納車日決定の仕組みとディーラーの裏事情を解説

車を購入して「納車」を待つ方の中には、「納車日の連絡がこないけれど、いったいどうなっているんだ?」と不安の声をよく聞きます。

今日は、納車の流れと納車日決定の仕組みと注意点を、お客様に言えないディーラーの裏事情もふまえて解説し、少しでも「納車日」の連絡を待つ方の不安を取り除けたらと思います。

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納車日決定の仕組みとディーラーの裏事情を解説

納車日の連絡がこない

車を購入、契約後はっきりとした納車日が決まらないと落ち着きませんよね。

納車までの期間が長ければ長いほど気になりますし

「途中経過の連絡はこないものなの?」 「まだ納車日の連絡がこない～」

など、毎日気をもみます。

納車前に「頭金」や「代金全額」を全額支払っていたらなおさらです。

私たち車業界では納車の日が遅れる事はよくあることですが、その遅れを連絡しないのはとても失礼なことですよね。

中には当日になっても連絡がなかったという驚きのディーラーもあります。

では、一般的な「納車日」の決定の流れはどうなっているのでしょうか?

一般的な納車日決定の流れ

新車の場合

「在庫」がある新車は、納車日決定がとてもスムーズです。

在庫がある新車は、注文を受けるとすぐに本社プールから店に陸送されます。

その後、車庫証明を取り、登録・ナビなどのディーラーオプションを付けるだけの作業なので「契約時」や登録前の書類引き渡し時に、お客様と細かい「納車日」を決めてしまう事が一般的でとてもスムーズです。

この場合、納車日の前日に「予定通り明日伺いますね～」と、確認の電話があるはずです。

中古車の場合

「中古車」の場合は、納車整備に時間がかかるため契約時点で納期日があいまいになりがちです。

きちんとした販売店ほど、お客様に万全な形で乗っていただく為に細やかな納車作業を行い、納車日が遅れる傾向にあります。

契約直後に登録に必要な書類や印鑑をいただきますが、納車日に関しては

「車庫証明と整備に2週間～3週間ほどかかるので時間をください。納車日はそのあとになると思います」

というような言い方をします。

納車日をはっきり言わない理由は、車検や、整備時に不具合が見つかると、修理や部品の取り寄せに時間がかかってしまう事が予想されるからです。

また、年式が古い車ほど不具合が見つかる可能性が高いので時間を多くいただくことが多いのです。

無事、車検や納車整備が終わった時点でお客様に連絡、お客様の都合の良い日、大安吉日などの意向を伺い「納車日」を決定するという流れになります。

その後、室内清掃・磨きなどの納車準作業を終えて、予定の「納車日」に納車をするのが一般的です。

中古車の納車までの具体的な「期間と流れ」については、ことらに詳しく解説しています。

納車日の決定が遅れるのはなぜ?

「納車日」の連絡が遅くなりがちな車とは

次の車は、「納車日」が遅くなる傾向があります。

スーパーカーや輸入車は「希少車を整備する技術者」が少ないため、待ち時間が数か月と長くなるのが一般的です。

不具合箇所があった場合「本国」から部品を取り寄せなければならないため、余計に納車準備作業に時間がかかってしまうのです。

特に「納車日」の連絡が遅いのは、何か月も待たなければならない「人気車種」や「受注生産の車」(頼まれてから作る車)で、どこの販売店でも、契約時にはっきりとした「納車日」を言う事を避けている車です。

この場合、

「納車日は３月～4月頃になりますが、近づいたら連絡しますね」

などと言うのが一般的です。

特に、最近の新車は特殊な色や安全装置などをトッピングして注文する「受注生産」が多いので、人気車種にもなると、1年待ちなんてことはざらにあります。

ですから、販売店は全国から集まる受注の数や生産スピードも考慮し工場出荷時期を予想、およその納車日をお客様に伝えます。

つまり、受注生産で数ヵ月待ちという車は、私たち営業マンにも「実際いつ店に入庫するのか解らない」が本音で、その結果、おおよその納車予定日しか伝えられず

「いつになっても納車日の連絡が来ない」 「こんなに待たせて、いったい何をしているのだろう?」

と、お客様を不安にさせてしまっている訳なのです。

トヨタ 出荷から納車まで

例えば、納車まで3か月かかるトヨタの出荷から納車までを見ると、

2024年11月　トヨタ車の納期一覧

トヨタ車の納期は、2024年11月1日トヨタ公式 にも目安が書かれていますが、「詳しくは販売店にお問い合わせください」ばかりで解らないとお客様から問い合わせをいただきました。

