・国土交通省/陸運局認証車検工場を営むオートディラーの「長嶋」です。50年の経験をもと実際に起こったトラブルや解決方法を解説します。
納車日が「雨」だったら延期?納車?◆車屋さんが教える「雨の日納車」の対処法
納車予定日が雨の予報だったら延期したほうがいいの?
納車予定日が「雨」だった場合「納車」を迷いますよね。お客様の価値観にも寄りますが、
という方は「延期」を申しでた方が良いでしょう。
せっかく楽しみにしていた納車ですが、販売店に電話をして延期を申し出ましょう。
でも急に申し出て、延期をしてもらえるものなのでしょうか?
急に頼んでも延期してもらえるの?
販売店は、お客様の要望に沿って「納車」か前提です。
ですから延期を承諾するのは当たり前なのです。
「納車日が雨の予報なんですが延期してもらえますか?」
と、気軽に電話をするとよいですね。
実際に当店で延期された方も大勢います。
逆にそのまま延期せずに、「雨の日納車」をする人も多くいます。
こちらから「雨ですが延期しなくて大丈夫ですか?」と聞くと
「せっかく待っていたから、気にしない、どうしても日をずらせない」という理由で、そのまま雨の日納車するお客様が多いというのも事実です。
「雨の日納車」のメリット/デメリット/注意点
まだ迷われている人に、「雨の日 納車」のメリット/デメリット・注意点などをお話ししますね。
納車前チェック 傷の確認がしにくい
雨の日は暗く、水滴が多くついている為キズや凹みなどの傷の確認がしにくく、納車前確認がしにくいです。
「新車」ならなおさら気になりますし、自宅納車ですと泥はね等も加わるので「雨の日納車」は購入者にとても不利といえるでしょう。
実を言うと、私たち車屋さんもお客様と同じで「雨の日納車」は、なんだかがっかりするものです。
お客様に喜んでいただく為に、前日から☆ピカピカに仕上げているので、その成果を見てもらいたいんですよね。
さらに販売店の敷地が狭い場合、屋根がある展示時場に停められず、せっかく磨いた車が雨ざらしになってしまいます。そんなマイカーを見てがっかりするお客様の顔を見たくありません。
同じ車業界にいてお恥ずかしいことなのですが、「雨の日だから洗車なしで納車できる~」なんて悪い事を言う営業マンも知っています。耳を疑ってしまいますよね。
ですから、やはり雨の日納車日は避けた方が良いんですよね。
事故リスクが高い
「雨の日納車」を延期して、「晴れの日」に変えて良かったという声をいただきます。
確かに、慣れない車を雨の中運転して帰るのは事故のリスクがあります。晴れた日に気持ちよく運転して帰っていただきたいです。
雨の日納車は縁起が悪い?
雨の日納車は「縁起が悪い」「風水的に良くない」と言われることがあります。信じるのは本人次第ですが、とても暗いイメージになる事は確かです。
天気も暗いので、先ほども指摘した通り、納車時の傷や凹みが確認しにくいですよね。
たいていのお客様は契約時に天気の事はあまり気にせず「大安」や「仏滅」などの縁起を気にします。さすがにお天気の事を気にかけるお客様は少ないです。
しかし、全く気にせず「仏滅納車+雨の日」にあたってしまっても、笑って納車を済ませる方もいらっしゃいます。
考え方や価値観は人それぞれですが、車は高価な買い物、また命を預ける乗り物ですから、雨の日納車は縁起が悪いから別の日にしよう・・・と、げんを担いでも良いかもしれません。
雨漏り発見のメリット
あってはいけないメリットですが、雨の日の納車は「雨漏り」が発見しやすいです。
中古車のオープンカーの開閉口や、サンルーフのパッキンの劣化です。たまたま納車日に雨が降ったから発見できてクレーム・キャンセルできたという話も聞いたことがあります。
特に輸入車は日本車と比べて造りが雑ですから、そういったことがよくあるんですよね。また事故車等も車体に歪みが生じていますから、窓枠から雨がにじんでくることもあります。
また、中古車の場合ボディコートが剥がれツヤけし状態になっている車もあります。水滴がはじけず腐りやすくなっている状態です。
これは晴れの日でも解りますが、納車時にワックスかけしてもらうべき車です。納車後ではもう遅いので、正しい洗車方法を行い大切に乗りましょう。
安易にネットで中古車を購入したり、店舗を持たないブローカーなどから事故車を騙されて車を購入しないよう注意する必要があります。
ガラスコーティング(撥水ウィンドウ)
納車後に初めて雨が降った時、フロントガラスの撥水ガラスコーティングがしていないことに気づいたというお客様がいらっしゃいます。
あれ、契約時に頼んだのに・・・
というクレームの発生です。
フロントガラスの撥水ガラスコーティングは営業マンによっては値引きやサービスで付けてくれることもありますが、ほとんど有料なので営業マンが忘れていないか注意をしなければいけません。
納車時に雨が降っていれば一発で気が付きますね。
雨の日納車を決めたなら 注意点
都合がつかず「雨の日納車」を決めたなら次の点に注意して進めましょう。
納車を延期した場合、車検は少なくなるの?
納車を延期すると、もちろん車検は少なくなります。
最近の新車はお客様からの受注で工場生産し完成検査後、陸運局にてお客様の名義に登録します。同時にいつごろ納車できるかの話し合いがもたれます。
一度、納車日を決めると、納車日の1週間前から前日までくらいに登録をします。この登録が終わった時点ですぐに次回車検のカウントが始まります。
納車日と登録日のタイムラグは、この期間に納車準備(ナビや装飾品などの取付・コーティング・洗車・車内清掃)を行うので発生するのは仕方がありません。
雨予報で納車を突然延期したのなら、すでに登録が済んでいますので、延びた日数だけ車検が少なくなっていきます。同じだけ車検日数が伸びることはありません。
納車を延期した場合、自賠責保険や任意保険はどうなるの?
自賠責保険
自賠責保険は車検と同じく、延期した分だけ補償期間が少なくなります。しかし、不足分が生じる事はないので特に何もする必要はありません。
新車の場合は登録時に次回車検時より1カ月多く加入しています。中古車の場合も次回車検日時までは加入する義務がありますので大丈夫です。
(自賠責保険とは、車検時に加入する強制保険です)
任意保険(自動車保険)
自動車保険の加入・車両入替が済んでいる場合は、延期になった手続きをしなければいけません。
始期日・入替日の変更です。納車が2~3日後に延びただけなら、手続きの面倒を考えると何も連絡しなくてOKです。
ただし、「車両入替」の場合は、前に乗っていた車の保険が効かなくなってしまうので注意が必要です。納車まで前の車に乗らないようにするか、保険の入替日を延期してもらいましょう。
もちろん新規加入も保険始期日を変更することが出来ます。
車両入替の場合は、ほとんどの代理店で電話のみでの対応可能なので「納車日延期」を決めたなら、なるべく早く連絡しましょう。
保険を安くしたい場合は、テレビCMや広告でよく見る大手保険会社の保険料が解る、無料の自動車保険一括見積もりサービスを利用すると便利です。
この機会に、保険会社を変更し「保険料を安くしたい」場合は、車買い替え時に「保険会社を変更」するメリットとデメリットで詳しく解説しています。損のない変更をしてください。
納車日が「雨」だったら延期?納車?◆車屋さんが教える「雨の日納車」の対処法
待ちに待った納車日が「雨予報」だった場合、とてもがっかりしますよね。楽しみにしていた納車帰りのドライブもキャンセルになってしまいます。
そこで実際に延期される方ですが、当店では20%くらいでしょうか。皆さんお忙しいのか「延期なんてまったく考えてもなかった」「信頼しているから雨の日でもOK。チェックしなくても大丈夫よ」なんて嬉しい事をおっしゃってくれるお客様もいます。
大安吉日にこだわる方は、次の大安まで長くて10日以上も待つことになりますから、やはり延期はせずに「雨の日納車」を選ばれてしまうようです。保険の入替も面倒ですしね。
個人の価値観にもよると思いますが、雨の日の納車は延期して晴れの日にしてもらうのが良いでしょう。しっかりチェックして、気持ちよく納車してもらうのが「車屋さんの私」のおすすめです。
「後々クレームのない納車をしたい」と、どこのディーラー・販売店も考えていますので「納車の延期」の申し出は大歓迎されます。嫌だと言う営業マンがいたら本社にちくっと連絡しちゃいましょうね。
それでは、素敵なカーライフを送ってくださいね。