そこで2024年11月3日時点で、トヨタの営業マンから聞いた、詳しい納期を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

トヨタ車の納期は、コロナによる部品調達の遅れ・半導体不足で納期の遅れが目立つようになりました。

さらに、2024年は、関連会社のトヨタ自動織機の不正問題で、新型ランドクルーザー300をはじめハイエース、プラドなどは出荷停止、ヴェルファイアなどの生産ラインも稼働停止になるなど、ほとんどの車の出荷が遅れています。

ジムニーの納期はこちらに詳しく解説しています。

ヤリスクロスの納期はこちら

カローラクロスの納期はこちら

納車の待ち時間を利用!! さらに車を安く買おう

納車が遅くてラッキーだと思えることは１つだけあります。

下取り車をもっと高く売る事でトータルで安く車を買う事が出来る点です。

ディーラーで査定した下取り車の価格は、かなり低く見積もられています。

ディーラーは、人件費や車両保管、整備等の経費が多く掛かかるので仕方ないんですよね。

買取専門店ですと平気で20万円以上高く見積もられる事があります。

でも、自分の車の相場が高いのか安いのか分かっていないと、ディーラーの査定額が高い安いの判断が出来ません。

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繁忙期／決算期で延期

また「納車予定」が、3月や9月などの繁忙期・決算期だった場合も「納車日」が遅れる、延期になることが多いですす。

特に9月の決算期は、在庫調整のため値引きを多くして販売台数を増やすため、販売はもちろん、お買い上げいただいた多くのお客様の登録・納車作業に追われます。

また、3月は車屋にとっては年度末です。翌年の自動車税がかからないよう廃車や名義変更などの作業は3月31日までが期限ですし、車を購入したい新社会人など新たな門出を迎える人への販売と重なり大忙しなのです。

この結果、予定していた3月納車までに「納車準備作業」が整わず、

◆「納車日」が伸びてしまう
◆「納車日延長の連絡」をうっかりしてしまった

なんていう事も起きてしまうのです。

途中経過は連絡してもらえないの?

納車を長期間待つお客様の間では、「 工場を、今日出荷しましたよ～」などの「途中経過」の情報が欲しいという声を聞きます。

しかし、途中経過の連絡はしないのが一般的です。

私達業者でも、よほどの事情がない限り途中経過の連絡をもらえません。つまり、連絡がないことが順調にいっているという事にもなるのです。

また、デーラーで働くすべての人間が、工場の出荷具合を熟知しているわけではありません。販売店側は注文を入れ、入庫を待つだけなのです。

「工場出荷が、リコールのせいで遅れているらしい」などの内部情報は入ってきますが、どの車種がどのくらい遅れるのかは販売店でもはっきりわからないのです。

納車日の連絡は何日前？

販売店から「絶対に連絡がもらえる確実な日」があります。

それは、受注車が工場を出荷し「販売店」に到着した日、または翌日です。

納車日から逆算して数えると、普通車は車庫証明に時間がかかりますから4日～7日前(土日祝日は含まない)。軽自動車は1～2日前。ナビ・ドライブレコーダーなどの架装が必要な場合は取付期間がプラスされます。

販売店は、登録していない車をいつまでも「店の敷地」に置いておくわけにいきません。次から次へと未登録の販売車が敷地内に入庫してきますので、どんどん登録して納車し、敷地を開けなければ仕事になりませんし、車両代金の集金もできません。

ですから、登録に必要な「印鑑証明」や「実印」などを早急にお客様に準備してもらうため、必ず営業マンからすぐに「納車日」を決める連絡電話が入ります。

この時に、必ず納車日を決めましょう。

小さな販売店ですと、納車後に代金を支払うと良いですね。先に払ってしまうと、納車日が遅くなる可能性があります。

納車日が遅れる理由／ディーラーの裏事情

ディーラー内では、お客様に話せないような「裏事情」のせいで納車日が遅れる事もあります。

政府の割り込み受注

某ディーラーの営業マンの話によると、

ディーラーでは政府受注が入ると、そちらを優先させて納車するそうてす。たとえ先に一般市民から注文があっても後回しにされる事が多いそうです。政府受注とは官公庁もですが「自衛隊」の場合が多いそうです。

この場合、最初から予想ができているらしく、もともと納車日を1～2か月多く設定している場合が多いそうです。生産が早く予定が早まれば「納車日」が早まる連絡を、遅くなる場合はそのまま連絡しないことが多いようです。

リコール／内部問題

リコールや、内部問題が発覚しニュースになったなど、多くの問題を抱えているディーラーで新車を購入してしまった場合、対応に追われて納車時期が遅れてしまう事もよくあります。

実際スズキでは、完成検査を無資格者が行っていた事が発覚し、納車後初車検の車の車検費用をスズキが負担するなどして対応に追われている為、新車の納車が遅れていますね。

新車に不具合が発生

また、出荷した一部の車種がエンジンの不具合を起こし、止まってしまう怪現象がおき、新車の出荷が一時的にストップされたというケースもありました。

お客様には納車日延期の連絡があるようですが、納車日ぎりぎりになって遅延連絡が行くことも多いようです。

過去に営業マンから

「お客様を不安にさせないために、不具合箇所を直している事は黙っていてほしい」 「当分、この車種の販売はセールスしないでほしい」

などと、頼まれたことさえありました。

過去にあった事例

当社で過去にあっためずらしい事例ですが、納車日当日、ディーラー営業マンが納車予定の車をぶつけて納車日が延期になった事がありました。人間ですから、間違いはありますけれどプロとして、そんなことがあるのかと本当に驚きました。

納車予定の車両は、当時は珍しい若草色の軽バンで、3か月待ちしてやっと届いた車両でした。当日、納車は無理ですとお客様に事情を説明し、同じ車を再び注文し3か月待ち。結果的に合計6か月もお客様を待たせたのちに納車しました。

後から聞いた話では、営業マンがその車を買い取ったようです。

納車日決定時の注意点

納車日の決定時には注意点があります。

登録日

軽自動車は、4月1日の所有者に1年分の自動車税がかかってしまいます。この日近辺に納車を考えるのなら、1日遅らせた4月2日に登録してもらいましょう。自動車税の節約につながります。

また、普通車の場合も同じです。普通車の場合は月割の自動車税ですから、月初めに登録・納車してもらうとお得です。

駐車場

駐車場がない場合は、駐車場の借り入れが必要です。普通車の場合、車庫証明が必要ですから登録の遅くても1週間前には駐車場を借りていなければなりません。

しかし、駐車料金の毎月の支払いも馬鹿にできません。納車日のかなり前に借りてしまうと、車を停めていないのに駐車料金ばかり、かさんでしまう事になります。

この場合、はっきりした「登録日」と「納車日」を決めてから駐車場を借りたほうが無駄をなくすことにつながります。

任意保険の加入

自動車購入の際にうっかりしてしまいがちなのが、自動車保険の加入や車両入れ替えです。登録や、納車が出来る準備が整うと、ディーラーや販売店から「納車日相談」の電話がかかってきます。

初めて車を購入した場合は、ディーラーでも任意保険に新規加入できるので、納車日に加入する手続きを忘れずに行いましょう。

また、別の保険代理店で加入している場合は、出来上がった車検証を自分の加入している保険代理店に直接ファックスで送ってもらい、車両入替の日時(納車日)・車種・グレードなどを伝えてもらいましょう。

ネットで申し込む自動車保険は、代理店で申し込む保険より、かなり安くなる場合があります。この機会に、保険料や補償内容の見直しをしてみるのも良いですね。

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納車日が遅れると代車やレンタカーを貸してもらえるの?

納期遅れで、レンタカー代金を請求することはできません。支払ったという話も聞いたことがありません。

車を購入する際は、今の車の車検が切れるタイミングで買い替える方が多いです。そういった事情を販売店も心得ていて「納車日が遅れた場合、代車を無料で貸します」と言ってくれるのが一般的でした。

ところが、コロナによる工場閉鎖や半導体不足で納期遅れが重り、今は、ほとんどの販売店で「車検」を取ってくださいとお願いするようになりました。

1年以上待ちの車の場合、新車契約時に納期遅れを予測しと、今乗っている車の車検代(諸費用のみ)をサービスする販売店もあります。

契約時には必ず納期遅れの対処法の確認をして、一筆書いてもらうと良いですね。

すでに、納期遅れで車検切れ間近の方は、納車遅れのお詫びやサービスは請求できる?を参考にしてください。

まとめ　納車日決定の仕組みと裏事情・注意点を解説

納車日の遅れはよくあることですが、いつまでたっても「納車日」の連絡が来ないと心配ですね。

車は高価な買い物です。「納車日」が気になるのは当たり前のことです。遅れには様々な理由があると思いますが、心配なら、すぐに販売店に問い合わせの電話をしてみましょう。販売店も、快く答えてくれるはずです。

「納車」楽しみですね。それでは良いカーライフをお送りください。

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